てりぶるフューチャー






 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

7点

ブランド名 COREMORECO シナリオ

2点

ジャンル どたばたラブコメディ 萌え萌え

8点

    せつなさ

8点

    素薔薇さ

3点

 





 『てりぶる フューチャー』、この題名を見て多くの人間が予想できたように、このゲームはタイムパラドックス(タイムマシン)物である。そして、そのタイムマシンの起動点となる時代は西暦3000年代。そこでも人類は繁栄を続けており、星々の彼方にまで活動範囲を広げている。しかし、その住民にとっては必ずしも幸福な世界ではないようで、世界はある企業グループによって実質的に支配(独裁)されている。その企業グループの名は「ミナカタグループ」。このミナカタグループは21世紀前半に革新的なOSを開発、それを皮切りに独創的な技術を次々と発表し、世界をリードしてきたのだ。

 そのミナカタグループにも反対勢力があり、そのレジスタンスがとった作戦が開発されたばかりのタイムマシンを強奪し、時間改変を試みることだった。その目標時間座標は21世紀始め、その目的は、ミナカタOSの開発者にしてグループの創始者である御名方一輝の暗殺。レジスタンスは一名の女性を過去界に送り込むことに成功するが、それと一緒にミナカタの女性型アンドロイドにもフィールドに強引に潜り込まれてしまう。

 ここまで読んでいると、そもそもレジスタンスが時間改変を試みさえしなければ、ミナカタが革新的な技術の数々を世にもたらすことはなかったのではないかと予想する人も多いと思うが、そのことは置いておいて先を続けよう。そこから、ゲームの舞台は未来から現代へと移る。この現代世界で、このゲームの主人公である御名方一輝は平凡な生活を送っていない

 まあ、親が外国に行っており一人暮らしという設定は現実でもあるしいいだろう。巨大財閥の一人娘と幼馴染で、そのご令嬢が公立学校に通っていて主人公の同級生で、主人公が何をするにしても生活指導してくることも、現実では非常識だかギャルゲーでは典型的な設定なので百歩譲って許してやろう。しかし、主人公の保護者代わりである見るからに怪しい人物の秘書の体にアンドロイドのような体の切れ目があるのはどうしたことか。しかも、主人公は平然とそれを受け入れているし。この時点で、平凡な主人公の元に未来からの暗殺者というお約束は破綻してしまっている。

 しかも、この保護者代わりの怪しい男とアンドロイド秘書に突然バイトを解雇され、「そうだね。今日だったか」「はい、今日はそういう日です」なんて言われた日には、お釈迦様の手の上にいる孫悟空みたいで居心地が悪い。さらに、「もうじき彼女、いや、彼女たちが来る頃合いだ」と言われて簡潔に今後の説明を受けて後、アパートへの帰り道、未来からの暗殺者に出会ってしまう。

 暗殺者の未来兵器で攻撃を受けるが、ここでアンドロイドの介入で事なきをえることができる。それにしても、強引に時間転移のフィールドに飛び込んだアンドロイドが暗殺者とあまり時間差なく出現したのは意外だった。しかし、こんなことは、大事の前の小事。「フフフ...奴は四天王の中でも最弱...、人間ごときに負けるとは魔族の面汚しよ...」ってレベルだった。

 当然のことながら戦闘状態に入った二人だが、流れ弾が町を破壊する状況がテレビ放映されてしまう。あまつさえ「御名方一輝は殺す!」とか「マスターがお住まいの4丁目には、これ以上、一歩も進ませません!」とか流されたのは意外を通り越して愕然とした。さらに、このことで警察に捕まった主人公が次の日の朝には解放され、おまけに、あれは映画撮影という子供騙しの嘘が通用し、恐るべきことに、暗殺者とアンドロイドが主人公の住むアパートで平然と並んで丼飯を喰らっていたりACアダプターで電力補給していたりするのを見たら、愕然を通り越して呆然としてしまった。

 共倒れになりそうだったから休戦としたというのもどうかと思うが(特にアンドロイド側が受諾するとは思えない)、全国放映された二人がアパートに住む未亡人とその娘に受け入れられているのには参った(その娘の心配事は彼女達が主人公の彼女がどうかだけ)。この時点で自分は心が砕けそうになった。

 そして、納得いかないのは主人公だけという状況下で、身寄りのない暗殺者とアンドロイドをアパートの住人として受け入れることになってしまう。まあ、この異常なスピード展開も、同居状態に早くしてラブコメモードにもっていきたいなら少し理解はできる。でも、ここから同居までダラダラとして紆余曲折がある。しかも、そのダラダラ状態を引き起こしているのが、主人公がグダグダ言って何の行動もしないのが原因なのだから困ったものだ。せめて、暗殺者に対しては、はっきりとミナカタOSの製作なんてしないと約束でもして説得すればよいものを、それをしないから相変わらず同じアパートに住んでいる相手に命を狙われる始末なのだ。

 ここにさらに、美女二人の出現に危機感を増大させたお嬢様まで主人公のアパートに引っ越してきて、一気にハーレム状態に突入してしまう。御都合主義もここに極まれりという、すごい展開だ。しかも、おまけに、暗殺者までたいしたイベントもなく主人公のことを惚れ出し、地球に未来なんて明後日置いておいて、主人公争奪バトルが繰り広げられることになる。

 ただ、ここでも超展開が待っている。これだけモーションをかけられている主人公が全然相手の気持ちに気づかない&結論先延ばしを図ってくる。いったいなぜ、女の子達が主人公のことを好きなのか疑問に思えるほどのダメっぷりを見せつけてくれる。

 そして、まあ相手が決まってから、話は再びタイムパラドックス(タイムマシン)物に切り替わる。しかし、ここでの展開もはっきり言ってよくない。時間物のSFに必要な上手な伏線の張り方なんて完全に無視して、いきなり異星人まで登場してくるのだから、粗筋だけなら失格レベルと言えるだろう。そして何かよく分らないまま、何時の間にかにラブコメ調のエンディングが流れてゲームエンドだ。この程度のシナリオしか創れないなら、SF物なんて諦めて、素直にラブコメのイベントだけ張り合わせて普通の学園物のシナリオを創って欲しかったものだ。

 次にシステム面を見てみよう。実は自分がこのゲームをプレイしている最中に少し困ったことがあった。ある所で、選択肢のウィンドウが消えなくなってしまったのだ。選択肢を選んだのに、その枠だけがゲーム画面の中央に残ってしまったのだ。まあ、次の画面に切り替わったら消えるかと思って続けてみて背景が変わっても枠は消えない。今度はゲームを一度終了させて再起動しても枠だけが相変わらずに画面の中央に居座っている始末。これは単なるメモリーのゴミではなくバクではないかと、メーカーのOHPに行ってみたらショックな文字がトップに書かれていた。

 誠に勝手ながら、本日を持ちまして、
 COREMORECOサイトは閉鎖させていただきます。


 何とメーカー自体が2006年9月29日に店じまいしてしまったのだ。そりゃ、いくら何でも勝手過ぎるだろう。幸い、よく調べてみると、リンクはないけども、その下のページが残っていて、無事、修正ファイルを入手することはできた。しかし、それを当てても枠は消えない始末。諦めかけていたが、なぜかゲーム内で一日進んだら枠は消えた。この原因は不明ながら、他に関しては修正ファイルを当たれば問題はなかった。

 それでCG面だが、原画は「ジェームズほたて」さん。ちょっと癖のある、いや正直に言うと顔が下手に思える。特に目が左右で位置が違うのが気になってならなかった。でも、より難しそうに思える体に関しては悪くないと思えるのが不思議だ。

 そして枚数的にはキャラ数に比べて不足気味だ。特に笑ったのが以下のシーン。お屋敷のお嬢の部屋に行った時、主人公の考えていることなのだが、「アパートの円(ヒロインの名前)の自室とは、はっきり言って別世界の光景だ。まず、広さや天井の高さからして違う」、ここまで書かれて背景がアパートの部屋とまったく同じなのはどうだろう。それとHシーンが複数あっても使い回しが多かったりする。

 最後にまとめると、色々な面でちょっとアレに思える。まあ、この作品でメーカーの幕を閉じたということ考慮すれば、その程度が分るだろう。ただその分、在庫がワゴンで叩き売り状態にあったので安く入手できたのでキャラを気に入ったのならやってみてもいいだろうと思う。

(タコマロ)

BACK