扉のむこうは


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

2点

ブランド名 DOLLHOUSE シナリオ

1点

ジャンル Heart Warming Adventure 萌え萌え

2点

    せつなさ

10点

    素薔薇さ

2点

 


 このゲームとの出会いは、ある中古屋だった。そこのワゴンの中に『扉のむこうは』が存在したのである。題名を聞いた事もないそのゲームを手に取って見ると、そのパッケージ表紙の女の子の微妙な絵柄、それも最近の萌の傾向とは明らかに違う代物に、今度は目が釘付けになった。「あっ、これはヤバイな。」、怖い話だったらその直後にラップ音そして幽霊がご登場する様な悪い予感が心の中を駆け巡る。

 もうこうなったら引き返せない、そして裏の説明を読むと、さらに疑惑を確信へ進化させる言葉が踊っていた。

 童顔の幼なじみと可愛くH
 主人公、久保田ゆうはバイトしながら専門学校に通う、ごく普通の男の子だ。
 つきあって1ヶ月の彼女、
斉藤うめとやっとHすることができた。

 ちょっと待て、彼女の名前が「斉藤うめ」か? もしかして、これがヒロイン? 童顔の幼なじみ? そりゃ、「うめ」でも若い子がいる可能性は否定しないが、普通はもう少し考えるだろう? 万が一、いや億が一、このゲームが馬鹿売れしても、「斉藤うめグッツ」とか売る気かメーカーは? しかし、まだこれが序章なのだ。さらに恐ろしい文章が続く。

 いままで頑なに拒んでいた彼女にたずねると、最近かわったものを拾ったという。三日月の形をした七色の輝くクリスタル状の物体だ、どうやら、それが関係しているらしい。

 何を尋ねた主人公? そこを省略するな。普通なら、どうして気が変わったのと聞いたと思うが、斉藤うめの返答も神が降りている。普通なら、「やっぱり貴方が好きだから」とか期待する所だろうが、それは甘い話だろう。しかし、「七色に輝く」ではなく、「七色の輝く」物体とは実に珍妙な物質だ。

 同じような物体がもっとないか村の中を探してみると、妖しい尼に変貌した同窓生とか、村に不釣り合いの身なりをした不思議な紳士などが居て、何か様子がおかしい

 村と言うのも驚きだが、妖しい・変貌・不思議な等の単語が出て来て、「何か様子がおかしい」で済ますとは、もっと驚きだ。開いた口が塞がらない。そもそも探していたのは、物体であって人ではないと思うが、まあ人の方が何倍も目立つからね。

  不思議な物体を見つけては、かねてから可愛いと思っていた女の子たちとHする主人公。しかし、事態は思わぬ方向に発展していく

 思わぬ方向に発展していくも何も、もう既に完璧に思わぬ方向に急転直下しているのに、さらに何処まで思わぬ方向に進むのか? もうバツグンに思わぬゲームであることは確実だ。

 この時点で限界ギリギリまで満腹なのだが、1500円握ってレジに並んでいる自分。何時もの風景ながら、帰りの電車の中でチョビッツ悲しくなる。

 まあ、そんなことは置いておいて、ビニール剥いで中身を見よう。まずは取説からだが、破天荒なシステムは後で述べるとして、ゲームの背景説明がまた思わぬ代物になっている。

 ゲームの舞台の小滝奈村についての説明だが、東京近郊の田舎村という数行の説明に続く後半部分が凄い。もうブッチギリに凄い。

 村民は昔から長寿、かつ童顔が多いことで有名です。それに関連しているのかは不明ですが、全般的に体毛が薄く、特に性毛に関しては顕著で、成人した段階でも発毛している人は稀です。

 余りの事態に、まさか、斉藤うめさんは実は結構なお年なのかも知れないとか、もう思考が追いつかない。予想通り、異次元の村であることは理解した。

 しかし、ここでもさらに追い討ちをかけられる始末。次の方言の説明が凄すぎ。なにせ、説明している言葉が、「おこんぼ」・「めめちょ」・「めめげ」・「めわけ」・「はめる」・・・・・・。もう無駄に特殊な言葉に集中してる。どうやら、これでソフ倫を押し通す気と見た、こいつら。埼玉県大里郡という何処とも知れぬ所にあるこの会社のスタッフには無修正に感じられるのだろう。しかし、これで会話されても、普通の人間には泥臭くて童顔・パイパンを楽しむ所ではない気が。

 流石に、この辺で、この思わぬスタッフでも自分達の製作した代物が、普通の人間の嗜好と全然違うのに気がついたのだろう。その証拠に、アンケート葉書の設問に「あなたが望む美少女ゲームは?」しかなく、このゲームの感想を書く所が何処にもない。しかし、次こそは普通のゲームを造りたいという、妖怪人間の「早く人間になりたい」という願いと同じ位に無茶で熱い思いだけは感じられる。無駄だと思うけどな。

 まあ、ゲームしないでここまで原稿を引き伸ばした「思わぬ展開」も凄いが、流石にこれ以上続けると編集長が怒るので本編に入りたいと思う。

 開始早々、主人公とウメのHシーン。しかも、流石童顔の村、二人とも非常に幼くてまるで中学生いや小学生がHしているみたい。そしてH後に、主人公の自己紹介が始まる。「僕の名前は久保田ゆう(以下省略)」、ヤベエ、僕の名前で始まるゲームに良い思い出なし。最初から期待を裏切らない。

 そして、明らかになる先程の主人公の質問。「うめちゃん、何か変わったものでも食べた?」、おいおい主人公、やっとHさせてくれた彼女にその台詞はね〜だろ、殴られるぞ。

 しかし、そこで明らかになる不思議な物体を、役場で調査してもらおうと考える二人。しかし役場に行くと、二人目の女の子、「渡辺ぎん」が登場する。どうやら、とことんその路線で行く気か。先に言ってしまうが、他の女の子も、「鈴木てい」「山田とめ」「井上たづ」と萌えない事おびただしい。笑いが止まらないラインナップだが、これが全員H対象だ。そして、全員童顔で顔が同じ。ある童顔の夫婦が開拓して近親結婚を続けて村を創設したのか、それとも大災害でもあって偶然生き残った村人が全員童顔だったのか、ともかくこの村の遺伝子プールが非常に貧弱なことは理解した。

 話は少し飛ぶが、結果として七色の物体が異国のお守りであり、波動を放射して(中略)、つまり各お守り毎に特定の女の子が発情するということが分かった。それを聞いて、主人公はHの為にお守りを求めて村中を駆け巡ることになる。

 この辺りのゲームは古きAVGの様相。例えば、枝に引っかかったお守りを見つけたら釣竿を探して使う、石組みの中に見つけたらスコップを探して来るとか、懐かしいノリで意外と楽しめた。

 しかし、お守りを見つけたら使う訳で、女の子の手に持たせて感応したら、主人公のゆうちゃんが口説いてHに流れ込む。同じ村の中で女の子に手を出しまくりとは、主人公童顔ながら鬼畜君である。これで、どの辺りが「Heart Warming Adventure」なのか製作者にぜひ聞いてみたい代物である。先程から、心は怒りにHOTか、余りの寒さにCOLDかの両極端状態。まさか、平均すると温かいと思っているのか?

 そんな事よりも、大問題なのは村の教会。この教会、その名前と違って明らかに邪教の神殿。しかし入って目につくのは、サリーちゃんのパパの様な豪快な髪型をした女の子(山田とめ)。だが本当に既知外なのは、この宗教の教えだ。それによると、この世が四角の意志によって捕らわれているらしい。最初は最後のファンタジーとか出している四角と思ったのだが、それに対して立ち上がった教団の始祖が除武巣様と聞いて理解した。そう彼が立ち上げたのが「聖なる果実教団」、これでピンと来ない人でも背景の人身山羊頭の像が持っているリンゴを見れば何の事だか分かるだろう。つまりアッ○ル、そして四角い意志とは窓の事なのである。

 ・・・・・・いきなりそんなネタを振るか。しかも、これが単なる冗談の1つなら許すが、これがゲームの重要な要素なのだから恐ろしい。いや、マジで。なにせ、欠けたリンゴ型のお守りを山田とめの持つ杖と合わせると、不思議な力で四角の意志は一掃され、小滝奈村は人口も増加して一気に市まで昇格し、教団も拡大し、主人公は山田とめと結婚する。しかも、山田とめは相変わらずのサリーちゃんのパパ状態・・・・・・。

 それはバットエンディングで、正解は全てのお守りを集めて封印を解き、中は赤い扉に入って、せっかくだから俺はこの欠けた爆弾マークのお守りを手に入れるぜとゲットして、それを山田とめの持つ杖を合わせるのだ。すると、「聖なる果実教団」の力は一掃され、山田とめの洗脳も解け、二人でキスをして、結婚式まで進む。オマケに教会には、白い天使の像があの斜に構えた窓のマークを持っている始末。

 どっちにしろ「山田とめ」と結婚だけどな。成功すれば普通の姿になるのでこっちの方がマシなだけだ。えっ、恋人の斉藤うめはどうしたって? 主人公曰く「うーん、なんとなく会わなくなっちゃったんだ。」。流石、鬼畜だぜ主人公。

 シナリオについては、まだ色々と言う事があるのだが際限がないので、システムに進む。システムはSAVE・LORD可能、以上終わり。これで本当に2000年11月かとも思うが、思わぬゲームに何を言っても無駄だろう。先に行く。

 CGについてだが、既に述べた様にはっきり言うと同人絵でもこれ以上のレベルの物はいくらでもある。これで「細部にこだわった美麗画像がボリュームたっぷり」(パッケ参照)は完全に嘘だろう。まあ、ボリュームたっぷりはCGが全部BMPファイルなので嘘ではない。期待している意味とは違うとは思うけどな。

 最後にまとめるが、パッケの様に思わぬ展開になるのには非常に驚いた。芯からこのゲームが異次元の作品だと確信させてくれた。ある意味、貴重な体験だったと思う、二度と味わいたくないけどな。
(タコマロ)