このゲーム、驚くべき事に、新品の販売価格が税込み500円(ちなみに定価6800円)。流石に、数あるエロゲーのワゴンセール品でも、ここまで落ちる物となると真に選ばれた一品だけ。確かに、ゲームの質が値段に直結している訳ではないが、それでも物には限度があることを皆さんはご存知であろう。そして、このゲームが、すでに限界ラインを軽く超えていることも理解していただけると思う。しかし、貴方たちの想像よりも、実物はさらに酷いのだ!
まず、このゲームを手にとって気づくのは、その凄い箱絵だ。拳銃を持ったメイド姿の女性らしき絵があるのだが、この素薔薇しい姿が、買ってはいけないという警戒色を全身で主張している。いくら発売が前世紀(1999年)と言っても、明らかに時代遅れの塗り、そして歪んだ肢体・顔。きっと、これを手に取った人間は、誰でも真っ赤な火箸でも触ったかの様に手を放す事だろう。
普通は、これで買う人間は存在しないと思うが、中には、つい魔が差したり、低俗な動物霊に取り憑かれてたりして、買ってしまった人間がいるかもしれない。しかし、そんな人間は、オープニングで、自分の不幸さ加減を呪うことであろう。それくらい、声優の演技力が下手なのだ。ま・さ・に、学芸会レベル。流石、声優の新人を使ったことを自慢するだけの事はある。特に、オープニングの最後の台詞、「飛び切りの悪夢かもな」がシャレになっていない、しかも「かもな」でなく、確実に悪夢な出来だ。
そして、さらにゲームを開始すると、飛び切りのシステムが追い討ちをかける。簡単に、その機能を説明するなら、章の終わりでセーブ可能、そして随時オープニングに戻る事も可能。本当にこれだけなのだ。無論、スキップ機能はおろか、CG回想や読み返し機能もなく、さらにフルスクリーンにも出来ない。まあここは、バグがないだけで感謝すべきなのだろう。
確かに絵は酷い、声優も上手ではない、そしてシステムもバグがない事しか取り得がない。それでも、まあ、シナリオが良ければ、売れはしないけど隠れた名作には成れる可能性はある。しかし、そのシナリオが一番酷いという、このゲームは、本当に救いのようの無い作品なのだ。
まず、このゲームには文字による描写と言う物が一切ない。つまり、プレイヤーが情報を入手する手段は、台詞とCGのみ。まあ、漫画的と言えば、漫画的なのだが、その肝心なCG様も、背景がデジカメ画像、それが用意できないと、ファミコン級の絵が繰り出されてくるから、あまり役に立たない。
まあ、そんな低級のCGでも有るだけマシで、場面によっては、それすらも省略されて藪から棒に選択肢が出てくることもあるのだ。デジカメの背景の中、なんの前触れも描写もなく唐突に現れる選択肢を前にすれば、誰でも途方に暮れる事は確実だろう。
こんな現状認識も難しい状態で、さらに話自体も予想もつかない展開を見せる。もしかして、前衛芸術かエヴァン○リオンの最終回レベルを目指したのではないかと思えてしまう程なのだ。
実際に詳しい話を見よう。まず開始早々、いきなりコスプレ風俗の店でバイトをしているメインヒロインらしきヒューマノイド型生命体の蘭花さん。蘭花さんは、おそらく人類に分類されると思われるが、これが人類なら初代スタート○ックに出てくる異星人も大半は人類に分類しなければならないので、ヒューマノイド型生命体と呼ばせて頂く。
そこで、お客様の使命が入ってプレイ中に事件が発生する。何と、ボコッという情けない音1つで、お店が崩壊。さっきまで蘭花ちゃんをご指名中だったヒューマノイド型生命体の親父もコンクリに潰され、他のヒューマノイド型生命体の風俗嬢も店の下敷きになっている様子。描写が少ないので他の情報を総合して考察すると、どうも大地震が起ったらしく、東京は大損害を受けたらしい。しかし、蘭花ちゃん、肝が座っており、こんな状況下でも慌てず騒がず悲しまず、何の描写も無く先のシーンに話は飛んでいく。
ここまでの展開を見ていれば、地震一発で、東京が「北○の拳」的な世情に急変身していても驚くことはない。世紀末だから、蘭花ちゃんも護身用に、ベレッタ、ワルサー、コルトガバメント、ウージーなんて物騒な物を店で平然と買う始末だ。
まあ、そんなモノを買うには先立つモノが必要になるのだが、それは、もう風俗嬢である蘭花ちゃんには、無問題。少しお仕事すれば簡単に稼げてしまう。ちなみに、蘭花ちゃんのお勤めしている店の名前は「ナメシコ」、アニメ系のコスプレ風俗だ・・・・。蘭花ちゃん自身はメイドさんの格好だが、店には某宇宙戦艦の艦長の格好をしたヒューマノイド型生命体の風俗嬢もいた(多分、バチが当たってコンクリ隗の下敷きになったと思われるが)。
それと、「ナメシコ」には商売敵がいて、その店の名前は「新世界イメクラ店 エマンゲルドン」。聞いただけでも頭がクラクラするが、この店の仮設テントに比べれば、日本では二番目だ(意味不明)。なにせ、テントの一番上部には十字架に架けられたアダムの姿が、そして天幕の途中には、そこをぶち抜いている複数の翼をはためかす奇怪な像。イカレポンチにも程がある。
そして、「ナメシコ」対「エマンゲルドン」の遊郭以来の因縁の対決という、本当に本筋の話に全然関係ない、ど〜でもいい展開も存在することを着け加えておこう。欠片も見たくはなかったけどね。
などと、無駄に色々な話をしてしまったが、このゲームにも一応、メインのストーリーらしき物は存在している。そちらも、気が引けるが説明しておこう。災害の起った後に、蘭花ちゃんが、渋谷の町でネコの混ざったヒューマノイド型生命体に遭遇する事から始まる。
このネコ=ヒューマノイド型生命体、何故か蘭花ちゃんの妹(無論ヒューマノイド型生命体)が暴漢に襲われていると助けてれる(何故助けたかのかは、最後まで解らない)。それからキャンプ地に戻ってみると、上野動物園の職員をしているヒューマノイド型生命体が、ネコ=ヒューマノイド型生命体を捕まえる依頼をしてくるのだ。しかも、妹が助けられたのは本当に直前のシーンだと言うのに、既に噂になっているらしい。
それで、再度妹を暴漢に襲わせて、ネコ=ヒューマノイド型生命体をおびき出すと言う、色々な意味で非常識な計画を実行する。そして、驚くべき事に再出現するネコ=ヒューマノイド型生命体。しかし、発見しても、どうやって捕獲するのかと疑問に思っていると、上野動物園の職員がマタタビとネコジャラシで買収するのだ。いや、誘き寄せるとか、その隙をついて捕獲するとかでなく、まさに買収。それだけで、何故か自主的にパーティーの仲間に入ってくれる。無論、仲間なので首輪を着けるとか、強制は何もなし。この世界では、こんなメガテン的な、やり取りが普通なのであろうか?
これ以降は、紆余曲折ありながらネコ=ヒューマノイド型生命体を狙う自衛隊反乱軍との戦いになる。この反乱軍、都心部を制圧しているクーデター軍なのだが、何を考えているのか妨害電波を流して通信を制御して国会議事堂に立て篭もっているという訳の解らん奴らなのだ。普通、クーデター側は、ある程度の制圧を行い、自分の正当性を放送等で主張することで更なる反乱を鼓舞したり、民衆や他国の支持を得たりするのが普通だろう。それが穴熊して、どうするよ?
おそらく製作者は何も考えていないで偶然だと思うが、これは、ある事で説明がつく。その秘密は、クーデター軍が狙っているネコ=ヒューマノイドにあるのだ。何と、この生物、恐ろしい力がある。それも半端ではない力だ。だって、こいつ地震が起こせるのだ。そう、どうやら最初の首都圏壊滅の原因はコイツらしい。そりゃ、切り札が逃げたら、その回収まで隠れるのは解らないでもない(まあ、始めた以上、無意味だがな)
しかし、なんで猫+人間=萌えでなくて、猫+人間=生体地震兵器になるかな。まあ、理由は敵が説明してくれるのだが、あまりに電波な説明なので前文を引用しよう!
「生物エネルギー共鳴体 人間の遺伝子の中に、外部エネルギーと強く反応する部分が発見されたのは知っている? 自衛隊は、その作用を強め、敵の兵器のエネルギーを暴徒させて自滅に導く生物を、兵器として開発していたのさ。」
そもそも、どんな遺伝子だとか、それならネコの必要性がないだろうとか、なんで敵兵器の暴走位のエネルギーで首都圏が壊滅する地震が起る訳ねーとか、まさにツッコミ所満載。それに、当然、何の伏線もない。
最後には、反乱軍は鎮圧されて話が終わるのだが、そこで反乱軍司令官が、世の中が腐っているとか演説をぶつ。確かに、2003年3月現在、今まさに米軍がイラクに侵攻している状態だが、ヨミうり新聞なんかのアメリカマンセー一色だったりする新聞記事を見ると、世の中は腐っていると思う。
しかし、それをゲームの中でも腐っている奴には言われたねー。例えゲーム内の台詞だとしても、まず、お前ら自身が、もう少こし努力してゲーム造ってから言え! いや、マジで。
(タコマロ)
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