あの広井王子とコナミが強力タッグを結成。それで作成されたのが、このゲーム。普通なら期待できる作品であろう。しかし、その実体は、悪魔合体で失敗してスライムが出来てしまったのが表現として一番合っている代物なのである。
大体、最初の物語から狂ってる。『15年前、日本は大戦により危機をむかえていた。横浜湾を敵国の連合艦隊に包囲され、敗戦を余儀なくされようとしていた。が、女だけの部隊「バージンフリート」の不思議なエネルギーにより、敵連合艦隊は撤退、続けて突然の休戦条約を提唱する。その不思議なエネルギーは「バージンエネルギー」と呼ばれる、選ばれた処女のみが発揮できるという謎の力であった。』
これが取説の最初なのだから恐れいる。これ程バージンを連発するゲームなんて見たことがない。多分ここは笑う所なんだろうが、18禁ゲームでも気にしない私すら恥ずかしくなる代物だ。しかも全然説明になっていないし。
でも最大の疑問は、なんで全ての漢字にふり仮名がふってあるかだ。一体全体、対象年齢を何歳に設定してるんだ、コナミ? 一応お約束としても、パッケには小さいお子様には保護者が取説を読んで、正しい使用方法でご愛用下さいと書かれているし。これには、SCEと審査が裁判になっても己の主義を貫く、コナミの漢心を感じられる。流石は、コナミ。
まあ本題に戻ろう、プレイヤーは15年後に新設されたバージンフリートの一員として世界休戦条約改定会議を成功に導くのである。無論、妨害勢力が居るのだが、これが世界最強のフリーの戦略家で、その名も「戦略王」……。
・・・・・・しかし15年間も休戦状態かい、この世界は。それに、フリーの戦略家って、それって諸葛孔明? しかしストレートな名前だな。まあツッコミ入れていると限りがないので、話を戻すことにしよう。
まあ、そんなこんなで、この世界休戦条約改定会議が開催される南洋のリゾート地で中立国のリオン公国に隊員を3名潜入させることになる。しかし、ここで致命的な欠点が発覚。このゲームは、普段のシーンはポリゴン表示なのだが、これが非常に汚い。どれ位粗いかと言うと、街に入ってすぐに道に紙切れの様な白い物が舞っているんだが、これを拾うとすると「みゃー」と鳴く。実はこれが猫。まさか、その先にある杭の様な茶色の物体は……犬か? また髪の毛をリボンで2本に揚げている女の子も居るんだが、この子なんて頭がマジンガーZ状態(走る姿もマジンガー)、萌え萌えに痛恨の一撃。つーか、背景とかも何が何だが分からないんだが? 実にストレスフルなプレイだが、これがコナミの技術力なのだろうか? 流石はコナミ。
ポリゴンがこれなら、話の展開も完全に万歳突撃状態。なにせ、街に潜入して隊員達が始めるのがバイト探しなのだ。実は、潜入早々に巨大な大砲を吊り下げた怪しい飛行船を目撃したという事で襲撃され、この時に携帯していない装備+お金と食料を失ってしまったのだ。これはあまりに問題があるので本部に無線をかけてサポート部隊の支援を頼もうとしたら、人の多い市場なら仕事がありそうとの情報を貰えるだけ。本部は何が何でもバイトをさせる気らしい。何て最悪な広井、もとい酷い話なんだ。
それで件の市場に行って見ると、そこには既に敵の罠が。しかも料理の仕事でスパイを誘き出すという恐るべき罠だ。その罠も辛くも脱して浜辺まで逃げて来た隊員達だが、ここで敵に追いつかれてしまう。しかし、ここに偶然にも休暇に来ていた中部方面第三機動艦隊指令の達田川海軍中将と若本少佐が素手で助けてくれるのだ。しかし、海軍中将が何故にここで休暇? まさか海外旅行、それとも条約会議に際して外交武官でリオン公国の大使館に来たのだろうか? ともかく海軍中将、助けてくれたばかりか金まで貸してくれた。唖然とする展開だが、これで仕事を探して馬鹿広井、もとい広い街を徘徊しなくても良いので、ありがたい話である。
早速金も入ったので中華料理屋で馬鹿喰いする面々。そして、何と金が足りないという驚愕のストーリー。それで謎の美女に立て替えてもらい、また職探しに逆戻り。誰だ、こんな狂った話考えた奴は。
実はこのクソ広井、いや広い街でバイト出来る所は一箇所、一種類のみ。これが隊長に出来る女の子毎に違ってくる。それも温泉リポーター、警察官、歌姫、モデル等、普通でない物が色々ある。しかし、この国は警察官までバイト対応か? すげー国だぜ。また、バイトで歌姫をしたら手榴弾を10個おまけしてくれた。この街では、手榴弾は乙女の基本装備なんだろうか?
それで借金を返してホテルで一泊するが、夜半に戦略王に襲撃され、それとは違う地下組織に誘拐される一行。急展開と言えば言えなくもないが、あまりにご無体な展開だ。まあ、その地下組織の話によると、この島の処女が戦略王に誘拐されている。そして、北極星島という島に集めれているそうだ。そして取り返しに行ったら、洗脳された処女達に逆に攻撃されたらしい。しかし、北極星島について聞くと、あれだと夜空の星々を指し示されるのは、やっぱり馬鹿にされてるのか? それで怒ったのか、この場は内政干渉が禁止されていると協力を拒否する。
ここで簡単にこの島々の位置的な説明をしよう。三の字を考えて欲しい、この一番上の棒が北極星島、二番目が北斗七星島、一番下が本島になる塩梅だ。実際は上の島ほど小さくなるけど。何故に南の島で、北極星島や北斗七星島とか名前なのかは私に聞かないでくれ。私の方が聞きたいぐらいだ。
その本島から泳いで北斗七星島に渡るバージンフリート達。完全にこいつら海をなめてる。しかもCGでは武器とか持たずに水着だけに見えるがどうなってるんだ?
兎も角、この北斗七星島に渡ってからは戦闘の連続になる。しかも、前述した粗いポリゴンでの戦闘は、下手をすると自分がどちらを向いているかも分からないと言う実に最悪の代物。まあ、途中までは味方が勝手に勝利してくれるので心配はないが。でも、努力しても最終的には、敵の魚雷を受けて、1人は敵に、残りは警察に捕まってしまう。
この辺りから話がこれまで以上に杜撰になってくる(恐ろしいことだ)。このシーンで、地下組織の頭の老人が拳銃で撃たれるのだが、それ以降は何の怪我もないように振る舞っている。
それどころか、ひとりだけ敵に捕まった隊長などは、敵の牢獄から、鍵が開いていて脱出できたり、武装解除されなかったので脱出できたりするのだ(隊長に指名する隊員により変わる)。武装解除しないって、この時の獲物はライフルだぞ。普通はこんな物を持たせて牢屋に入れるか? 警察に捕まった方も、何故か警察官がバタバタと眠ってしまい、署に止めてある戦車で島に向かってくる始末だ。このシーンは、誰がどうやって助けたのかも分からない説明不足。さらに、敵に捕まっていた方は、脱出直後に無条件に再度捕まるという不思議・不思議な事が起こり、流石に馬鹿広井、もとい広い心の持ち主でもなければ許せない素晴らしい展開になっている。
ここで戦略王に今回の計画の全てを聞かせてもらえる。戦略王は、飛行船で持ち込んだ大砲を、北極星島の廃棄された天文台の望遠鏡に隠したのだ。しかし、ここからは北斗七星島と本島の間を通って入港する各国の軍艦を狙うことはできない。それで、誘拐したバージンのバージンエネルギーを加えた超弩級砲台ハネムーンキラーにより邪魔な島を吹き飛ばし射線を開けるという空前絶後の計画を立案した。
……なんか地図を見る限り、島に近づいて来る船を攻撃するのは可能に見えるぞ(誰も気がつかないが)。それに、そんな超エネルギーがあるなら、素直にもっと小さい砲で北斗七星島から狙え。事実、戦略王のトーチカが北斗七星島にはあるし。戦略王(脚本家)の知力を疑う展開である。
まあ途中は端折るが、最終的に戦略王にバージンエネルギーを提供しないと、攫った女の子のエネルギーを搾り取ると脅されて、水晶球に力を込めて渡すことになる。そして、戦略王がその力でハネムーンキラーを撃つのだが、ここでその隊員のバージンエネルギーの特性が発揮されて島は吹き飛ばないのだ。
そのバージンエネルギーの特性が、防御系とか治癒系とかなら攻撃力がないのも分かる。しかし、砲弾が桜吹雪になったり、水になったりするのはどうしたものか? 特性が特種系とか水だとか言われても、それって使えるのかと疑問になる。まあ、そんな力の持ち主でも、最後には戦車の主砲にエネルギーを付加して天文台を一撃で粉砕できるので、単に破壊力を高めることも選べるらしい。
しかし、最後の決め台詞が良い。なにせ、『戦略は読めても、バージンエネルギー、いや、女心までは読めなかったようね!!』だからな。戦略王より戦略が読める私だが、女心は兎も角、とてもバージンエネルギー、いやこのストーリーを理解は出来んよ。
ストーリーについては穴だらけなので、これからは他の部分を見てみたい。まずはシステムだが、醜悪なポリゴンと戦闘シーンは置いておいても、他にも不味い点が色々ある。ひとつは、異常にロードが遅いことだ。これは、やる気を削ぐ。多くの人が、ここで挫折を強いられたのでないかと思う。
後は、『これが業界初!! アクティブ・ウィンズ・システム』(パッケ参照)が実にイカス。これが、バストアップCGで目パチ以外に、髪や袖口が風でなびくという、普通の人間なら考えても実行はしない馬鹿システムだ。これの公式HPの宣伝文句も冗談が効いている。『このゲームは屋外や広い場所でのシーンで、風の流れを
シミュレートしてアニメーションするんだ。』、4コマしかないCGでここまで言い切るとは、流石にコナミ。特許申請でもして、他社が模倣したら裁判に訴えてくれ。誰も使わないと思うけどな。
ここまで散々馬鹿にしてきたが、このゲーム、実は意外と造りこんである。8人のバージンフリートの隊員から3人を選ぶのだが、これを誰にするかで展開が少し違ってくるのだ。1人目に選ぶのが隊長になり、プレイヤーが主に動かす対象になる。そして2人目がツッコミ担当、3人目がボケ担当だ。同じ隊員でも位置によって、話す内容が変わってくる。バージンフリートだけで全部で12名以上の登場人物が居るのだが、原作がある為かキャラも立っていて、話し方も個性がある。
ただ残念なのは、システムが壊滅状態なのと、根本のシナリオが習慣性の薬でも決めていたのかと疑う代物であることだ。兵士が精兵でも、使う兵器が不良品、それを指揮するのが愚劣指揮官であると、どうなるかという良い見本である。無論、この最終的な責任は、コナミと広井王子にあることは疑いない。これだけのバカゲーの逸材を上手に料理できなかった罪は重いと思う。作り直しを要求する。
まあ、私は千円のダメージしか無かったけどな。
(タコマロ)
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