まあ何時もと同じで落ち穂拾いゲームだが、購入後に冷静にパッケージを見たら、その恐ろしいまでの霊気に体が氷ついた。流石に、扉のむこうに待っている恐怖には見劣りするが、その霊気は誰にでも分かる、まさにバカゲーの黄金聖闘士。実際にその説明を見てみれば、誰だって納得するだろう。
いつもと同じようにPCの電源を入れただけなのに、とっても怪しい男がデスクトップに現れてこう言った。
そりゃ、デスクトップに現れた時点で怪しいを通り越して人間ではないだろう。しかし、この存在の台詞が更に仰け反る代物なのだ。
「お前のデスクトップを封印した。封印を解いて欲しければ、制限時間以内にパスワードを入力しろ」と、そして僕は、自分のPCの中に引き込まれた。ナンのことやらわからないけど、とにかく大変なことになっちゃった。これは困った、どうしよう。誰でもいいから今すぐに、教えて、秘密のパスワード!!
・・・・・・確かに大変なことになっている。このゲームもだけど、製作者もな。余計なお世話だと思うが、まず製作者が大丈夫かと心配だ。特に首から上の部分とか。
しかし、大きく赤い文字で『WARNING』と書かれているのは良心的だと思う。一般人がこんなゲームに手を出さない為の配慮なのだろう。えっ、この赤い文字、タイトルなの? それは実に名は体を現す名前だな。実にピッタリのお名前で。
もういい、こんなパッケを見てても気が狂うだけだ、中身を空けるぜ。すると取説は見開きだけで毒はない。量は少ないが、いたって普通の内容だ。つーか、インストール関係ぐらいしかない。後はゲームのヘルプ機能で対応ということだろう。しかし、アンケート葉書がいけない。
何と宛先が、有限会社ウラン。
これって、放射性物質じゃん。この霊気って放射能か。しかし普通のテルル原子は放射性物質ではないはずだが、何でこんなメーカー名なのか少し調べて理由が分かった。元素のウランの名前は天王星(ウラヌス神)から命名されたので、同時期に発見されたテルルは、ウラヌス神の妻であるテラから名前を取ってテルルにしたのだ(この記事で唯一の役に立つ記述終わり)。つまりテルルとウランは夫婦関係な訳で、実に上手いネーミングだと思う(このセンスの十分の一もゲームに生かされればね〜)。
うーん、このテルルの名前だけでウランを発想出来ない自分もまだまだ名探偵コナンには及ばないな。まあ良い、気を取り直してゲーム本体に取り掛かろう。
まずはオープニングだが、不快感を感じる音楽と「WARNING!」の赤い文字が何度も現れる。これは決して軽い気持ちでやるなという警告なのだろう。しかし、ワゴンセールを次々と制覇した自分には、無用の注意だ。
そしてゲームのプロローグに入る。するとパッケの説明と同じく、主人公のパソコンが動かなくなる。しかし、次に現れた存在は、角・牙・鉤爪を生やしており、どう見ても絶対に人間には見えない。これが怪しい人間ならば、ゾーマもシドーもバラモスも十分人間で通るだろう。大体、こいつは自称デスクトップマスター、電脳界の支配者らしい。やっぱり、どう考えても魔王だ。しかし、この魔王、いきなり主人公をパソコンに封印してきます。なんかパッケの説明とかなり違うんだが?
そして、何故かパソコンの中は夜の学校。それで、何故かここで魔王の娘達からパスワードを聞き出すというゲームをすることになる。はっきり言って問答無用、非常にご無体な展開だ。
この時点で細かい操作法が分からないのは問題だろうと思って、ヘルプを見て知ったのだが、このゲームはアクションなのである。どうやら、逃げて行く相手(魔王の娘)を、追い込んだりアイテムを使用したりして捕まえるゲームなのだ。それならば導入が無理やりでも安心できる。だって反射神経系のゲームの話なんて、「最新鋭戦闘機単機で敵の中枢を破壊する」、精々こんな物である。まあ、ゲーム性が高ければ話なんて問題にならないのだ。しかも、定価3800円という手抜きが予想される代物でも、パズルの要素が入ったアクションならセンスだけで勝負が出来る。この時点で、極限まで低下したやる気が回復してきた。もしかしたら、楽しめるかもしれない。
しかし、ここまでこのゲームにセンスの欠片でも存在したかを考えてみれば、この淡い期待もどうなったか予想できるだろう。はっきり言って、この鬼ごっこ、非常に面白くないのだ。
大体、敵のアルゴリズムが悪い。行動が完全にワンパターンで変化がないのだ。以下に攻略方を書くので見てみれば分かると思う。
1 敵は基本的に停止しており、こちらが一定距離内に近づくと可能な限り遠くへ逃げようとする。どこから近づこうが、相手は最終的には壁に衝突する。通路は平安京の様に四辻で構成されており、追い込む袋小路なぞは存在しないので、考えるだけ時間の無駄だ、兎も角相手に近づけ。
2 相手を壁沿いに移動させ、四隅まで追い詰めろ。なお壁沿いには絶対に障害物はないので相手に無駄な動きはない。反面、少し内側を動くこちらには不利な構造のあるマップもあるが、そんな所には絶対に近づくな、単なる時間の無駄だ。
3 最終的には四隅に追い詰めた相手に、ジグザグに斜めに近づいて間合いを詰めろ。キーレスポンスが非常に悪いがそこは慣れだ。上手く動けば相手は四隅に釘付けだぞ。そして、ある一定以下の距離に近づくと、相手はダッシュで切り抜けようとする。ここで相手の足が遅ければ半分の可能性で捕まえられ、相手が速ければ絶対に捕まらない。速い相手は諦めろ、追うだけ時間の無駄だ。遅い相手でも、ダッシュの方向は分からないぞ! 運を天に任せて相手の動く少し前に動くんだ。
以上攻略終了。
いやー製作者センスあるわ、バカゲーセンス。もう少し工夫凝らせよ。大体、相手の逃げる初速を見ただけで、拿捕可能かどうか分かるのは非常にダメだろ。それにマップ構造か相手のアルゴリズムのどちらかをもう少し考えろよ。本当にテストプレイしたのか?
えっ、それでもアイテムが存在するだろうって? アイテムなんて入手の確率自体低く、さらに何が入手できるかはランダム。しかも、非常に使いづらい。はっきり言って必要なのは、ジェットブーツとかいう名前の最速の敵と同じスピードで動けるものだけだ。これが単純でかつ最高。実際、最初のプレイでは、三十分悪戦苦闘して、初めて入手したアイテムが偶然これで後は呆気なくクリアできた。他のアイテムは使えない、まあ一番使えないのはこのゲーム自体だけどな。
(タコマロ)
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