雪のにおいと

風のいろ
 


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

5点

ブランド名 Ripe シナリオ

2点

ジャンル AVG 萌え萌え

3点

    せつなさ

9点

    素薔薇さ

2点

 


 この題名を聞いて、雪に匂いがあるか、風に色なんてあるかと皆さんは思うだろう。氷は確かに無臭だが雪となると不純物も含むので微かだが臭いはあるかもしれないし、空気だって澄んだ空を眺めれば青いので確かに色はある。それにしたって、そんなのは普通なら感じれられない程度である。しかし、このゲームの題名としては、これは非常に適切だ。まさに言いえて妙。それ程、このゲームのストーリーが非常に淡白なのである。

 今時、ギャルゲー(エロゲー)なら、十二人もの極度のブラコンの妹がいたり、いきなり5人の女性のご主人様になったり、「キンモクセイの匂いにバラの色」と言わんばかりの異常に濃い代物が存在するご時世。それに比べれば、このゲームは素ウドンからウドンと醤油を抜いたような非常に淡白な物に仕上がっている。つまり、全然中身がないということだ。まあ人の好みについてはあえて口をはさまないが、はっきり言おう、俺にはこのゲームは全然面白くなかった。

 その淡白さは最初から遺憾なく発揮されている。まずは、お約束の登場人物の紹介を兼ねた挨拶をしながらの主人公の登校シーンから始まる。それによると、主人公を含めた男3人と女3人が、仲良しグループらしい。無論、ギャルゲー(エロゲー)だから、女3人が美少女なのは言うまでもない。

 しかし、この後の展開がたるい。学校に行っても、女の子とほとんど会話するチャンスが無い。そして、悪友と遊んだりそのまま家に帰ったり、単に日常生活を送っているだけ。また、クリスマスパーティーの打ち合わせで悪友に呼び出されても、忘れたから話は明日だとか言われて無駄足を運ぶはめになる。このシナリオライターは、前振りなくしては、絶対に本題に入る気はないらしい。そんな間はいらないから、早く本題に入って欲しいと最初にプレイした時は思ったものだ。

 まあこの後、全員で集まっても何も決まらない愚鈍な話し合いを経て、ついにクリスマスパーティーに突入する。まあ無駄に長かったが、ここまでがゲームの前振りである。この会がお開きになった後、3人の女の子の内誰を送っていくかを選べる。ついに、ギャルゲーらしい展開になってきた。

 しかし、非常に大きな問題発生。ほとんど女の子と話すシーンがなかったので、相手がどんな人物か全然分からないのだ。これまで起こったことを思い出して見ても、記憶にあるのは「デジ子の真似をする悪友・隼人の姿」や、「上半身裸でデュエットの女パートを歌う悪友・隼人の姿」や、「出会い頭に雪球を投げつける悪友・隼人の姿」くらいなものだ。まったく、悪友・隼人とのおホモ達エンディングがないのが不思議なくらい奴しか出てこない。これで、どの女の子を選ぶかと言われても当惑するのが普通だろう。

 まあ1回ぐらいの選択ぐらい気にするなと思う人がいるかもしれない。しかし、それは甘い。このゲーム全編で相手を選べるのは3回だけなのだ。しかもこのゲーム、好感度によってエンディングが3つに分岐する。この最初の選択からすでに真剣勝負なのである。実に凄いゲームバランスだ。

 それで話は女の子の選択に戻るが、対象の3人組は「少々男勝り」・「真面目な眼鏡っ娘」・「ロリなムードメイカー」とお約束を取り揃えている。まあ、ここで3人組がステロタイプな女の子以外であったら、この時点でゲームやめていたかもしれん。しかし、残念ながら俺は顔と名前が一致しなかった。もう誰が誰だか分からずに適当に選択肢を選ぶ始末。これで攻略対象が事実上決定してしまうのだから、トンでもない話である。

 多分、このシナリオライターのインナースペースでは、この6人のキャラクターが生き生きと形づけられ、色々な活躍をしているんだと思う。シナリオ書いている時は、その場面を思い描いて独りでニヤニヤしたりして書いてるんだろう。でも、このシナリオで楽しいのは、おそらく全世界でシナリオライターだけだろう。他の人間はその楽しみの百分の一も共有できない。

 なぜなら、このシナリオライターは、人にある映画を勧めながら、何が面白かったと聞かれたら、「ともかく面白いんだとか、見ないと損する」等の小学生にも言える台詞を繰り返す事しか出来ない奴と同じだからだ。つまり、説明するという能力に欠けている。もしかしたら、いちいち説明するのが面倒なだけかもしれないが。まあ、どっちにしろ、シナリオライターとしての能力は久しく欠けていると思う。

 まあ予想できると思うが、話はその後も無駄にダラダラと下手な文章読まされて、その後に卒業記念に雪像を(極秘に)製作することになる。まあ初めてここまでたどり着いた時には、やっと話に入るのかと安心したものだが、製作に入っても相変わらずの展開(要するにろくにイベントがない)。だから今後の話を簡潔に要約しよう。

 雪像を造って、卒業式出て、一番好感度の高い女とHして終わり。

 おいおい、それは省略しすぎだろうと思う人がいるかもしれない。だが、君達は知らないのだ。このゲームでは、雪像の製作シーンは企業秘密のためか一切明らかにされない。造っているシーンのCGなんて一枚もないし、その描写もない。ただ無駄な会話が続くだけ。それ所か、完成した雪像のシーンすら見れない。登場人物達は感動しているけど、こっちは白ける一方。完全にプレイヤーだけ蚊帳の外状態。まあ、雪像製作に入ると選択肢も4回位しか出てこないので、クリックして文章を進めるだけの単純作業が続くこともあって、既に鬱な気分にどっぷり浸かれること間違い無しだ。

 こんな展開にも関わらず、以下の様な嘘の宣伝文句をHPに書いている製作会社は、実に「雪印」だと思うね。
 3年生の男女6人(男3女3)で、学園最後の思い出作りに何かイベントを起こそうと計画をする。
 準備に奔走し充実した毎日を送る仲間たちではあったが、ある者による妨害行為や、仲間内でのトラブルが次々と起き計画は難航する。

 大体、ある者による妨害行為って、誰も妨害行為なんてしないし。無論、仲間内でのトラブルも全然ないと言ってよい。精々、1人が風邪で倒れるぐらいだ。しかも、そんな少ないイベントも、その娘を攻略対象にしてないと見舞いにも行けない始末。

 まあ仲間内のトラブルはないけど、その代わりにプログラムのトラブルだかフラグ管理のトラブルだかはあるけどね。具体的に言うと、ロリキャラ以外の攻略をしていて、その娘の好感度が高くないと、途中でこのロリキャラと何故かラブラブの展開になってしまうのだ。しかし、少し話が進むと攻略対象の娘がまた出て来て、これまで何もなかったかの様に彼女との話が進んで行く。この時は、何故かロリキャラは単なる友人に逆戻り。これは仕様なのかバグなのか全然見当がつかないのだが、お粗末なことには変わりない。

 まあ、名前の入力でデフォルト名以外は漢字が使用できない位お粗末なゲームだからバグだと俺は確信しているが。しかし、主人公は日本人の学生なのに、どうして「ひらがな」・「カタカナ」しかオプションがないのかね? これは、デフォルト名以外使うんじゃね〜という無言の威圧かもしれんけど。

 全体を見ると、皆様にも、まさにこのゲームが『雪のにおいと風のいろ』であるか分かると思う。ただ、このネーミングセンスだけは百点満点だと思うよ、俺は。
(タコマロ)