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「よっしゃ、じゃあお前のボスとしての適性をチェックしてやるぜ。」
いきなり現れたディーノの言葉に、ツナはうろたえた。逃げようにも、キャバッローネファミリーの黒服一団に囲まれて
いて、それも叶わない。
「ディーノさん、前も言ったけど僕は・・・・・」
「ちょっと待ちやがれ!!」
ツナとディーノが声のした方を振り向くと、人垣が綺麗に割れて、既に3倍ボム状態の獄寺が走り寄り、ツナを庇う様
に二人の間に割って入った。
「おい、てめー!!」
獄寺は殺気の籠った目でディーノを睨み付ける。
「キャバッローネのボスらしいが、沢田さんは『ボンゴレ』の10代目だ!適性チェックだか何だか知らねーが、沢田さ
ん以上にボンゴレ10代目ボスに相応しい人間なんて居ねぇんだよ!!必要無ぇ!散りやがれ!!」
「獄寺君・・・!」
ツナはホッとして、獄寺の名を呼んだ。すると、ディーノの視線ががツナから獄寺へと変わり、僅かに細められた。
「獄寺・・・・・・・・スモーキン・ボム隼人か・・・・・」
「あ?オレの事知ってんのか?」
「お前がボンゴレの人間爆撃機だろ?話には聞いた事がある。それにリボーンが言ってたがボンゴレ10代目の右腕
候補らしいな。と、話の前に。」
ディーノは一旦話を切ると、華麗な鞭裁きで獄寺の煙草とダイナマイトの導火線を吹き飛ばした。勿論、獄寺には傷
一つ付いていない。しかし、ディーノのその行為は獄寺にはとても屈辱的な物で、睨む瞳が更に険しくなる。
「てめ・・・・・!!」
「悪りーがそれが爆発するとオレの大事なファミリーが怪我しちまうからな。そーだ、ボンゴレ10代目の前にお前の
右腕適性チェックしてやるよ。ボスが一仕事終えて疲れてアジトに帰って来た。はい、お前ならどうする?」
獄寺が食って掛かろうとしたが、流石リボーンの教育を受けただけあって、ディーノは軽くあしらうどころか、獄寺に質
問までして来た。『右腕』と出されれば、獄寺も黙ってはいられない。いきなりの質問にかなり面食らったが、咄嗟に 答える。
「へ?あ、え〜と・・・・・美味いコーヒーをお出しして・・・肩でも・・・・・」
獄寺の回答を最後まで聞かず、ディーノは笑い出した。
「全然ダメだな!何だそりゃ!ガキのママゴトか?」
周りを囲む黒服達も揃って声を上げ、獄寺は羞恥と怒りで真っ赤になって固まってしまった。そんな獄寺に近寄り、デ
ィーノはまず手を取った。
「いいか?手はこう、顔はこの角度、目は上目使いで、『お帰りなさい、ボス』。ほら、復唱!」
獄寺の腕はディーノの首に回され、顔と目は指示通りの位置で固定する。勢いのあるディーノの掛け声に、考える間
も無く獄寺は促されたままの台詞を繰り返した。
「『お帰りなさい、ボス』」
「ん、たでーま。」
ディーノはニコリと笑ってそう答えると、獄寺の腰にスルリと腕を回し、身体を引き寄せキスをした。黒服団からの口笛
と、囃し立てる声と、入り込もうとした舌の感触に、獄寺はハッと我に返る。
「な・な・な・何しやがんだてめぇ!!殺すぞ!!!」
何とかディーノの懐中から逃れようともがいてはみるが、見た目と反して力強いその腕はそれを許さない。獄寺は出
来る限りの距離を取って、力いっぱい叫んだ。
「んー、いいなぁお前。ボンゴレじゃなくてキャバッローネの、オレの右腕にならねーか?」
ディーノは獄寺の『殺す』宣言など、まるで聞こえていなかったかの様にそう言った。獄寺は更に眉間の皺を増やし、
大きく息を吸った。
「んだとぉ!?冗談は・・・・・」
「オレなら、お前が右腕である事を誇りに思うボスであり続けてやるぜ?」
冗談では無い事を、ディーノの優しい瞳に悟ってしまい獄寺は叫びを途中で止めてしまった。優しさの中に、真剣さを
含む視線に頭が真っ白になり、出すべき言葉が見つからない。無言で見詰め合う二人に、周りの黒服も、ボスとボス が気に入ってしまった者の同行を固唾を飲んで見守る。
「ダメだよ!!」
そんな異様な静けさを破ったのは、ツナだった。その場に居る全員の驚きの視線がツナに集まった。ツナ自信、今出
した声が自分の物だということに驚いた顔をして、口を手で覆っている。
「何でだ?お前はこいつを『友達』っつったよな。ならオレが『右腕』にって引き抜き掛けてもいいじゃねーか。」
ディーノが少し不愉快そうに眉を寄せて、ツナを責める様な声色で言う。ツナは一瞬怯んだが、それでもディーノから
目を反らさなかった。
「何でって言われても、上手く言えないですけど、獄寺君はボンゴレファミリーの獄寺隼人なんだ・・・・・ダメな物はダ
メです、ディーノさん!」
「10代目・・・・・」
腕の中の獄寺が、ウットリとした視線でツナを見ているのに気付き、ディーノはチッと舌打ちしてから獄寺を解放した。
「まあ、そこまで言うなら今日の所は退いてやらあ。行くぞ、てめーら。」
苦笑いを浮かべて、ディーノは二人に背を向けて歩き出した。黒服達もそれに従う。
「ああ!ボス適正チェック。また抜き打ちでやってやるからな!!大将!!」
振り向かずにそう言って後ろ手に手を振るディーノを、その姿が見えなくなるまで見送って、ツナは隣の獄寺に視線を
移した。
「感激っス10代目!!オレ、絶対あんな野郎のとこなんかには行かないですから、安心して下さい!!」
獄寺の自分を見詰める瞳が、何時もの5割り増しでキラキラしているのを見て。自分が発した言葉の重みに、ツナは
獄寺に気付かれない様に、密かな溜め息を吐いた。
2004.11.29.
イエーーー☆次回予告に踊らされてみました(爆
ディノ獄というかツナ←獄←ディーノですな。看板に偽り有りでスミマセン・・・。
来週の内容によってはサクッと削除も有り得ますな!!
イエー!!おいらチャレンジャー!!イエーイ!!(怪テンション)
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