プリンセスさゆりん
〜あははーなお姫さまの諸国漫遊記〜



プロローグ ヴァレンディア城

「あははー、退屈ですねー。」

かつて魔王ヴォーグロド率いる魔族との戦争によって各地で戦乱の炎があがっていた、
ここヴァレンディア大陸も、偉大な御先祖さま、「エルファーラン・ド・ヴァレンディア」女王陛下と
その娘である「グラドリエル・ド・ヴァレンディア」女王陛下たちの活躍で平和を取り戻しました。

戦災からの復興も無事おこなわれ、戦争の記憶も次第に人々から薄れていき、
戦争のことを知る人は今やほとんどいません。

ですが…

「あははー、退屈ですねー。」
毎日毎日お城にこもって、剣の稽古、魔法の稽古、お勉強、お勉強…。
当然お友達と遊んだり…いえ、お友達をつくる機会も時間もありません。
もちろん立派な女王さまになるため仕方のないことだとはわかっているのですが
このままお城の中で花の10代を終えるなんて…



そんなの絶対に嫌です!!
決めました。
佐祐理はお城を出てしばらく旅をしようと思います。
そういえば御先祖さまもお城を抜け出して諸国を見聞したとか…。

そうと決まれば、早速今夜決行です。













ふええ。困りました。
お城の入り口は門番の兵士さんがいるので外に出ることが出来ません。

「うぐぅ。お姫さま。お姫さま。」

なんとか外に出る方法を考えないと…

「お姫さまー。」

ふぇ。どこかから声が聞こえますね。

「ここだよ。ここ。」

声のするほうをみると可愛い妖精さんがいます。

「めずらしいお客さまですねー。あなたお名前は? こんな時間にどうしたんですかー?」
「ボクはあゆだよ。それよりもお姫さま、ナッツビルの村が大変なんだよ。早くきてよ。」
「あははーそうなんですかー。実は佐祐理もお城を出たいんですけど、
門番さんがいるから困ってるんですよー。」

「うぐぅ…。そうなんだ…。じゃあボクに任せてよ。」

あゆちゃんはそう言うとオーバーブーストで入り口のほうへ飛んでいきました。








「うぐぅどいてどいてー!!」

「うわっなんだなんだ!!」

ドンッ

どっぼぉぉぉぉぉぉぉぉん








あゆちゃんが戻ってきました。

「お姫さま、門番さんはお城の外におびき出しといたから今なら大丈夫だよ。」

「あゆちゃん、佐祐理でいいですよ。それよりもなにか重たいものが、
お城のお堀に落ちるような水音がしたんですけど…」

「うぐっ。あ、あははは。なんのことかな。ボクわかんないや。気のせいじゃないかな。
佐祐理さん。それよりはやくいこうよ。」

「あははーそれもそうですね。ではいきましょう。」


こうして佐祐理はあゆちゃんと旅に出ることになりました。
とりあえずはヴァレンディアの城下町で準備を整えて、ナッツビルの村を目指すことにしましょう。


続く


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