「ドラゴン料理〜♪ ドラゴン料理〜♪

夕食は〜♪ ドラゴンの〜♪ フルコ〜ス〜♪」





「佐祐理さん。ボク、ドラゴン料理食べるのはじめてだよ。楽しみだな〜。」





















プリンセスさゆりん
〜あははーなお姫様の諸国漫遊記〜

さゆり編 ドランゴラ

「嗚呼! 愛しのドラゴン料理」










「ドラゴン料理はわかったけど、ボクたちが向かっているドランゴラってどんなとこなの?」


「ドランゴラはその名の通り、地上最強のモンスターである

竜族が生息する地域に属する街です。

竜族の聖地でもあるドラゴンズヘブンには今でも多種、多数のドラゴンがいるそうです。

現在竜族は大きく二種類に分けられています。

獰猛で人や動物を襲う下位種と、高い知能と下位種を遥かに超える戦闘能力を有し、

言語、呪文を操る上位種です。

上位種のドラゴンは10頭に満たない数しか存在しないと伝えられています。

彼らは皆、神話の神や伝説の存在とされているんですよ〜。」


頭の上に?マークを浮かべるあゆに佐祐理が答える。


「そ、そんなところにいって、襲われるんじゃないかなぁ…。」


それを聞いてあゆの表情が曇る。


「かつて竜族は大陸全土を戦火に巻き込んだそうですが、エルファーラン女王率いる

王国騎士団が討伐にしてからは、ドラゴンが自ら人間を襲うケースはほとんど無くなったそうです。

もともと上位種のドラゴンは人間に干渉してくることはありませんでしたしね〜。」


すかさずフォローを入れる佐祐理。あゆは少し安心したように


「じゃ、じゃあ今はもう大丈夫なんだね。」


「でも上位種の一頭であるブラックドラゴンは邪悪な心に捕われ、

竜族を率いて次々と街や村を襲ったそうですよ。

彼らの通った後は死体すら残らなかったそうです。」


突然縁起でもないことを言い出す佐祐理。

どうもころころ変わるあゆの反応を見て楽しんでいるようだ。


「じゃじゃじゃ、じゃあもしブラックドラゴンにあったりしたら…。」


「あはは〜。まず生きては帰れませんね〜。」


とどめの一言が炸裂した。


「ボ、ボクやっぱり帰るっ。」


ガシッ(襟首を捕まえて)


「大丈夫ですよ。ブラックドラゴンは聖騎士エドワードによって退治されたそうですから。

それに佐祐理だってドラゴンズヘブンに殴り込みに行くつもりはないですよ〜。

名物のドラゴン料理を食べに行くだけですから。

さ、街が見えてきましたよ〜。」



「うぐぅ…。」


あゆはいまだ半信半疑の様子だったが、とりあえず目先の空腹には勝てないのか、

おとなしく佐祐理のあとについていった。














ここはドランゴラのとある料理屋。

やっと見つけたドラゴン料理なのだが…


「ふえ〜。高いですね〜。」


「高いね…。」


「ごめんね〜お嬢ちゃんたち。ここんところドラゴンが人前に出てこなくなったもんだから

ドラゴンの肉もすっかり貴重品になっちまったんだよ。」


「しかたありませんね〜。他のお店に行ってみましょう。」


「どこいっても同じだと思うけどなぁ…。」





これまたドランゴラのとある定食屋


「にはは。いらっしゃい。」


「このドラゴンの角煮ラーメンセット、できますか〜。」


「ごめんなさい。ドラゴンの肉を切らしちゃってて今はできないの…。」


「そうですか〜。残念です…。」








ドランゴラ中の料理屋を探し回った佐祐理たちだが、安い店が見つかるどころか

ほとんどの店でドラゴンの肉は品切れ状態だった。


どうにもならないので、手ごろな宿に泊まることにした佐祐理たち


「佐祐理さん。結局どこいっても駄目だったね。」


「そうですね〜。…しかたありません。あゆちゃん、明日早朝出発しましょう。」


「次の街へ行くの?」


「あはは〜。何言ってるんですかあゆちゃん。

ドラゴン料理も食べないでこの街を出るわけにはいきませんよ〜。

材料がないのなら調達してきましょう。」


「さ、佐祐理さん。ひょっとして…。」


「いざ、ドラゴンズヘブンですよ〜。」


「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。」


ドランゴラの夜空にあゆの悲鳴が響き渡った。

























翌日、ドラゴンズヘブンに入った佐祐理たちだが、

なかなかドラゴンに合うことはできず、気がついたらかなり奥地まできていた。

じきに太陽もその姿を隠すだろう。


「ねぇ佐祐理さん。暗くなってきたしそろそろ帰ろうよ。」


やはり夜の山は怖いのかあゆが提案する。


「あはは〜。ドラゴンを一匹とっ捕まえるまで帰れるもんですか〜。」


しかしあゆの願いはあっさりと却下された。


「うぐぅ。ボクまだ死にたくないよぅ。」


「大丈夫ですよ〜。所詮人生なんて食うか食われるかですから〜。」


佐祐理が、シャレにならないことを言う。


「本当に食べられるのはいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


恐怖しながらも、きちんとつっこむべきところを押さえるあゆもなかなかのものだ。


「あゆちゃん。あんまり大きな声出すとドラゴンに気づかれますよ〜。」


「うぐっ。」


あわてて言葉を飲みこむあゆ。

佐祐理はさらにたたみかける。


「もっとも佐祐理にしてみればそのほうが好都合ですけどね〜。」


「…うぐっ、えぐっ。ボクもう帰りたいよぅ。」





ついに泣きがはいった。

さすがに涙には弱いのか、仕方のないように佐祐理が口を開く。



「…わかりました。あゆちゃん。でも…」





























「うぐぅ。でも…?」


嫌な予感がしつつも、かすかな期待を込めてあゆが聞き返す。





































「もう手遅れみたいですね〜(^∇^)」

予感的中。

佐祐理の口から発せられたのは死刑宣告だった。


涙もふかずに後ろを振り返るあゆ。

涙でぼやけてはいるが、その目に映った夕日を背に近づいてくる巨大な影は、

間違いなくドラゴンのものだった。


「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」


ドラゴンズヘブンにあゆの悲鳴が響き渡った…。





次号「激闘! メインディッシュ決定戦」へ続く






佐祐理さんの一人称に限界を感じました。

前回の更新の後、ものすごい勢いでカウンターが回ってました。
一日でこれまでの一月分くらい回った計算になります。

いや〜KanonSS-Linkの力は偉大です。