◆ ハ行

 

●ハイリワード(PC98・イマジニア・SLG)

父の死により、家督と準男爵の地位を継いだ主人公。ただ、継いだのは実は爵位ばかりではなく、一千万ゴルに及ぶ大借金。
かくして世界銀行に問答無用で家産を差し押さえられた主人公は、士官学校を中退。借金を返済すべく、仲間達と傭兵団を結成し旅に出る…

そんな感じで幕を開ける本作は、設定だけを見れば重い雰囲気に思えるかも知れませんが、主人公一行に御気楽な者達が多いせいか、意外なほどにのんびりしたムードが漂った、自由度の高い作品となっております。
…まあ毎週借金取りがにこやかに(傭兵団を護衛に引き連れて)やって来る為、最低五千は稼がねばならないというノルマはありますが、そのちょっとした緊張感も一味、と。

人々の依頼で荷物を運んで報酬を貰い、コツコツ借金を返すもよし。政府の募集に応じて反乱軍を鎮圧し、傭兵らしく報奨金を貰うもよし。その他貿易しようが酒場で公演しようが賭けをしようが、はたまた一攫千金、どでかいお宝を狙おうが、とにかく借金を完済すればすべて良し、好きにやれ。
そんな適当さが、ある種の魅力となっている作品と言えるでしょう。

まあ自由の代償か、仲間内の掛け合いといった、普通はまずある会話やイベント等が極度に少ない事をはじめ、物足りない面も決して少なくないのも事実です。
しかし… 何度クリアしても不意に時たま、のんべんだらりとまたプレイしたくなる様な、不思議な魅力がある作品ではありました。

 暫定評価 A−(自由度とテンポの良さが光る原石)

 

●Party Spirits2 〜jijiの逆襲〜(PC98・?・SLG)  ※TAKERU販売の同人ゲーム

選挙を題材にしたゲームというのは、FCの頃からちらほらと見掛けはしますが、やはり左程多くは無かろうと思います。
そして私が実際に遊んだ中で、出来の割にいまだ強く印象に残っているものの一つ、それが本作です。

舞台は参院選。プレイヤーは自民・社会・公明・共産といった当時の主要政党を模した党に加え、大日本専門党(未見だが1での主役らしい)・秘密結社連合にオタクやアイドルの党といった本作独自の党の中から一つを選び、比例代表全8議席の過半数を制すべく、全国を飛び回り戦う。
と、規模は至って小さいのですが、開始前に党の訴える政策を十項目程設定出来るのをはじめ、基本の演説からして街頭・街宣車・集会など複数から選べる上、他党のスキャンダルを探っての暴露や政策の近い党との選挙協力、果ては特定の党での特殊な活動(例えば秘密結社連合は集会での洗脳)など色々出来たり、与党では期間中に米・ソと首脳会談のイベントが起こったりと、芸の細かさと自由度については、この手のものとしてなかなかのものがありました。

まあ全体的な出来としては… バランス面も含め正直並程度とは思いますが、核軍備推進・安保破棄・天皇制廃止といった尖った政策を訴えて選挙を戦ったりも出来る自由度の高さは、この手のものが好きな方には一見の価値ありかと。

 暫定評価B-(自由度と芸の細かさは特筆)

 

●プロジェネター(PC98・光栄・SLG)

光栄の過去の作品群には、出来は良いのに「信長」や「三国志」の様にあちこちに移植されたりハンドブックが出たりと言う事も無く、更には以前出た20周年記念パックにお呼びがかかる事も無く埋もれたまま、という作品が少なからずあるかと思います。
そして本作も、残念ながらそんな中の一つと言えるでしょう…

同社の名のあるゲームで例えれば、当に宇宙版「大航海時代」とでもいうべき本作は、父の死の原因やその足取りを追う中で色々と事件や騒動に巻き込まれ… といった本筋のシナリオもなかなかうまくまとまり、テンポも良く飽きさせなかった上、主人公ケニーをはじめとした主要キャラ達の造形も、台詞や行動をうまく使い、きっちりと魅せてくれていました。
そして要のシステム面も、生活や装備の充実に必要な資金を、交易に勤しんだり斡旋所で仕事を地道に請け負ったりと手堅く稼ぐのは勿論、元来本業の海賊に励んだり賞金首を追い回したりと武闘派路線で行くも良し、気まぐれを起こせば無人惑星で一山狙って未知の鉱山探査に勤しんだりと博打に奔るも勝手と、プレイヤーの裁量の余地も多く、なかなか気侭で楽しいものがありました。

また細かい部分では、最新鋭の兵器は市販されておらず、警察のみが装備しているといった状況や、裏の通行パスや闇採掘権といった利権問題、さらに海賊と警察組織の癒着などがさり気に描かれているのも、個人的にはかなり好印象でありました。

「飛びぬけた名作」という程ではなくとも、時折ふっとプレイしたくなり、すれば何度と無く楽しめる。
私にとっては、そんなある意味稀有な作品であり、光栄がハンドブックを出さなかったが為、自前で星系図や交易表といった基礎資料を作成したのも、今では良き思い出と言えましょう。

 暫定評価 (なかなかのレベルでまとまった、バランス良き逸品)

 

●鳳凰の如く(PC98・イマジニア・SLG)

私は「信長の野望」以来、色々と歴史SLGに手を出して来ましたが、手放しで「名作」と称えられる作品は、残念ながら左程多くはありません。
さりながら、その一部なりとも強く印象に残っているものという事であれば、結構な数が思い浮かびます。
そしてこの作品も、極論すればただ一事をもって、いまだ記憶に残っております。

プレイヤーは織田信長となり、内政をこなしつつ他国を攻め取っていくという国盗り物である本作は、全般的な出来としては、そこそことしか言いようの無い印象だったかと(操作がしにくいとか、金が増殖するバグはありましたが)。
しかし、コマンドの一つである「評定」については、ある意味忘れ得ぬ出来でした。

随時任意の武将を招集して行えるこの行動は、武将間の派閥の概念(対立相手の意見に反対しまくる)や賛否をちょっとした行動で示す(賛=頷く、否=首を振る)要素を持ち込んでおり、見ていてなかなか楽しいものがあったのがまず一つ。
秀吉の提案にはとにかくぶんぶんと首を振りまくる勝家一党に、同じくがくがくと頷く長秀らとか、視覚によって楽しめるというのは、何とも味があったものです。

そして、何故か議題にある「参加者全員の首を刎ねる」という提案をした時の様などは、まさにある意味壮絶。
全員が全員、狂った様にぶんぶんと首を振って拒否を示す中、構わず裁可を下すと… 振られていた首が一斉にポロッといった感じで落ち、次の瞬間評定の間には信長しかいなくなり、お開きになる。
「HARAKIRI」の切腹と同様、一見の価値がありましょう…

 暫定評価 C(「評定」に対する妙な拘りは特筆)

 

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