※…これは、私が徒然に思い浮かべた物語の展開の一つを、少し纏めてみたものです。
時期的には「F」と「N」の間頃になるでしょうか?
無論、これは私の勝手な夢想であり、実際のシュヴァがこの様な感じの展開になる事は最早ありえませんが… 一ファンの妄想に興味のある方は、御覧になってみて下さいませ。
ランパート連邦の崩壊より一年… 七強国は定例の連絡会議において「クレア真王軍を自称する武装集団」を「銀河の秩序を乱す賊徒」として共同で討伐する事を議決。 かくして結成された「七ヶ国連合軍」は、空前の大艦隊をもって旧ランパート領へ進撃を開始する。
銀河には八強国体制の衰亡を感じる人々も少なくは無かったが、この時点では誰もが、真王軍を称する勢力が一瞬で銀河の塵となる事を疑わなかった。
しかし、真王軍は七ヶ国をも凌駕する技術力と旺盛な士気を武器に徹底抗戦を図り… 圧倒的な物量でじりじりと追いつめているとはいえ、局地的には各所で少なからぬ敗北をも余儀なくされた連合軍が、たかが新興の一勢力を攻めあぐねている事は誰の目にも明らかであった…
そして… 「ギャラクティックス」の威信にかけて真王軍を叩き潰さんとする連合軍は更に戦力を増強、遂にクレア軍を捻じ伏せ、その首星系を包囲する。
だが、まるでその軍事力の空白を狙うかの様に突如正体不明の艦隊がミケーネ首星を急襲。 同時に、他の六国の本拠付近でも次々と目撃される謎の艦艇…
かくして、全く予想外の有りえざる事態に驚愕した連合軍は急遽ランパートよりの撤退を決定。 真王軍のゲリラ的な追撃をあしらいつつ兵を引き始める。
だが、ランパート国境付近で謎の艦隊の急襲をも受け、少なからぬ損害を被る羽目になったのである…
こうして「ランパート戦役」は幕を閉じる事になったのだが… 「圧倒的」「絶対的」な軍事力を誇る筈の「神々」の予想外の醜態は、八強国体制に拭い難い亀裂を生み出し始めた。
「本気の七強国が新興の一勢力を攻めきれなかった上、あろうことか正体不明の敵に本拠を脅かされた」
その事実が与えた衝撃は、連合軍が撤退を取り繕う様に出した「賊徒を各所で叩き潰し、その本拠を攻めて首魁の心胆を寒からしめた事で戦略的目的は達した」などという声明で糊塗出来る筈も無く…
今、銀河は大きく揺らぎはじめようとしていた。
ランパート戦役より四年。七強国は傷ついた威信を回復すべく周囲への圧力を更に強めていたものの… 無論、一度狂い始めた歯車がそう簡単に元に戻る筈も無く、水面下での軋みは激しさを増す一方であった。
そしてそんな状勢下、再びランパートを火種に銀河は動き出す。
「八強国体制は今、終わりを迎えようとしています。我等真王軍は今こそ伝説を成就すべく、『ギャラクティックス』を自称する『真の銀河の秩序を乱す賊徒』を打倒し、新しい、希望に満ち溢れた平和な時代を築く事を宣言致します!
このシュヴァルツシルト銀河に生きる全ての方々に御願いします。新たなる時代の幕を開ける為、どうか皆さんの力を我々に御貸し下さらん事を…」
真王軍総司令官・モリス=ゴードンは、不敵な演説を全銀河に轟かせると共に、満を持してミケーネへと進軍を開始。破竹の勢いで同国軍を撃破し、一気に首星系へと軍を進めて行く。
一方、事態の推移に驚愕した他の六ヶ国は、再び連合して真王軍の討滅を図らんとするも… まるでそれを見計らった様に突如各国で続発する、属国の独立宣言、狭間の大国同士の武力衝突、宮廷クーデター、中枢部での大規模な事故等等。
そして、それらの事件に見え隠れするのは…
「…国家にも体制にも、このボディと同じ様に寿命というものがある。私は只、それにほんの少しばかり手を貸しただけさ」
「其は終わりの始まり。偽りの神々への挽歌…」
…事態の裏で暗躍するは「異界の賢者」。
「…今の所計画は極めて順調。賢者達も予定通りの働きを見せてくれていますが… アーサー、結局あの者達はどの程度まで信用出来るのでしょう?」
「…大丈夫、心から信用出来ますよ、ノステア。 少なくとも、八強国体制の崩壊が自明の物となる、その日まではね…
例え最後の行き先が違うとしても、今は同じ船に乗っている同志。
賢者殿達にそれ以上を望むのは、きっと贅沢と言うものなのでしょうよ…」
…密かに蠢くオーバネスト。
「…エグザス様、全ての準備は整いました。いよいよです、遂にエグザス様の御旗を、全銀河に掲げるべき時が来たかと!」
「…うむ」
「……? 何か御心配な事でもおありですか?」
「……ゴッドスペル! 私も時には思う事があるのだ。『運命』に抗おうという我が行為そのものすら、『伝説』の掌の内ではあるまいかとな…」
「…エグザス様、あなた様が『光の伝説』などと言うものを越えた御方である事を、我等オーバネスト一同、確信致しております。
このシュヴァルツシルト銀河の未来は、我等今を生きる者の手で築くべきものであり、決して古の呪縛の如き黴の生えた『伝説』や、一部の者達による机上の『計算』等に委ねてはならぬ筈です!」
…そして、いよいよ表舞台にその姿を現すエグザス軍。
「とうとう来たようだな、銀河再編の時が…」
「はい。銀河の覇者に七ヶ国は多すぎましょう。…少なくともこの四年を無為に過ごした様な奴等に、『神々』を称する資格はありませんな」
「ああ、『神々』の時代は終わった。これからは我が国、一人の『神』で充分だ!」
「ふふふ、面白え事になって来やがったな! いくぜ、野郎共! 『こいつ』の力で、俺達がこの銀河を奪ってやろうぜ!」
…更には混沌のシュヴァルツシルト銀河に、新たに名乗りを上げる野心家達の群れ。
「『神々の黄昏』の開始。『プラン』の完成までにはあと…」
…混迷を深める銀河を眺めつつ、『議長』は何を思うか。
「…ふふふ、まるで我が国の精鋭艦隊が木偶同然だな! くっくっく、何とも新鮮な体験ではないか!」
「…司令!」
「…なに、木偶には木偶の戦い方がある。ふん、御偉い光の戦士様とやらに、一つ目にものを見せてやろうではないか!」
「ガッハッハ、面白え事になってきたな、シンシィ! 俺は今日ほどエグザス様に付いて来て良かったと思った日はないぜ!」
「…やれやれ。相変らずですね、ヴェルヴェルフ。 ただ…遺憾ではありますが、私も同感ですよ」
「グラフツゥラー! 貴様はこの期に及んでも、なお光の運命に逆らうつもりか?」
「…我が目指すものは変わらぬ。それをどう解釈するかはモリス、お前の自由だ…」
「ふん、どうしたアハシュエロス。貴様らお得意の『プラン』とやらが随分と修正を余儀なくされているというのに、やけに機嫌が良さそうだな?」
「ええ、こんな気分は…久しぶりですよ、マスター・イル。
ふふ。やはり人生も未来も、わからぬ方が面白いとは思いませんか?」
「エグザス様、出撃準備が整いました。…奴等はデスペランに気を取られ、こちらの動きには全く気付いていない様です」
「…うむ。行くか」
「いや、長生きはしてみるものだな。まさかこの眼で八強国の黄昏を見れるとはなあ」
「閣下、何を呑気な! 状況はそれどころでは… 一体どちらに付くべきか、閣下のその御決断にかかっているのが何億の民の運命と御思いですか!」
「なに、別にのんびりしている訳では無いよ。状況を真剣に吟味しつつ、政治家の醍醐味を味わっているだけさ…」
「あれは…クラーリン? いや、違うな…
まさか!」
「我が真王よ… 一つ問うておきたい。
貴方のその判断は貴方自身のものか? それとも… クレアと言う名の、過去の亡霊のものか?」
「……エグザス」
「…ふふふ。このシュヴァルツシルト銀河に、今度こそとこしえの平和がもたらされん事を…」
クレアの、エグザスの、ルカの、様々な人々の思惑が入り乱れる中…
物語は、いよいよ終局へ!
〜了〜
→戻る