●アクダム (ドラゴンスレイヤー英雄伝説)
幼い王子の代理としてファーレーン王国の国政を牛耳る奸物摂政。
かつては王のしがない側近の一人に過ぎなかったのだが、10年前に突如モンスターの大軍が城を襲撃するという大事件が起った際、混乱の中で瀕死の重傷を負った王の今際の遺言によって現在の地位に就く事になった(ただし、その言葉を聞いたのは死を看取った当人のみ)。
「王子が16歳となった暁には政権を引き渡す」。それが彼の就任時からの公約であり、彼の統治を快く思わぬ人々の心の支えだったのだが、図らずも王子の16歳の誕生日を目前にしたある日、その育てられていた村がモンスターに襲われ壊滅し王統は断絶。その結果事態は、彼が摂政から横滑りして新王として即位する、という方向へと進んで行く。
まあ御多分に漏れず、それらは10年前の件と同様に彼の茶番劇であり、からくも難を逃れた王子がレジスタンスに合流した事を契機とし、彼の政権は崩壊への道を辿っていくのであるが…
この様に彼は、タイプとしては極めて典型的な悪玉に過ぎない様に思える。しかしその言動は、なかなかどうして凡庸ではない。
権力掌握の目的が、野心と言うよりは王妃への横恋慕であったという事実(結局実らなかったが、10年もの間に渡り一途に篭絡に努めていた模様)。
政権を失った後の逃亡時には、国境の洞窟を爆破したり他国の王に取り入って人間の盾を築いたりと、実に多彩かつ巧妙な手口で追撃してくる主人公を翻弄する上、常に船や魔法具等によってもしもの時の退路を確保しているという周到さ。
そしてなにより、出会うたびに見せる味のあるセリフの数々が、なんとも忘れ難い名優である。
「私は逃げるのではない! 新たな力を得る為、旅に出るのだ!」
●アルベルト(ジャイアントロボ)
世界征服を企む秘密結社・BF団の誇る十傑衆の一人で、衝撃波を自在に操る事から「衝撃のアルベルト」の通り名を持つ豪傑。
常にスーツに身を包み、葉巻を愛好しているという紳士然とした人物で、戦闘力・冷静さ・頭の切れ・闘志など、極めて高いレベルで安定した能力を誇っており、BF団の重鎮として国際警察機構との争いに縦横の活躍を見せていた。
彼は組織の長ビッグファイヤーに対する忠誠には篤いものの、かといって決して盲信者にはなっておらず、「地球静止作戦」完遂に向けて従事していた際も、その作戦の余りに不明瞭な点の多さや、ボスに指名された作戦リーダーとはいえ、何処と無い胡散臭さを感じてならない幻夜には常に疑問の目を向けており、後にはその正体と目的を察知した為、口封じを狙った幻夜達によって消されそうになる。
そして死んだと見せかけて危うくその難を逃れた彼は、密かに盟友樊瑞にその秘密を伝えると共に、自らは結果として敵に与する事になるのも辞さずに機を窺い続け、最期は自らの誇りと信念のまま作戦に決定的な打撃を与えて、笑みを浮かべながら粉々になって散っていった。
窮地に咄嗟の判断でジャイアントロボの肩に雪に擬態して取り付き、最終局面まで微動だにせずにじっと機会を待ち続け、最後は見事自らの目的を果たした事に見られるその知力胆力。更には自分の片目を奪ったりと因縁浅からぬ宿敵戴宗と相対した時に見せていた、常の冷静さとは異なる戦士としての熱い様などを見るにつき… 私としてはただ、「見事な男」という賛辞を送るのみです。
「ワシは納得いかんのだ! 貴様との決着が、こんなもので良い筈があるまい!」
「十傑衆を舐めるなあっ!」
●ガイザー (スペクトラルフォ−ス2)
●ガイザン (スペクトラルフォース2)
●ギレン=ザビ (機動戦士ガンダム)
●クローヴィス (ゼルドナーシルト)
オルレアン家の侯爵で、未だ幼い国王の代理としてグランクール王国の国政を一手に切り盛りしている摂政。
生真面目で責任感が強く、王家に対する忠誠心・実務能力も申し分ない切れ者なのだが、独断専行の気と厳罰主義の一面がある為に多数の諸侯の反発を招いてしまい、結果としてラーガイル王国がグランクール王国・ザクセン公国・エスタニア共和国と三カ国に分裂するきっかけを作ってしまった人物でもある。
私心が薄く責任感が強すぎる為、難局に際してますます独裁的になる。
そして結果として、不満を募らせた者達が新たな反対派になってしまう…
その様は彼自身が高潔な忠臣であるだけに、悲劇的かつ滑稽とさえ言えるかもしれない。
この様に「国を傾ける有能な忠臣」、そんな妙な立場が似合う彼は、尊大な言動と禁欲的で神経質そうな表情が印象的な人物です。
ただ「グランクールの栄光と幼王カール九世の成長以外は全て余事、他人の誤解などどこ吹く風」という、そんな彼の不器用な本質さえ掴めれば、政治家としてはやや問題があるものの、その人柄などは充分尊敬に値します。
またグッドエンドにおいては、二度に渡り巻き起こった叛乱の遠因が彼の専横にあると洞察した王に休養を勧められる事になるのですが、彼はそれに対し怒るどころか、むしろ頼り無いと思っていた幼王の王としての成長ぶりを喜び、引退を決意してしまいます。
それは「彼」の人柄と想いが如実に顕われた場面として、特に印象深いものがありました。
「わしはあのラーガイルの栄光の日々を必ず取り戻してみせる!」
●座王(パラサイトムーン)
●シルク (ドラゴンマスターシルク)
一匹狼の賞金稼ぎで、千年前に世界を支配しようと企む魔王と戦った勇者の末裔…らしい。
まだ14歳の少女だが、その職業故か極めて現実的な思考をする人物であり、魔王の復活という事態を憂慮した魔龍によって勇者に指名された時も、「自分には関係ない事」と全く聞く耳を持とうとしなかった。
まあ結局は、勇者の御供たる精霊龍達の懇願と、「達成の暁には何でも一つだけ願いを叶える」という魔龍の約束を受けて無事「契約」は成立。彼女は勇躍して三人の精霊龍と共に、魔王の待つダンジョンへと赴く事になる。
再び世界の支配を企む魔王を打ち倒し、「世界征服」という自分の願いを叶える為に…
ま、この様にOPから只者では無い所を遺憾無く発揮する彼女ですが、元々気風と面倒見の良い姉御肌である上、機智に富み、どんな危機に陥っても自分を見失わない沈着さと揺るがぬポリシーを合わせ持っているという、一個の人間としても敬すに値する実に印象深い主人公です。
なお普段は極めて冷静なものの、背が低く(143cm)自分でも過剰にそれを気にしている面がある為、「チビ」などと罵られると、通常時を遥かに越える力を発揮するとか…
「じゃ、世界征服!」
「奴が『ルール』なら、アタシは『世界』だ!」
●仙崎竜太郎(パラサイトムーン)
●エギーユ=デラーズ (ガンダム0083)
●ジェフ=ハイドン (クォヴァディス)
イベルカーツ条約同盟を構成している大国の一つ・ツァルスクレブトの中将。
「黒い雷鳴」の異名を取る当代屈指の戦術家で、これまでさしたる評価を受けてこなかった同国軍の名を国際的に高めた立役者という事もあり、軍部を中心にかなりの信奉者を集めているカリスマ的軍人。
元来政治的野心も強かった彼は、かねてより場当たり的な対応が目立つ軍上層部や政府に対し強い不満を抱いており、ブルト=コッホの巻き起こした戦乱に乗じる形で電撃的にクーデターを敢行、自らを首班とする軍事政権を樹立させる。
そして彼は愛艦クォーバーを駆り、ブルト=コッホに呼応して軍事的冒険へと打って出る。
「大国間の中での弱国」という、自国のある種呪われた立場を打ち破るべく…
と、以上の様な流れで登場する彼は、作中では特にセリフこそ無いものの、その常にサングラス姿(片目が義眼の為)である厳つい風貌といい、集中打・腹背急襲を得意とする敵将の中でも屈指の難敵である事といい、私的には出番の割に極めて忘れ難い強豪である(個人的には最強の印象あり)。
●比紀弾正 (銀河戦国群雄伝 雷)
元神聖銀河帝国の左将軍。
皇統断絶による帝国崩壊後、風雲に乗じていち早く挙兵。その後群雄との数々の死闘を制して北天を統一し、銀河最強国家たる五丈帝国を築き上げた傑物で、既に白髪の老人ではあるものの、その怜悧さと有能さ、なにより「全銀河を統一せん!」という烈々たる野心は衰えを見せていない。
その幕下には五丈四天王や呂斎をはじめとした名将・練達の政治家達を綺羅星の如く擁しており、彼はそれらの人材と強大な軍事力・国力を駆使して南征に乗り出し、その野望を達せんとするのだが… 結局その目的を果たせぬまま病に倒れ、手の届く所まで来た「夢」を前に無念の思いを残しつつ、74歳に渡る波乱の生涯を閉じる事になった。
彼は晩年の施策にはいささからしからぬ不手際を見せたものの(正直「政宗への国譲り」など、その最たるものと思う)、人物・能力等あらゆる面で群を抜く力量を示した乱世第一級の梟雄であり、まさに「時代を動かした一世の雄」であった。
作品は先頃完結を迎えたが、個人的には羅候の様な小者では無く、これぐらい強大な化物が主人公の宿敵であった方が余程物語が面白かったのでは、と思えてならない(まあその場合、勝てない様な気もするのだが)。
「わしは全銀河を統一する!」
「この星空の極みの果てに何かあろうか… わしはそこへ行きつきたかったぞ…」
●フリードリヒW世 (銀河英雄伝説)
ゴールデンバウム朝銀河帝国の第36代皇帝で、深い「虚無」を纏った、超然的な老人。
即位から30年余を迎えるが、当初より国政には殆ど関心を示さぬまま放蕩の日々を送り続けており、かつて英明とも偉大とも称された事の無い「消極と沈滞の人」として知られている。
ただその気質故か、物事の本質を余りに鋭く見抜いている部分があり、時にラインハルト等臣下を戦慄させる事もあるなど、「無能」だけで評し切れない、ある種底知れぬ深みを持つ人物である。
そして… 放蕩の果てに突如急逝した彼には嫡系の世継ぎがおらず、その後継の人選を巡って帝国を二分する内戦が勃発、ゴールデンバウム朝は一気に崩壊への道を転げ落ちていく事になるのだが…
私としては、彼はそうなる事を予想しながら、あえて放置していた様に思えてならない。
例えるならば「瘴気を発する虚無の王」。 その言動にはなんとも忘れ難いものが少なくない…
なお、漫画版での彼は更に真価を発揮している面があり文句は無いのだが、他方アニメ版においては容姿をはじめとして大幅にパワーダウンしている感が否めず、個人的には強烈な不満を感じてならない。
「人類の創成と共にゴールデンバウム王朝があったわけではない。不死の人間がおらぬと同様、不滅の国家もない。余の代で銀河帝国が絶えて悪い道理が無かろう」
「…決めておったのだ もう数十年も前から余は… 何ひとつ決めてやるものかと…」
●フレイザード(ダイの大冒険)
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