◆ タ行

 

天下布武(メガCD・ゲームアーツ・SLG)

「戦国SLGで最も好きなものは?」と問われれば、まず第一に候補として思い浮かぶ。私にとってこのゲームは、いまだそれぐらいの価値がある作品です。
戦闘をメインに、極力シンプルに纏めたシステム。
部隊全滅・孤立などの状況によって、情け容赦無く討死する(可能性がある)緊張感。
そして何より、こちらの勢力拡大に合わせる様に、必ずといって良いほど各地に大勢力が出現する為、終盤まで中だるみしないバランス…
今遊んでみても、グラフィック等仕方なき面を除けば、他の作品に遜色の無い完成度ではないかと思います。
無論、水戦の味気なさ等、欠点も無い訳ではないですが、それも全体からすれば些細な事かと。

 暫定評価(バランスとテンポの良さは無双の出来)

 

●天と地と(PC88/98・光画堂/コナミ・SLG)

 ※本作はPC98版と88版があり、システムや難易度に少なからぬ差がありますが、以下の記述は原則88版に準拠しております。


角川の同名映画の関連商品として世に出た本作は、イベントや登場人物に多少その影響があれど知らずとも一向に問題ない、「上杉謙信を主人公とした真っ当な戦国SLG物」と言って良い出来栄えでした。
ただ良くも悪くも「普通の」と言うには些か癖があり、未だに記憶に残っております。

本作の独特な所、それは大きな面では、強制イベント等を介し、基本的に歴史の流れ(という大まかなシナリオ)に沿って行動させられるということや、メインと言うべき戦闘が、領内の城主達を招集し、その率いる部隊を編成して軍団を結成した上で行うという、かなり独特なものであったこと。
小さな面でも、「他勢力と戦うには宣戦布告が必要」「武将が原則死なない(但し88版のみ)」「謙信が毘沙門堂に篭ると、その季節のみ軍団の戦闘力UP(但し98版では一回ごとに少し寿命が縮む)」など、まあ色々とあったものでした。

ただ、「癖がある=悪い」という訳では無論無く、特に軍団制の戦闘などは、軍の士気が編成期間に比例して低下していく為に、目的達成度や部隊の消耗なども考慮しつつ適宜解散や再結成をしなければならなかったりと結構頭を捻らねばならない、面白いシステムだったと思っております。
まあ史実通りの年代になると、例え軍団を率いて行軍中だろうと、軍を解散して問答無用で上洛させられるなどのイベントの強制ぶりには、ちと泡を喰ったりもしましたが… まあその辺りも個性といえば個性とも。


なお、本作で尤も印象深いものといえば、なんといってもそのエンディングと言えます。
流れ上、一向宗・武田・北条らと抗争を繰り広げた挙句、最終的には将軍義昭の要請を受けて織田家との戦いに挑むことになるのですが… 激闘の末に岐阜城(MAPが中部地方までのため、安土城は存在せず)を陥として信長を討ちとった後に流れる古文調の後日談が、もうなんとも。
様々な美辞麗句を排してざっ大意を述べれば、
「尾張から出た織田信長という者が、都で威を振るい、将軍を逐い帝を操るなど悪逆非道の限りを尽くしていたが、謙信公によって成敗された。だが謙信公は些かも私心が無く、将軍義昭を迎えて幕府を再建すると、関東管領としてその政治を補佐しています。しかしながら世の中には幕府に従わぬ大名も未だ数多く、かくして謙信公は今日も各地を飛び回り、逆臣達を討伐しております」
といった感じの内容でして、これまでの苦労に見合った達成感とは無縁ながら、妙に現実的な謙信らしい後日談だと、苦笑とともに納得してしまった覚えがあります。
その為か、「天下ノ平穏ハ、何時ノ事ニテ候ヤ…」そんな最後の一文と共に、未だになんとも忘れ難いものが。


 暫定評価 B+(独特な戦闘とある種味わい深いEDには一見の価値あり)

 

●ドラゴンマスターシルク 〜龍召還娘〜(PC98・ギミックハウス・RPG)

「魔王が再び復活し、世界を征服しようとしている。さあ勇者の末裔よ、奴を倒しに行くのだ!」
「いやだね、あたしには関係のない話だ!」

          (暫く両者、押し問答)

「…判った、ならば魔王を倒せば一つだけ願いを叶えてやろう」
「なんでもだな!(…よ〜し、ならば世界をあたしの手に!)」


RPGの王道的展開の一つとして、復活した魔王を倒す為、かつての勇者の末裔が立ち上がる、というものがあるかと思いますが、このゲームはその「お約束」をこういった感じでのっけから破壊してくれた作品として、未だに記憶に残っております。

本作は、RPGとしてのシステムやバランス等の出来映えでのみ評価すれば、無難にまとまっているとはいえ、格別印象に残る作品ではなかったかと思います。
ですが、空腹の為に互いの血を吸いあっているドラキュラ姉妹とか、服装以外全く似ていない、筋骨隆々の自称ドッペルゲンガーといった濃い敵キャラ達や、事に主人公の人となりが何とも印象的でした。

一匹狼で賞金稼ぎを生業とする魔法使いの少女。
容易に人を信じようとせず、ただ働きを嫌い、「背が低い」「少年のようだ」といった、自分が気にしている身体的特徴をバカにされると魔王相手でもぶち切れる(怒りによるパワーアップもあり)。
近年ならばまだしも、当時としては実に斬新な主人公だったやに思います。

なお本作は、98で続編として「2」が、後にセガサターンにてリメイク版が出ております。
「2」については未見の為なんとも申せませんが、SS版については個性溢れるキャラ達という最大の魅力をパワーアップさせた上、システム・シナリオ・イベントら全ての面が見違えるほどに向上した、文句の無い良作かと思います。
こちらについても、機が向けば少し物してみたいものです。

 暫定評価(全体の出来は普通なれど、主人公に一見の価値あり)

 

 

 

 

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