<毒舌録>

 

1.「勝利より悲惨な情景は敗北しかない」 (ウェリントン? / ??) 

 ナポレオン戦争等で活躍した、英国貴族の言と言う事ですが、小説か何かで引用されていたものの為、典拠未詳。
 孫引きと言う事もあり、今ひとつ状況等がはっきり判らないのですが… 何と言うべきか、実に「らしい」毒っぷりの台詞かと。

 

2.「わが軍には軍歌なんぞない。あるのは『給料どろぼうのワルツ』と『ごくつぶしのタンゴ』だ」
  
(自由惑星同盟元帥 ユースフ・トパロウル / 「銀河英雄伝説外伝 ダゴン星域会戦記」)

 不平と毒舌の多さで世に知られた彼の言行その一。
 「物語中での例としての引用」という形なので、具体的な状況は不明ですが… とりあえず言われた相手が鼻白んだことだけは間違いないであろうと思わせる、見事な毒っぷりです。

 

3.「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」 (一休宗純? / ?? )

 正月の町を練り歩きながら詠んだ、という句より。
 昔の数え年では、皆が誕生日ではなく正月に一歳年を取りましたので、それを踏まえれば意味はごく判り易いかと思いますが…
 まあなんとも禅僧らしい、皮肉とある種の真理を突いた物言いかと。

 

4.「元親は鳥無き島の蝙蝠なり」 (織田信長 / 「土佐物語」)

 長曽我部元親が友好を求める使者を送ってきた際、四国の情勢を縷々と述べるのに対し笑いながら応じて。
 織田信長という人物は、猿・禿鼠・金柑頭といった感じに、渾名に関してもよく独特の見事なセンスを働かせた方ですが、それらの中でも個人的に最も印象深いのは、この蝙蝠だったりします。 元親氏を評価する方には申し訳ないですが、これ程簡潔かつ的確に他者を評した言葉は、そうは味わえぬと思いますので。

 

5.「こいつはいつか俺を倒してやろうという誇大妄想気味な大志を抱いた前途あるケツの青い若人だ。無謀と言う名のチャレンジ精神に免じてムシしてやれ」
  (アルハイム・ハディード / 「ホルスマスター」)

 ジェラルダインに、「連れ」のプルプリッサを紹介した際の台詞より。
 元来、傲岸不遜で毒舌気味な彼の台詞には印象深いものが多いのですが、これは妙にもってまわった言い方をしている事もあり、強く記憶に残っております。

 

6.「われわれドイツ人は、世界一寛容な民族だ。 なにしろ一人のオーストリア人に、全てのドイツ国民の生殺与奪の権を与えているぐらいだからな」
  
(  ?  /  ? )

 確か小説か何かでの、反ナチス活動をしている軍人の台詞だと思いましたが、思い出せぬ為未詳。
 シンプルながら力強い「毒」が効いており、何とも忘れ難い一言です。 

 なお言うまでもないとは思うのですが… 「オーストラリア人」とはヒトラー氏の事です。

 

7.「……敗者が最も好む言葉は、『今度こそ』である」(ケネス・ギルフォード / 「七都市物語」)

 ジャスモードでサンダラー軍とタデメッカ軍が戦うと聞いた際の談話より。
 両軍の指揮官の力量を知っている毒舌家であり、今回は高みの見物という立場に置かれた彼の、いかにもらしい発言と言えるかと思います。

 

8.「ウァレンティニアヌスは、誰の胸にも自分の胸同様、友情とか感恩とかいう感情が宿らないときめていたから…」
  (ウァレンティニアヌス三世評の一節 / 「ローマ帝国衰亡史」)

 西ローマ帝国末期の皇帝・ウァレンティニアヌス三世に対する、著者ギボンの評の一節より。
 元々毒舌な著者が、「惰弱で自堕落」「三十五歳に達しながらなお年齢相応の理性も勇気も身につけ得ず」… などと、この皇帝に対し縦横に言葉の刃を繰り出す中でも、これは一際強烈な一言として、強く印象に残っております。

 …まあ著者にしてみれば、「醜陋な本能的嫉妬心」から「親孝行の美名でごまかしもできた無気力な惰眠状態」から目覚めて「蛮族にとって脅威であり帝国にとっては支柱として広く敬愛を集めていた」最後の柱石・アエティウスを粛清し、自分と国家に止めを刺したような皇帝に対しては、まだまだ言い足りぬのやも知れませんが。

 

戻る