GESCHLECHT〜ゲシュレヒト〜

 

その1

 

 

   「この、ミスティカティ・・・変わった味ですね・・・」
   彼がお茶を1口飲んで、そう言った。


   ここは、あたしの工房。
   で、ここであたしと一緒にお茶(ミスティカティ)を飲んでいるのは、クライス・キュール。
   あたしより、2歳年下の23歳の男性。
   一応・・・あたしの恋人・・・。
   何故『一応』と付くのかと言うと、彼とは、いわゆる男女の中には為っていないから。
   彼は、よく工房に訪ねて来るのだけど、絶対、明るいうちに帰る。
   恋人同士が、頻繁に交わすであろうキスだって、ここ最近してない気がするんだけど・・・


   「ミスティカティの葉は、レシピ通りにつくった物だよ。
    やっぱり・・・ヘーベル湖の水じゃ・・・おかしくなんのかな・・・」
   「ヘーベル湖の水・・・ですか・・・別におかしくは無いですよ。
    普通とは、違う味って事ですから・・・」
   そう言って、残りのお茶を飲んでしまう。


   あたしは、それを見て、自分のカップのお茶を飲んでみた。
   確かに、普通に煎れたミスティカティとは、ちょっと違う味・・・。


   「では・・・帰ります・・・」
   彼は、そう言って立ち上がる


   「えっ?・・・もう・・・帰るの?
    来たばっかりじゃない・・・」


   「実は・・・徹夜明けで・・・眠いんです・・・。
    これから、帰って寝ようかと・・・」
   彼が、欠伸をしつつ言った。


   「・・・どうして、真っ直ぐに家に帰らなかったの?
    あたしの工房に寄るなんて・・・」
   「今日辺りに、貴女が、帰って来ると思いまして・・・。
    貴女の顔を・・・見たかったのです・・・」
   じ〜っと、あたしの顔を見て、クライスが言った。


   「・・・あたし・・・暫らく・・・留守にしていたものね・・・。
    で・・・もう・・・気が済んだ?」
   「ええ・・・では・・・」
   そう言って、クライスは、玄関に向かって歩き出したのだけど、彼の身体が、突然その場に
   崩れ落ちた。


   「どうしたの?!」
   あたしは、慌てて、クライスの元に、駆け寄ろうとして、自分もその場にへたり込んで
   しまった。
   そのまま・・・意識が無くなった・・・。

つづく


  中書き

 

       性別逆転クラマリです。
       『その2』から、逆転します。

 

 

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