GESCHLECHT〜ゲシュレヒト〜

 

その2

 

   どの位・・・寝ていたのだろう・・・。
   あたしは、ふっと目が覚めた。
   腕をついて、起き上がる。
   周りを見渡すと、玄関の手前に、クライスが横たわったままだった。


   (起こして、あげなきゃ・・・)
   そう思って、立ち上がる。
   そして・・・少し・・・視界に違和感を感じる。
   ・・・高い・・・。
   視界が、いつもより高く為っていた・・・。


   変に思いつつ、クライスの元に歩み寄り、声を掛けた。


   「クライス・・・こんな所で寝て・・・あれっ?」
   あたしは、自分の声に驚いた。


   普段より・・・低い声・・・まるで・・・ううん・・・完全に・・・これは・・・。


   「男の声・・・」


   壁に掛けている鏡の前に行く。
   そこに映っているのは、あたし・・・だと思うのだけれど・・・。
   血縁者の男性である、父とか兄に、似ている気がする・・・。


   手とか腕を見ると、それは、完全に、男性の手とか腕だった。
   下を見ると、つま先がはっきり見える。
   胸の膨らみが・・・無い・・・。


   「さっき飲んだミスティカティの所為?
    じゃあ・・・もしかして・・・」


   あたしは、再び、クライスの元に駆け寄り、傍らに座った。
   そっと、腕を取って、起き上がらせて、あたしの腕に抱える。
   ・・・華奢に為っている・・・。
   腕は細いし・・・手も小さい・・・。
   服は、ブカブカに為っている。
   何となく、顔立ちも、女性らしく為った様な気がする・・・。


   「クライス!・・・クライス!・・・起きて!」
   あたしは、腕の中のクライスの身体を揺すって、彼(彼女?)の目を覚まそうとした。


   やがて、クライスが、目を覚ました。


   「・・・誰・・・ですか?」
   その声は、アウアさんに・・・良く似た声だった。


   あたし達・・・性別が・・・逆に為ったんだ・・・。
   あたしは、男性に・・・。
   クライスは、女性に・・・。

 

つづく


  中書き

 

       性別が逆転してしまった二人。
       さて・・・どうなるのか。

 

 

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