どの位・・・寝ていたのだろう・・・。
あたしは、ふっと目が覚めた。
腕をついて、起き上がる。
周りを見渡すと、玄関の手前に、クライスが横たわったままだった。
(起こして、あげなきゃ・・・)
そう思って、立ち上がる。
そして・・・少し・・・視界に違和感を感じる。
・・・高い・・・。
視界が、いつもより高く為っていた・・・。
変に思いつつ、クライスの元に歩み寄り、声を掛けた。
「クライス・・・こんな所で寝て・・・あれっ?」
あたしは、自分の声に驚いた。
普段より・・・低い声・・・まるで・・・ううん・・・完全に・・・これは・・・。
「男の声・・・」
壁に掛けている鏡の前に行く。
そこに映っているのは、あたし・・・だと思うのだけれど・・・。
血縁者の男性である、父とか兄に、似ている気がする・・・。
手とか腕を見ると、それは、完全に、男性の手とか腕だった。
下を見ると、つま先がはっきり見える。
胸の膨らみが・・・無い・・・。
「さっき飲んだミスティカティの所為?
じゃあ・・・もしかして・・・」
あたしは、再び、クライスの元に駆け寄り、傍らに座った。
そっと、腕を取って、起き上がらせて、あたしの腕に抱える。
・・・華奢に為っている・・・。
腕は細いし・・・手も小さい・・・。
服は、ブカブカに為っている。
何となく、顔立ちも、女性らしく為った様な気がする・・・。
「クライス!・・・クライス!・・・起きて!」
あたしは、腕の中のクライスの身体を揺すって、彼(彼女?)の目を覚まそうとした。
やがて、クライスが、目を覚ました。
「・・・誰・・・ですか?」
その声は、アウアさんに・・・良く似た声だった。
あたし達・・・性別が・・・逆に為ったんだ・・・。
あたしは、男性に・・・。
クライスは、女性に・・・。
中書き
性別が逆転してしまった二人。
さて・・・どうなるのか。