エルテスタ ゾーン

 

その2

 

    「マリーが、姉さんとも、クライスとも、知り合いだったとはねぇ・・・」
    フェーザさんがお茶を飲みつつ言った。
    彼は、自分でティーカップを持ってきて、あたし達のお茶会に混じった。
    そこで、あたしとロブソン村で会った事、一緒にエリキシル剤を作った事をアウラさんと
    シアに話したら、2人とも偶然にびっくりしていた。
    でも、あたしは、まだ意外な事実を信じられずにいた。
    だって・・・外見も中身も・・・全然似てないのだもの・・・


    「でも、フェーザさん?」
    「何?」
    「どうして、姓を名乗らなかったんですか?
     何か、名乗りたく無い理由でもあるんですか?」
    『キュール』って言ってくれれば、少しは気が付いたのに・・・
    アウラさんには、似てる方だし・・・


    「別に、深い理由は無いよ。
     まあ・・・俺自身・・・姓があったって事を・・・忘れていたって所かな?」
    フェーザさんは、そう言って、ニパッと笑った。
    本当に・・・この人とアイツって・・・兄弟なの?


    フェーザさんは、ロブソン村で会った時も思ったけど、すごく気さくな人だった。
    アウラさんによると、彼の性格はお母さん譲りらしい。
    でも、外見はお父さん似なんだって。


    彼も王立アカデミーの卒業生で、卒業後は医者になった。
    そして、街を出て行った。
    色々な街を転々としていたらしいけど。


    「そろそろ、この街で落ち着く気になったの?」
    アウラさんが、ニッコリ笑って言った。
    「・・・あまり、待たせる訳にいかないしね・・・」
    あたしとシアにはよく分らない事を2人は言っていた。
    『待たせる』って・・・何?


    「あっ・・・そうだ、アウラさん。
     指輪の事ですけど・・・」
    「ああ・・・コレの話ね?」
    アウラさんは右手の指輪をあたしに見せて言った。
    「ねぇ・・・フェーザ。
     貴方の指輪、今は何処にあるの?」
    「ルーシェに、あげたけど・・・」
    フェーザさんがそう言うと、アウラさんは、あたしに言った。
    「やっぱりね・・・解かった?・・・マリー?」
    ・・・話がサッパリ見えない・・・


    「つまりね・・・指輪は3個あるの。
     3人の子供に1個ずつね。
     1個は、娘の私自身の物。
     残り2個は、息子達の妻の物って事なの」
    「その・・・1個をルシェッタさんが持っているって事は・・・」
    あたしは、もう1つの事実を知って、愕然とした。


    ルシェッタさんの想い人は、フェーザさんだった・・・


    アイツにとって、ルシェッタさんは、近くて遠い女性だったんだ・・・
    一生係わり続ける女(ひと)・・・
    でも、想いを寄せてはいけない女(ひと)
      

                         

つづく

           


中書き

       もう1つの真実解明編です。
       なんか・・・暗くなってきました・・・
       もうチョット続きます。

 

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