立ち上がりは上々だった。
昼となり熱い日差しとなった太陽すらも物ともしない支配感が体を駆け巡る。
同時にゲームをも支配しているのも否定できないところではあることをつまらなく感じていた。

3−0

サッカー部所属の人間がいない所詮素人の試合とは言えここまで圧勝しているのはつまらないものだった。

戦とは負け戦だからこそおもしろい。

何かのマンガでだったか読んだものに書いてあったものを思い出す。
俺は全く持ってその通りだと思い今でも覚えている。

じょにーを司令塔ととしての俺達のチームは確実に高レベルな水準で成り立っていた。
俺は遊撃部隊としてそこらへんを巡回していた。
むしろ要らんことばっかしていたような気もしないでもない。
相手チームの知り合いに話し掛けてたりもしてたな。
まあ、暇になるとボールを奪ってキープして遊んでたりもしてた。
まあ、敵チームもそれをわかっているらしく適当感がすこぶる感じられる。
準決勝に行くまではこのまま暇なゲームが続くだろう。例え上級生の3年が相手でも。
今の試合和気あいあいとやっている。

「5−0で2-3の勝ち。礼。」

試合終了。追加点も入れて上々な俺達はそのまま勝利を収める。
ちなみにキーパーは最初から最後まで寝ていたらしい。さすがだ。
まあ、必要になったら察知して動くだろ。勘は嫌味なぐらい鋭いからな。

午後の試合もこれで終了。今からは帰ろうが何しようが特にOK。

去年はマスク装備で違うチームの試合に乗り込んだっけ。懐かしいなあ。病院行きが10人ほどいたからな。
そのあといろんなやつらから死に物狂いで逃げたっけ。
問題なのは陸上部のやつらがいた場合だ。あれは部活ぐるみで酔狂なやつらの集まりだ。
こんな余興に進んで身を投じるやつらばかりだからな。
ってことで最後まで追いかけてきやがった陸上部の期待のホープの小酒井一樹はやばいな。
おもしろいという理由だけでその凡人離れした陸上の能力を発揮しやがった。しかも新記録を更新したらしい、そのとき。まあ、そのスピードから逃げ切った俺もやばいっちゃあやばいのだが。基本のバナナを駆使した立派な逃避だった・・・・・・

「やったじゃない紫貴ちゃん。まずは一勝ね。」

そういやこいつも追いかけて来たっけ、その時・・・・・・・こいつは一番やっかいだった。単純なスピードだけで追いかけてこない分厄介さが増している。ところどころにトラップがしかけられていた。というか何故トラップがあったのかが謎だったため聞いてみたところ、彼女曰く、「やあね、あの程度のトラップなら家の近所にはいくらでも仕掛けてあるわよ」とのこと。ってことで彼女の家にだけは遊びに行くのだけは止めておこうと心に誓ったのだった。

まあ、そんなことはどうだっていい。

「まあ、準決勝までは適当をモットーだからな。」

「ふふん、そんなこと言ってるとそのうち足元すくわれるわよ。」

「まあ、何とかなるだろ。」

夜霞との話も終わり。
ということで恒例のマスク装備で乱入を計画することにした。今回はじょにーも連れて行くことになった。
夜霞はそれに気付いているらしく、化学室に行って来るわ〜、と言って軽快な歩みで化学室へと向かっていった。
殺人事件だけは起こすなよ。まあ、起きたら起きたで死亡するのは俺とじょにーとのどちらかなのだろうけどれども。悪ければ両方。
・・・・・しゃれで済まん気がしてきた。

誰もいない教室の一角でマスクを着用していろいろと準備をする。いや、特に準備するようなこともないのだが、なんとなく雰囲気でこうなった。

「なあ、紫貴よ。本気でするのか?」

「なんだ、じょにーよ。びびったのか?」

「なんつうかさ、やっぱ知らない人間を襲撃するのは気が引けるんだよ。」

こいつは昔からこういう感じだ。他人を思ういいやt・・・・・・

「ってことでさ、この次の次のサッカーの試合に2年8組の試合があるからそれ襲撃しようぜ。あいつらは昔からいけ好かんやつらの集まりだからな。」

それでこそマイフレンドだ。

それにしてもさっきから外が騒がしい。何かすごい試合でもやってるのかな?
ってことで窓からグラウンドを覗き見る。

するとそこにはマスク姿のやつらがサッカーの試合に乱入していた。遠目でどんなマスクまでかはわからないが、どうも俺とじょにーがするマスクとは被っていなさそうだから一安心。

「なんと、マスクマンがあそこにも。」

これは一大事だ。まさか他のやつらもやろうとしていたとは・・・・・
何が一大事かだって?んなもんこういうことはやっぱ一番乗りにしないと。先を越されてはおもしろみが半減する。

「じょにー!俺らも便乗して乱入するぞ!!」

「おうよ!!」

そう言ってマスクを着用した状態で廊下を駆け出すバカ二人だった。

ところ変わってグラウンド。
ざわめき一杯マスク一杯のサッカーゴールが一際輝くグラウンド。もっと輝くのは教師の頭だがそれは禁句。

「テメエら、マスクども!何勝手に乱入してんだ!いてまうぞ、コラァ!!」

「ふぉっふぉっふぉっふぉ、技術も無ければ頭脳もない諸君に代わって我々がこの地を占拠した。」

マスクチームのリーダーらしき人物と元の試合をしていた方のリーダー格っぽい人(どっちのチームのかは不明)が討論していた。

「マテマテマテマテマテー!!!」

グラウンドに全速力で駆け込みそこにまた俺らも乱入する。
全員が呆れ顔比が30%ほど増量したのは言うまでもないだろう。
特に審判の顔は酷かった。あれは前にも見た。確か胃潰瘍になった教師も同じような顔をしてたなあ。

「くそ、また新手か!これで9人目じゃねえか・・・・・・」

マスクじゃない方のチームのリーダー格の人間は心底やるせない顔をしていた。まあ、がんばれ、これから胃が痛くなるほどに苦しむこととになるだろう。
それにしてもどうやら俺らの他にあと7人ほどいたらしい。
揃いも揃って暇人どもめ。

「ふぉっふぉっふぉ、また新たな信者が来た様だのお。どうだ、人数も結構集まったわけだし、サッカーで決着を付けると言う事は。」

何かは知らんが話が進んでいく。まあ、後から来た新参者なわけだからして文句は言えんのだが。
サッカーで勝負をするということで話が決まり、一応見知らぬマスク7人とご対面となった。

「なあ、なんであんたらはマスク付けて襲撃することにしたんだ?」

まあ、一応サッカーの試合をするとかそういうことはおいて置いて根本的なことを質問する。

「え?なんでってそりゃ暇だからに決まってるだろ。」

「自分のチームの試合終わったしなぁ、やることないからかな。」

まあ、考えることはどこも同じだった。

「で、一応サッカーの試合することになったわけだし。一応配置決めとこうぜ。知らんやつばっかだから誰がどこ得意とか知らんし。」

さっきまでリーダー格っぽかった人が話を進める。
というかちょっとまて、知らんやつばっかりですと?

「えと、あんたら全員知り合いじゃないのか?」

「んなわけなかろう。まず俺が乱入したあと、数回2〜3人ずつくらいまとまって乱入してきてな、それが今じゃこの人数になったというわけだ。」

顔を見ますと や、どうも と言いながらマスク集が挨拶してくる。
というかここまで集まるのも珍しいものだよな。仲間うちでやってんじゃないのにこの人数が同じ時間帯のこの試合に乱入するとは。いやはや人間のフィーリング力も馬鹿にできるもんじゃないな、無駄に。

まあ、一応適当に自分の得意そうな場所を順に教えあいつつ配置が決まった。

細かい配列は無しとして大まかなものだけを決めることにした。
お互い見知らぬということもあり、2〜3人を1分隊と決め、チームの攻守を考えて前に出たり後ろに下がったりするとこにした。まあ、基本は気にせず攻めろらしい。

ちなみに公表しておく。コードネームとは一応本名で呼び合うのもまずいから一応呼び合うために考えとこうということで適当に決めたものだ。

リーダー格のバルタン星人のマスクをしたのが一応後方の司令塔、平均して高バランスに仕上がっている体はかなりのものだろう。ジャージの色からするに3年生だろう。コードネームはバルタン隊長。

リーダー格の友人というやつがディフェンス、ちなみにだいぶマッチョ、ジャージの上からでもすごいわかるほどのマッチョさ。たぶん兄貴と言われて慕われているのだろうなあ、ジャージの色からするに3年生だろう。コードネームは兄貴、そのまんまだな。

次に妙に細い体で仮面ライダー1号のマスクをしたのがミドルフォワード、足の筋肉が異常発達しているため、足の速さはすごいものだろう。ジャージの色からして2年。あの足は見たことがある。俺の勘があたっているなら彼は陸上部のエースの小酒井一樹君だろう。彼ならかなり期待できる。コードネームはキャシャ坊。下半身だけみるとそうでもないのだが、上半身だけ見るとどうもな。

その友人でまあ、普通体型の仮面ライダー2号のマスクをしたやつもミドルフォワード、ちなみに一見見ただけではわからないだろうがすごい肩をしている、彼にショルダータックルでもされたら普通は吹っ飛ぶだろうな。たぶん小酒井の陸上仲間だろう。コードネームはユリゲラー。バルタン隊長曰く、微妙に似てるからとのこと。顔じゃなくて雰囲気がね。

すでにKPグローブをしているちょっとオレンジのいかにもテロリストがしてそうなマスクを被っている彼はもちろんキーパーだ。ジャージの色からして3年。特に目を見張るものはないがキーパーとしての自信があるのならば読みの速さはすごいのだろう(勘 コードネームはテロラー。マスクがそれっぽいから同意した俺。

フォワードとなったのは俺、マスクはもちろんタイガーマスクに決まっていよう。やっぱかっこよさにも凝らないとな。ということでコードネームはもちろんタイガー。

同じくフォワードとなったのがじょにーこと武田晋鯨。ちなみにクラス男子でこいつの本名を言えるのは俺だけだ。まあ、でうでもいいことなのだが。コードネームでジョイ。俺が間違ってじょにーと呼んでしまった時に誤魔化しで言ったのがこのコードネームだ。まあ、がんばれ油汚れ取り。

遊撃部隊と言うか、まあ特にどこでも言いと言われたのが猫の被り物をして、ジャージの上に白衣を着ている異様な人間。というか良く見ればわかるが胸がある。いや、そういう意味ではなくて、女性と決定ずけれるほどの胸だった。まあ、戦力としては俺個人の意見で言うとそう期待できたものではない、女子だし。ちなみに傍を通った瞬間どことなく慣れ親しんだ匂いがしたのが気になる。知り合いなら声で判断できるのだが、彼女はまだ一度も俺の前でしゃべっていない。むう、そこまで誰かにばれるのが怖いのだろうか。コードネームは白衣。服装からそのまんま取っただけである。

最後の一人は猫の被り物の友達らしい。ちなみにこっちは猫の被り物三毛猫バージョンである。彼女も同様に遊撃部隊らしい。まあ、部隊って言うのだから一人と言うのもあれだしな。ちなみにめっちゃ普通的な体格である。なんつうか白衣はまだなんか白衣だから何か隠し武器でもありそうだが、この子は本気でバンビーの匂いがぷんぷんするぜ。ちなみにコードネームは普通っ子。そのままです、はい。

この9人での試合である。普通は11人なのだろうけれどこの学校のスポーツ大会では9人制になっている、なんでかは知らん。おそらくはクラスの人数の調整のためだろう。
と言うことで9対9で勝負をすると思った矢先、バルタンリーダーからの通告で俺は軽い呆れ感と目眩を覚えた。

「あー、そうそう、こっちは9人だけど向こうは18人だからね、みんな2人分ほどがんばれ。」

「は?」

「いや、だから、普通に考えて乱入したせいで2チームに喧嘩売ったわけだから2チームとも相手にするのが礼儀だろう。」

とかなんとかバルタンリーダーの礼儀についてのうんちくを胡散臭そうに聞きながら、敵チームの18人を無駄に睨みながら開始の合図を待つことにした。