聖なる泉





なまぬるい・・・ 水の感触を肌で感じる
慣れた感触・・・ もう縁のない感触
思い出の感触・・・ 感傷

すでにユウナにさよならを言ってから
それぐらいたっただろう  一日は過ぎてるかな
あいまいな記憶が また自分を不安に落としこめてゆく


あいまいな記憶 甘い記憶 苦い記憶 哀しい記憶。


今ごろ何してるだろう ユウナ
また 寝坊してるかな
寝癖とかついちゃっててさ しょうがないなぁって感じで
また皆に謝ってるんだろうな


また会いたいなんて 夢物語でしかないかな
それもそうだ 俺は「夢」なんだから
遠い記憶の 住人だから


現実と交わろうとすること自体 間違ってたんだ
これでよかったのかもしれない




それでいいの?






誰かの声  心に深く 突き刺さる 


-谺する-


それはいつも心の中にあったこと
本当に俺は これで満足なのか
自分でもわからない 自分が何を考えているのかを
これでいい これでよくない



後悔だけは絶対にしないで




これだけは言える
これだけは確かなんだ
”Listen To My Story. It Might Be The Last Chance.”

ユウナにもう一度あいたい
会って、この腕でもう一度抱きしめたい
夢である自分が 情けなく思えてくる

生ぬるい 水の感触が 癇に障る
払いのけよう できない 運命

なんてかなしいことなんだろう
運命にとらわれるなんて なんて 哀しいことだろう

ユウナ、ユウナも賛成してくれるよな?

ユウナ、会いたいよ

−運命− きれない鎖
歯車は回り続ける


夢は現実と交わっちゃいけないんだ
所詮夢は夢でしかないんだ
夢は、夢で居続ける


生温い 水をかきわける
手にしっくり来る感触  心地よい感触
ユウナとは お別れになる
ありがとう ユウナ たくさんのものをくれた人

かけがえのない人

もし願えるのだったら 違う形で会いたかったよ


自然に顔に笑みが浮かんでくる
歓喜の笑み?  妥協の笑み?
涙がつたう  自分以外気づいてないだろうな
水面が見えてくる ユウナ、お別れだ




見覚えのある風景だった




淡い青 濃い青 哀しい青 やさしい青 
見覚えのある 泉
見覚えのある 顔
見覚えのある 人 -ユウナ-


「・・・・っ」
声にならない 叫び 
歓喜の叫び?   愛の叫び?   哀愁の叫び?


「きみは、ここにいるよ」


涙ぐんだ声が 聞こえる ないてるの?
頬を伝う涙を そっと 見つめる

「ユウナ・・・」 涙ぐむ顔が目に映る
「君は、ここにいるよ、 夢なんかじゃない」
「さよならなんて かなしいこといわないで」
「生きていれば いつかかな・・・らず 必ず・・会え・るよっ・・」
声が詰まる 満たされてゆく

ユウナの声をさえぎる

このままだと 壊れてしまうような気がして

きつく抱きしめた  二度とはなれないように
肌で感じる水の感触   心地よい感触
あのときと同じ  やさしい感触

 聖なる泉で よみがえる

 遠いかなたの記憶 かけめぐる
 ・・・泉の中へ・・・


go back~