「物事には順序と言うものがあるだろ」
俺は、やや呆れ気味に言った。
「だから、お金は払うから、絶対に」
俺の前にいる少年は、そう言った。
髪の毛は、約80%が茶髪をしめ、残りの約20%は金髪がしめている。
身長は、170cm前後で、目は茶色に近い色をしている。
「明日の話しだろ?今払ってくれないとダメなんだってば」
俺は、少年にそう言い返す。
そして、この少年の名は、加賀見 功祐(かがみ こうすけ)。
ただいまこの少年と口論中である。
「これを寄付してくれたあいつにも聞かないと。
第一、このメダロットは売れないの。
売れたとしても、貴重品だから100万はするんだぞ!」
俺は、貴重品、と、100万、にアクセントを置いてそう言った。
「俺だって、そんなに安いとは思ってない。予算は200万程度ある」
功祐は迷わずそう言った、どこからそんな大金が出てくるんだ・・
まったく、今日はついてない・・・はぁ。
功祐と口論になっている原因のメダロットは、あれだ,
「グランビートル」、クラスターの戦いから約6年あまりが経った今でも、傷一つ、ほこり一つつくことなく、飾られている。
透明で、特殊なケースに入っているためである。
クラスターとの戦いの後、霞が寄付してくれたらしい。
ついてない、と言うのも、つい最近、と言うか昨日、やっとこの店、「メダロット専門店・グランドクロス」の正社員になれたばかりなのだ。
店長はヒカルさんだ、この店の名前は誰が付けたかはわからないが・・・・。
この店は朝8時から営業である、時給ではない、月給だ。
開店早々、ヒカルさんは、「いいんだよ、特にする事無いしね」
と言いながら、仕事で出かけて行ってしまった。
する事無いのか?仕事なのに?と思いつつ見送った。
その直後だった、功祐が入ってきたのは。
功祐はいきなり、驚くべき事を口にする
「あそこに飾ってあるグランビートル売って欲しいんですけど」
「!?」
俺は、開いた口がふさがらなかった。
今だかつて、あのグランビートルを売ってくれ、などと言ったのは功祐が初めてだったからだ。
しかも、よりにもよって俺に言うとは・・・・・。
ちなみに俺は昨日までこの店でアルバイトをしていた。
今日が、正社員になってからの初仕事。気合を入れて、楽しく仕事をする・・はずだった。
しかし、功祐の登場により、そんな楽しい気分が台無しになってしまった。
すぐに諦めてくれればいいのだが、なかなか諦めない。
言い合いをしているうちに、段々俺も疲れてきた。
だからと言って、俺の独断で、売ってしまうわけにもいかない。
こうなれば最後の手段だ。
「ちょっと、待ってろ」
と言い残し、俺は店の奥へ入っていった。
のども乾き、声もかれている。
俺は咳払いをし、電話をかけた。
電話をかけ終わり、店の奥から出てきた俺は、功祐に、
「もう少ししたら俺の友人が来る、それまで待ってろ」
と言った。
―10分後―
「まだ来ないのか・・・」
功祐がそう言った瞬間、ドアが開く、俺は
「来たぞ」
と言い、ドアのほうに視線を移す。
功祐もそちらのほうを見る。
功祐は目を丸くして驚いていた。
誰が来るか言ってなかったな・・・
・・俺はそうつぶやく。
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