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風が止んだ

優しき風が

乗るべきそれを無くし

私はただ地面へと降り立つ


理由は判っている

私はいつも見ていたから

私は知っている

逃れる事などできなかった事を


だから私はいつも見てきた

遠く下で起きる事々を

そして見ることしかしなかった

いかなる事々が起こったとしても


焼け野原の大地を踏み締め

私はただそれを眺める


崩れ去った城壁

止まったままの風車

蹂躙された田畑

血の滲んだ衣服


すべてが終わった場所


これが現実だ

誇りの名の下に戦った者達の終わり


これが現実なのだ

誇りの名の下に戦った者達の始まり


終わりは終幕でなく

それは始まりへのまず一歩


変わらなければいけなかったこの場所に

その一歩を創り出した戦い


感謝はしない

嘆きもしない

怒りもしない

ただ無視もしない


だからこの地の民が

今度もまた誇りを失おうとするならば


その時こそ大いに示そう


私の嘆きを

私の怒りを


国を守る為に振るったこの両腕を

共に守ると誓った同胞に向ける事になろうとも


風が再び

これが優しき風である事を祈り


私は乗ろう再び

この地を静観する為に


そして誓おう

誇りを護るためならば

地に降りる事もまた

厭わない






流風