Clown's tears
わたしは小さな道化です

この大きなテントにたった独りの道化です

たった独りで踊ります


さあ

楽しんで下さい

笑って下さい

泣き止んで下さい

指差して下さい

わたしを見て下さい

わたしがわたしで在る為に


お父さんはやさしい人

お母さんはやさしい人

だからわたしは道化


お友達はやさしい人

先生達もやさしい人

だからわたしは道化


わたしの笑顔を見て下さい

それがわたしのすべてです

あなたがわたしに望むなら

誰かがわたしに望むなら


わたしは精一杯の笑顔を造りましょう

あなたのそんな笑顔が見れるなら

誰かのそんな笑顔が見れるなら

わたしは精一杯の笑顔を造ります


この何も無いキャンパスに筆を下ろします

真っ赤な唇はまるで血の色

それはわたしの怒りです

きつく噛んだ唇に滲んだその味を覚えてます

醜く歪んでほら笑顔


左の頬に輝く青い宝石

それはわたしの涙です

誰かに気付いて貰いたくてそっと密かに残したの

左右に歪んでほら笑顔


気付いてくれない悲しみに

それでもわたしは笑顔です

歪んだ笑顔のその目から熱い何かが流れます


熱い何かはとどまらず

赤い絵の具も青い絵の具も黄色い絵の具も緑の絵の具も

残らず綺麗に洗い流します


驚くみんなの視線から

隠す様に覆ったわたしの手に固い何かが触れました

それは小さな青い宝石

隠し続けたわたしのすべて


不意に落ちた最後の雫

青い宝石に波紋を残します

やさしい光に包まれて

手に残ったのは小さな手鏡


覗き込んだわたしの顔は

思った通りの白紙です

鏡面に反すのは何も変わらないわたしの顔

それは寂しい虚無の顔


何も変わっていないなら

何かを変えればいいんです


昔誰かに言われた言葉を思い出しました


だからわたしは変えてみます

白紙のキャンパスを破り取り

そして見つけた


たった独りのわたし


さあ

一緒に

踊ろう?


わたしがみんなと笑顔で在る為に

わたしがわたしで在る為に






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