大艦巨砲への誘い

役に立たない研究所・主任研究員
虎狼


1.緒言

ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの出現はその威力、姿共に我々を大いに驚かせた。
しかし、巨大さ故の欠点も目立った。本研究はその問題点の解決を目指す。


2.主砲比較

ここでは、実在や他作品(機動戦士ガンダム、機動戦士ガンダム0083、新旭日の艦隊、鋼鉄の咆哮)
の巨砲と比較したものを下表に示す。なお、口径はcm、射程はkmに統一した。
1浬=1.8kmとし、1stは機動戦士ガンダムを指す。
デススティンガーのみ、副砲である。

表1.主砲性能比較

機種 名称 主砲 門数 射程 国籍 作品
超弩級旗艦 ウルトラザウルス
・ザ・デストロイヤー
120cmウルトラ
キャノン
単装2基(2門) 100km へリック
共和国
ゾイド(バトスト)
巨大戦艦 ナハト・ シュトラール 100cm45口径 単装1基(1門) 63km テュランヌス 鋼鉄の咆哮(PS2)
真・
オーガノイド
デススティンガー 93cm衝撃砲 連装1基(2門) 不明 ガイロス帝国 ゾイド(バトスト)
列車砲 ドーラ 80cm36口径 単装1基(1門) 47km ドイツ 実在
重MS ザメル 68cmカノン砲 単装1基(1門) 不明 ジオン公国 0083
強襲揚陸艦 ホワイトベース 58cm火薬砲 連装1基(2門) 不明 地球連邦 1st
超戦艦 日本武尊 51cm45口径 3連装2基(6門) 51km 後世日本 旭日の艦隊
戦艦 H44 50.8cm 連装4基(8門) 不明 ドイツ 実在の計画
巨大輸送機 ホエールキング
・ザ・グレート
50cm60口径
50cmアデン砲
50cm速射
DEFA砲
連装4基
不明
不明
不明
不明
不明
個人所有 ゾイド/0
戦艦 大和 46cm45口径 3連装3基(9門) 42km 日本 実在
高々度
研究計画
HARP砲 42cm86.7口径 連装1基(2門) 高度180km アメリカ
合衆国
実在(研究用)
重MS ドム 36cm
ジャイアントバズ
単装1基(1門) 不明 ジオン公国 1st
超弩級旗艦 ウルトラザウルス 36cmウルトラ
キャノン砲
連装2基(4門) 不明 へリック共和国 旧ゾイド
要塞戦艦 フェルゼン
(漫画版)
28cm180口径
ゲルマン砲
単装2基(2門) 250km 後世ドイツ 新旭日の艦隊
自走砲 自走203mm榴弾砲 20.3cm榴弾砲 単装1基(1門) 21.3km 日本 実在
潜水巡洋艦 スルクフ 20.3cm50口径 連装1基(2門) 31km フランス 実在
試作MS ガンタンク 12cm低反動
キャノン砲
単装2基(2門) 260km 地球連邦 1st
突撃ゾイド ディバイソン 10.5cm突撃砲 17門 不明 へリック共和国 ゾイド(バトスト)

む、無茶苦茶だ・・・。

こんなバケモンの砲撃を食らってガイロス帝国が敗れるのは当然である。
私が驚いたのはガンタンクである。260kmといえば、室戸岬から北に射撃すると、讃岐山脈・瀬戸 内海・
津山盆地・中国山地を飛び越え、鳥取砂丘沿岸に着弾する事を示している。GMよりもガンタンクを
量産すれば連邦は圧勝出来ただろう。ついでに下半身をガンダムと交換すれば、射撃地点を速やかに
変える事が出来る。これは砲戦の基本だ。残ったガンダムの上半身とガンタンクの下半身はどうするか?
当然、合体である。格闘に必要なのは下半身の安定だ。よってMSに格闘性能を与えるならば、
安定な戦車型がベストである。
ふぉふぉふぉふぉふぉ、勝てるぞ地球連邦軍!(筆者は酸素欠乏症気味です)


3.欠点の追求

脇道にそれたが、面白い結果となった。さて、ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの欠点であるが、
それは「砲が一軸固定」であると、ゾイドタウンで指摘されていた。この欠点は通常装備のウルトラザウルス
にも当てはまる。他の砲は、砲搭に収めてあったり、列車砲だったり、
(ナハト・シュトラールとフェルゼン。余談だが、100cm45口径砲や巨大航空戦艦ムスペルへイムのデザイン
(小説版フェルゼンに酷似)といい、パソコン版のストーリーといい、鋼鉄の咆哮はかなり艦隊シリーズの影響を
受けている)
ちゃんと固定(MS)している。もっとも、ザメルは折り畳み砲が射撃に耐えられるかが疑問だが。それでも、
ザメルは射撃時は停止していたのに、ドムは思いっきりホバー走行しながら射撃していた。これでは、熱核
ジェットの推力とバズの反動により、胸のあたりを回転軸にひっくり返るだろう。パイロットには受け身の
特訓をして頂きたい。

読者諸兄にあっては、ザメルより接地面積の小さいガンタンクもひっくり返るのでは、とお考えの方も
多いだろう。しかし、下半身ガンダムのガンタンク・ガンタンクダムは四つん這い、つまり
ガンキャノンメモリアルアクションポーズを取る事で安定した射撃が可能となるのだ!
見たかジオンめ、ガンタンクはまだまだ使えるぞ!(筆者は酸素欠乏症です)

失礼しました、ゾイドに戻ろう。507tの機体が発射に耐えられるかどうかはこの際無視して、一軸固定では
ウルトラキャノンは軸がへし折れ、デストロイド・ゴジュラスを直撃するだろう。こんなモンで殴られたら
ゴジュラスと云えどもたまるまい。しかも、周りのカノントータスやディバイソンに被害が及ぶ危険が極めて
大である。早急に改善せねばなるまい。


3.考察

欠点が多いとはいえ、1200mmウルトラキャノンはSF史上に残る名砲である。なんとか射撃可能に したい。
そこで、フェルゼンをヒントに解決を図る。すなわち、1200mmウルトラキャノン一門搭載の陸上砲艦
を造るのだ。こうする事で思わぬ利点が生まれる。すなわち、砲の安定による命中率アップ、自動装填装置や
予備砲弾の搭載による次弾発射速度の短縮である。さて、この陸上砲艦をどの様に搭載するか、
私は3つの案を考えた。

3-1.フェルゼン案

私にヒントを与えてくれたフェルゼンをゾイドで再現するのだ。フェルゼンの構造を下に示す。

フェルゼン模式図

(図1)フェルゼンの構造(赤:中央船、青:外郭船)

つまり、中央船をウルトラザウルス、外郭船をゴルドスにして、ゴルドスの上に甲板を設置し、その 上に
陸上砲艦を置くのだ。しかし、私は根本的な欠陥に気づいてしまった。フェルゼンそのものの欠陥 である。

やや遅れたが、フェルゼンについて説明しよう。この戦艦は7隻の別々の戦艦が合体したもので ある。
合体・分離が可能な事で

(1)造船所の新築が不要
(2)構造の簡易化による建造期間の短縮
(3)スエズ運河の通行
(4)ゲルマン砲の搭載
(5)対空・対艦防御力の強化・被弾時の戦闘能力の維持

といったメリットを持たせたものである。この戦艦は潜水戦艦・新日本武尊に真下から浮上されての零距離射撃
を浴び、38cm47口径副砲(!)で一矢報いたものの有翼噴進弾の自由落下攻撃を受け敗れてしまった。

当然ウルトラザウルス・デア・フェルゼン(便宜上、こう呼ぶ)も地中からの奇襲にはもろいだろう。
また、スピードも遅くなる。
しかし、それ以外の弱点もある。フェルゼンの構造をよく見て頂きたい。合体時にこそ重量が分散されて いるが、
分離時には甲板のほとんどを中央船が支える事が分かるだろう。
(筆者註:分離時のフェルゼンは劇中に登場せず)
これでは、ウルトラザウルスの負担は重くなる。しかも、ウルトラキャノンを陸上砲艦化したことで重量は
増している。まさに踏んだり蹴ったりだ。これ以上ウルトラザウルスを痛め付けるのは忍びないので
本案は廃棄する。

3-2.列車砲案

フェルゼンの主砲・ゲルマン砲は列車砲である。ゴルドスとの合体のような面倒な事はせず、牽引すれば
いいのではないのか。つまり、ウルトラザウルスが2輌の陸上砲艦を牽引、砲撃時は分離するのである。

構造は簡易だが、たった1機しか配備されていないウルトラザウルスを荷車引きに使うなど、
「良い猟犬に犬橇を曳かせるようなもの(旭日の艦隊 後世欧州戦史1より引用)」
である。だいたい、牽引作業に最も向いているのはグスタフである。だが、グスタフが牽引しても、肝心の
砲撃時に分離しては「グスタフが砲撃した」のではなく、「陸上砲艦が砲撃した」事になってしまう。
私としては、ウルトラザウルスあってこそのウルトラキャノンであって欲しいので、涙を飲んで本案も却下する。

3-3.子連れ狼だんじり案

本案のメリットを先に説明しよう。

(1)スピードアップ(微々たるものだが)
(2)旋回性能の上昇
(3)奇襲時の白兵戦性能の上昇

である。

まず、陸上砲艦に21連装砲と槍、ゴジュラス用の持ち手とグスタフ用連結器、ゴドス用の牽引ロープを取り付ける。
そして、ウルトラザウルスの両舷に陸上砲艦を接続、陸上砲艦の前部にグスタフを連結、デストロイド・ゴジュラス
は持ち手を持って乳母車のように陸上砲艦を押し、ゴドスは陸上砲艦1輌につき3〜5機がロープを引っ張るのだ。
ガンスナイパーを使用しないのは、オーガノイドシステムが単調な仕事に耐え切れず暴走する危険性が無いとは
言い切れないからだ。
さらに雰囲気を盛り上げたい時は、「砲を貸し腕を貸したてまつる」と書いた幟を陸上砲艦に取り付け、
プテラスが硝酸銀を散布し、「しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん」と人工雨を降らせるのだ。

冗談はこの辺にして、旋回の説明をしよう。面舵(右折)の時は、右舷のグスタフは後進をかけ、
ゴジュラスとゴドスは陸上砲艦を後ろに引っ張る。左舷は逆である。この旋回を実現するには、地球系の技術者が
「だんじりの引き廻し」を伝える必要があるだろう。
また、奇襲をうけても、ゴジュラスが槍を外して応戦したり、隠してある21連装砲を使うのだ。
(言い遅れたが、砲撃含む戦闘時はパニックを防ぐ為グスタフは分離する)
完璧だ、完璧の艦隊だ・・・。(筆者は完全な酸素欠乏症です)

失礼しました。本研究にあって私を最も驚かせたのは、ガンタンクの驚愕に値する性能である。
株式会社サンライズはこの性能に応えるべく、即刻「機動戦車ガンタンク」を制作し、名古屋テレビは
ゴールデンタイムで放映すべきだろう。テーマソングはこれだ!

  か・け・ぬ・け・ろ    かけぬけろ    駆け抜けろ
  ガンタンク
  砲よ  吠えろ
  まだ鋼鉄(くろがね)に光る  主砲があるなら
  彼方の敵を  撃てよ!撃てよ!撃てよ!
  垂直上昇  翔べよ  ガンタンク
 機動戦車ガンタンク  ガンタンク

ふぉふぉふぉふぉふぉ、
ガンタンクばんざ〜い!

ぐわぁらごわがきん!
(筆者が非常階段から転落した音)


4.結論

ガンタンクは
宇宙世紀最強である。


5.参考文献及び謝礼

本研究にあたり、下記の文献・サイトを参考にしました。謹んで感謝の意を表します。
また、一部のガンダム系サイトのURLが分かりませんでした。ここに紹介する事は出来ませんが、
感謝します。

・すてすてさん、すてすて堂
株式会社アルフレックス公式ホームページ
・封神龍DCSGJ仕様さん、Zoids town.com
・sokudumoさん、バンゲリング帝国復興計画
・木俣滋朗、「欧州海戦記(2)」、光人社
・荒巻義雄、「新旭日の艦隊(5)」、中央公論新社
・原作・荒巻義雄、作画・飯島祐輔、「新旭日の艦隊(4)(コミック)」、中央公論新社
・荒巻義雄編集、「旭日の艦隊 後世欧州戦史1」、中央公論社(当時)
・ガンダム占い制作委員会、「ガンダム占い」、ワニブックス
・イアン・カステロ=コルテス、マイケル・フェルドマン共編、大出健訳
「ギネスブック'97」、騎虎書房
・シブサワ・コウ監修「鋼鉄の咆哮〜ウォーシップコマンダー〜コンプリートガイド」、コーエー
・コロコロコミック特別編集「機獣新世紀ゾイド公式ファンブック2」、小学館
・田中友幸監修、川北紘一責任編集「ゴジラ大百科[新モスラ編]」、学習研究社
・週刊少年チャンピオン、秋田書店


6.付記

筆者は以前「分離時のフェルゼンは劇中に登場せず」と書いたが、「新旭日の艦隊(10)(コミック)」
にてフェルゼンの外郭船のみ4隻登場していた。(筆者註:10巻の発売日は本サイトの開設前だが、
筆者が10巻を入手したのは開設後6ヶ月たってからである)
残念ながら10巻におけるフェルゼン外郭船の任務はゲルマン砲による砲撃では無かったので中央船の
合体前の姿を確認する事は出来なかった。


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