帝国編・第一章前半
西方大陸戦役後の共和国機動部隊隊長・オオイシの消息は不明である。
だが、我々は意外な所でオオイシと再会する事になる・・・
帝国編第一章第一話・「始動」
ここは西方大陸における帝国軍の一大拠点・ニクシー基地。その病室では
オオイシ:
「う、うぅ〜ん・・・。あれ、ここは・・・?」
ガーデッシュ:
「気付いたかね、オオイシ君」
オオイシ:
「ふへ?」
ガーデッシュ:
「むぅ・・。どうかね、ドクター?」
軍医:
「ハッ。中尉殿には失礼でありますが、生きている方がおかしいですからねぇ・・・」
ガーデッシュ:
「そうか・・。いいかね、君は今度私を隊長として新設される特務部隊『キョクジツ隊』の隊員として
ゾイドと共にホエールキングで本国から来たんだ。その途中、ホエールキングが航法を誤ってな、
トライアングルダラスに迷い込んでしまった。何とか脱出できたが、君は意識不明、ゾイドはセイバー
タイガー、ヘルキャットと小型少々を残して消滅してしまった。代りにハイブリッドアーマーやら
リミテッドキットが入ったコンテナがあったがな・・・。
ドクター、回復までどの位かかる?」
軍医:
「身体機能に影響は無さそうですから、一週間って所でしょう」
ガーデッシュ:
「よし、一週間後に入隊テストを行う。それまでにコンディションを整えておきたまえ、
レイハルト=オオイシ中尉」
オオイシ:
「(レイハルト・・・? って事は、俺はレイハルトに転生したのか!?)」
そう、この世界(帝国編リプレイ)のオオイシはレイハルトなのである。一週間の間に帝国での生活に
慣れたオオイシはいよいよ入隊テストに臨む事となった。
基地の南の丘に、ガーデッシュのアイアンコングMk-IIが白球を握って立っている。
そして、基地の滑走路にオオイシのセイバータイガーがバットを咥えて構えていた。
ガーデッシュ:
「いいか、勝負は一球! 打ち返したら、合格だ!」
そういうと、コングは振りかぶった。もちろん、短足のコングがひっくり返らないように、
スラスターを吹かしながら。
そして、空気を切り裂く唸りと共に、超剛速球がニクシー基地に放たれた。
オオイシのセイバーはバットを咥えて疾った。回転するより、高速ゾイドの脚に頼ったの方がバットの
スピードが速いと考えたからだ。全身全霊の力を込め、セイバーはバントした。
白球は、見事な軌跡を描いて南の空へと消えていった・・。
ガーデッシュ:
「ううむ、ホームランとは・・・。お見事、中尉! 君をキョクジツ隊の隊員として認めよう!!」
こうして、めでたくオオイシはキョクジツ隊に迎えられたのであった。
さて、あのボールはどうなったのか? わずかに東に逸れながら南に飛んでいったバント球は、
東方大陸・アクア海・シード海を飛び越え、帝都ヴァルハラ・プロイツェン邸のお風呂を直撃した!
プロイツェン(素っ裸):
「な〜ぜ〜だ〜!!」
ハーディン:
「(赤面しつつ)えぇと、カメラカメラ・・・」
プロイツェン:
「ん? どああああああ!!(じゃっぽ〜ん)」
とまあ、コントが繰り広げられたのであった。
(註:第一話はゲームとほとんど関係ありません)
「過酷な道程だったが、我が隊には音を上げるような者は一人もいなかった。誇らしい限りである。
だが、これからの戦いは精鋭たる彼等にとっても厳しいものになるだろう。
我々、特務部隊は正規軍とは違う。
通常では不可能とされるような作戦を実行し、成功させなくてはならない部隊なのである。
失いたくないものだ。
・・・部下の、誰一人としてな。
貴公も気を付けてくれ。
共に、あの男の野望を阻止する日まで・・・」
と、ガーデッシュが友に宛てた手紙を書いているとノック音がした。
オオイシ:
「オオイシ中尉、入ります」
ガーデッシュ:
「おお、中尉か。初陣の獲物が決まったぞ。共和国の目となる電子戦ゾイド・ゴルドスだ」
オオイシ:
「ゴルドスですか・・・。撃破時の戦略的効果は大きいですが、戦術的には・・・」
ガーデッシュ:
「君の心配も無理はない。なにしろ、前作ではあのデスザウラーと互角に戦った機体だからな。
だが、機体に関しては心配は無用だ。謎のコンテナに入っていたブースターセットで君のセイバーを
グレートセイバーに改造した。ついでにキャノリーセットでモルガを自走砲タイプに改造しておいたよ。
パイロットの技量も我が特務部隊なら大丈夫だ。
では中尉、編成を考えたまえ」
しばらくして、オオイシは編成表を提出した。それを見て
ガーデッシュ:
「ふむ、ヘルキャットを外したか・・・。積載量を優先した訳だな。
よろしい、ではこの編成で行こう。その前に完熟訓練だ」
RANK C
モルガパイロット:
「いきなりマルダーの御出座しかよ!」
ゲルダー女性パイロット:
「でもラクショーね」
RANK B
モルガパイロット:
「シンカー登場か!」
RANK A
モルガパイロット:
「今度はシーパンツァーか!」
オオイシ:
「実は一番簡単だな」
さて、本番。
ゴルドスはミューズ森林地帯を移動中だった。
ガーデッシュ:
「諸君、あれが本作戦の標的、ゴルドスである!
これより我等キョクジツ隊はかのゴルドスを強襲し、撃破する!!
私も諸君と肩を並べて戦い、共に任務を果たそう!
ガイロスの誇りと共に!
いざ、突撃!!」
オオイシ:
「・・の前に煙幕展開!」
ガーデッシュ:
「こらこら、場を盛り下げるんじゃない!」
オオイシ:
「失礼しました。ならば、そのお詫びに敵部隊を独力で撃破してご覧に入れましょう。
大尉の仕事はMAP兵器一発で済むでしょう」
ガーデッシュ:
「ほぉ、ならばお手並み拝見といこうか」
機体性能も手伝い、オオイシの言った通りガーデッシュのアイアンコングMk-IIの手を借りる事なく
呆気無く任務を完遂した。
オオイシ:
「本日の回収品は大量のシェルアーマーと、ガリウスからはリザレクションキットか。
毎度あり〜」
ガーデッシュ:
「見事だ!
見よ、敵ゾイド陥落せり!!
それでは撤退する。良いな、勇姿諸君?」
モルガパイロット:
「隊長、清酒『がるたいがあ』を一杯呑らないのですか?」
ガーデッシュ:
「本来ならそうしたいが、そうもいかぬ。
共和国の増援が辿り着く前に、この地を離れねばならぬからな。
総員、この区域を離脱するッ! 我に続けぃ!!」
ガーデッシュ:
「オオイシ中尉、先の戦いにおける貴公の戦い、まことに見事であったな」
オオイシ:
「恐れ入ります」
ガーデッシュ:
「ゾイド乗りだけでなく、指揮官としても優れた素質・・・。もし、私が倒れた時は間違い無く君が
隊長となるだろうな。本当に頼もしい限りだ」
オオイシ:
「縁起でも無い事を言わないで下さい!」
ガーデッシュ:
「ハッハッハ。『もし』だ『もし』。私とてそう簡単にくたばるつもり等無い。
そうだな、貴公を我が隊の副官に任命しよう。
いざという時には、また頼む・・・」
そこへゲーター通信兵が血相を変えてガーデッシュのテントに飛び込んできた。
ゲーター通信兵:
「隊長殿ッ!た、大変であります・・!!」
ガーデッシュ:
「どうした、貴公。落ち着いて説明せよ」
ゲーター通信兵:
「も、申し訳ありません! 共和国軍の追撃部隊が現われました!
アレキサンドルの山々にてその機影を確認しました!」
ガーデッシュ:
「なんと・・・! 流石共和国、一筋縄ではいかぬか・・・。
全軍に警報! 敵襲に備えよ!
オオイシ中尉も頼む。先の戦いのように、私を補佐してくれ」
オオイシ:
「諒解!」
ガーデッシュ:
「で、何故イグアンを捕獲用に?」
オオイシ:
「ふっふっふっ・・・」
その答えは後程。
共和国軍は三方からキョクジツ隊を包囲していた。
ガーデッシュ:
「なんと、報告を遥かに上回る大戦力か・・・。
ここは脱出を最優先とする! 中尉、貴公が突破口を開け」
オオイシ:
「敵戦力の薄いのは・・エレファンタス隊ですな。隊長殿は!?」
ガーデッシュ:
「貴公らが脱出するまで、踏みとどまる。なに、適当なところで脱出するゆえ、心配には及ばぬ」
ヘルキャット兵:
「オオイシ中尉・・・」
オオイシ:
「ああ、あんな立派な方を見捨ててはおけん。君とイグアンでエレファンタス隊を叩け。
俺とモルガで北の航空戦隊を撤退させて、少しでも隊長をサポートする!」
と、命じたもののオオイシは不安だった。ヘルキャットとイグアンが相手取るのはゴドス一機と
エレファンタス数機。旧大戦ではゴジュラス二機に匹敵すると言っても過言では無い戦力だ。
だが、ヘルキャットがゴドス一機とエレファンタス二機をアッサリ葬ってしまった。
相も変わらず性能の悪いヘルキャットにとっては大金星である。
一方、ガーデッシュのアイアンコングMK-IIはコマンドウルフ二機を返り討ちにし、オオイシの
グレートセイバーもプテラスを撃墜して航空戦隊を撤退させた。
その時、敵のカノントータス三機がアイアンコングとは逆の山岳地帯に向かって移動し始めた。
ガーデッシュ:
「どぉした、怖じ気づいたか?」
オオイシ:
「あのぉ、こっちに向かっているのですが・・・」
ガーデッシュ:
「あれまぁ。ならば貴公の腕前、とくと見せてもらうぞ!」
カノントータスの主砲を鮮やかにかわし、オオイシのグレートがその牙を突き刺す。
見事、三機を料理したのだった。
ガーデッシュ:
「よし、そろそろ頃合いか。さらば、共和国の諸君!」
共和国脱出パイロット:
「全滅させておいてんな事言うな・・・」
共和国将兵の罵声を浴びつつ、キョクジツ隊は西へと去って行った。
ガーデッシュ:
「なんとかなったな、中尉。これも貴公のお陰だぞ」
オオイシ:
「ありがとうございます。で、話は変わりますが、先程から微弱な無線を拾っています。再生しますね」
無線:
「聞こえるか!? 俺だ・・・!
・・・ギュデムだ! ギュデム=ランザーダック大尉だ!
ガーデッシュ・・・!!
聞こ・・てるんだろう・・・!?
・・ハメられた! 助け・・くれ・・・!!
くそ・・通信・・まで・・・!
場所・・・・ルク・・ウス湖・・・だ!
これ以上・・は持ちこ・・えられねえ・・・!!」
ガーデッシュ:
「ううむ、中尉、事は急ぐぞ。全軍メルクリウス湖へ!!」
ガーデッシュ:
「ギュデム大尉というのはな、私の友でもあり良きライバルでもある。
その彼と彼の部隊は作戦の途中に味方より孤立し、逃げ場を失ってしまったらしいのだ。
そこで、今回の任務はメルクリウス湖にて孤立せし部隊の救出である!
・・義を見てせざるは勇無きなり。
我が隊は正義を持ちて任務に向かおうぞ!」
オオイシ:
「メルクリウス湖から水上部隊を使って攻撃しましょう。ゲルダーにもサブマリンユニットを搭載させます」
リンツ:
「ちょ、ちょっと待って下さい! もし敵にフロレシオスがいたらどうするのです!?
『フロレシオスに遭遇した艦隊はただちに空軍に援護を求めても無駄だから諦めろ』という
ゼネバス帝国の命令書をご存知でしょう!?
それに第一何故『陸軍』少尉の私が艦隊を率い、『海軍』中尉のオオイシ殿が陸戦隊を率いるのです?」
ガーデッシュ:
「第一部隊の初期配置が陸上なんだから仕方無いだろう。艦隊に対する援護は全火力を以って当たろう。
では、いざゆかんメルクリウス湖へ!!」
メルクリウス湖中央の島にはレッドホーンが孤立していた。
ギュデム(レッドホーン搭乗):
「くそっ・・このままこの島に閉じ込められっ放しかよ!?
!! そのアイアンコングは・・・!!」
ガーデッシュ:
「友よ、今来たぞ!」
ギュデム:
「ガーデッシュ!! ・・本当に来てくれたのかよ!?
そ、そうだ、来てもらってから言うのもナンだけどよ・・・
ゴジュラスがいやがるんだ」
ガーデッシュ:
「なんと!! ゴジュラスだと!?」
ギュデム:
「・・あ、ああ・・・。
ホント〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(これでも半分以下に短縮しました)にすまねえと思っているよ! すまん、ガーデッシュ!」
ガーデッシュ:
「なに、構わんよ。ウチの部隊はつわもの揃いだ。
きっと共和国最強ゾイドであるゴジュラスとも、戦ってみたいと思っておるさ」
モルガ兵:
「(ムチャ言うな、ウチの隊長)」
イグアン兵:
「(ま、第二話でいきなりゴルドスを倒せって任務だったし、なんとかなるんじゃないの)」
ガーデッシュ:
「そこっ、無駄口はいらん。敵の親玉はゴジュラスであるぞ。相手にとって不足はないな!?」
モルガ兵&イグアン兵
「(しぶしぶ)おう・・・」
ゴジュラスまでに共和国は小型部隊を配置していた。だが、スパイカーやゴルゴドスをイグアンが
蹴り倒して行く。一方湖では
リンツ(ブラキオス搭乗):
「ふう、敵艦隊はいないようだな。全艦突撃! 橋を塞ぐのだ!!」
とメルクリウス湖にかかる橋の占領に向かった。だが、
ガーデッシュ:
「む・・いかん、駆動系の故障か!?
すまん、ギュデム・・そこまで辿り着けそうにない」
ギュデム:
「・・な、なんてこった・・・。終わった・・・・」
ガーデッシュ:
「大丈夫だ、ギュデム!
私が行かずとも、我が精鋭達がきっと辿り着いてくれる! だから、辛抱するんだ!」
ギュデム:
「りょ、諒解。えぇっと・・頼んますよ、皆さん」
ギュデムが頼むまでも無く、オオイシ隊はハイペースで救出にむかっていた。だが、オオイシの
グレートセイバーが敵第二小隊を全滅させると同時に、ついにゴジュラスが動き出した。
リンツ:
「急げ! 早くZOCを発生させてギュデム殿を守るんだ! む、おい、橋の上にまで行くな!
ちっ、こっちにはガイザックか!」
彼のブラキオスとガイザックが砲火を交える中、ゲルダーが橋の上でゴジュラスと対峙した。
ゲルダー女性兵:
「あ、あたしだって・・・!」
彼女はゴジュラス相手によく健闘した。彼女の勇気こそが勝因だったとも言える。さらにゲーターの
ガドリンクで装甲を痛めつけられた(ゲーターも深手)ゴジュラスをブラキオスがトドメを刺したのだった。
ギュデム:
「本当に・・・すまねぇ。お前しか頼れるヤツがいなかったんだ」
ガーデッシュ:
「構わんよ。味方の危機を救うのは当然だ。
それに、何といってもお主の頼みだ。聞き届けぬ訳にはいくまい?」
ギュデム:
「・・すまん、ガーデッシュ。本当に恩にきるぜ・・・。
ただ、アタマに来るのは大隊の奴等だ! ヤツら、俺の部隊を共和国に真っただ中に飛び込ませやがって!」
ガーデッシュ:
「一体、何があったのだ? 理由もなくそんな事態が起きるはずもなかろう?」
ギュデム:
「理由・・だって? そうか・・分かったぜ。どういうことか、やっとわかった・・・
ガーデッシュ、中身は後で話す。ここじゃ、まずいぜ・・・」