帝国編・第一章後半


帝国編第一章第五話・「破滅の魔獣」

ガーデッシュのテントにて
ギュデム:
「そうさ・・確かに聞いたんだ。
メルクリウス湖に浮かぶ山、オリンポス山の基地であの忌々しいプロイツェンの名のもと、何か
とんでもなく恐ろしい事が行われようとしているんだ!
それを知ったから俺は・・、ハイデルの奴に殺されそうになったんだ!
・・山だ!!
オリンポス山には何かがある!
それもとてつもない、何かが・・・!?」
ガーデッシュ:
「ふむ・・・。
オオイシ中尉、入りたまえ。
貴公に少々話がある。我が帝国の摂政、ギュンター=プロイツェンの事は知っておるな」
オオイシ:
「はっ、優れた政治手腕を持った方ですが、最近少々やり過ぎているような・・・」
ガーデッシュ:
「そうだ。そこが問題だ。ルドルフ陛下が幼いのをいい事に帝国を私物化し、この戦争を引き起こした野心家だ。
プロイツェンは己の野心の為にガイロスの民を利用せんとする反逆者である!
我等が忠誠は奴の為では無い。陛下の、ガイロスの為だ!!
中尉、『キョクジツ』の意味は知っているな?」
オオイシ:
「確か、地球の言葉で『太陽』を表すと聞いた事があります」
ガーデッシュ:
「そうだ。太陽は地を照らし、悪を晒す。よってこれより我が隊は邪悪の巣窟、オリンポス山の基地に向かう!
我がキョクジツ隊の意味を為さんがためにも!!」
オオイシ:
「(プロイツェン閣下に叛くおつもりなのか? しかし、閣下の独走も目に余る・・・。
私はどうすべきか・・・。
オリンポス山でそれを決めよう・・・)」


かくしてオリンポス山を登るキョクジツ隊。その山頂で彼等は先客に出会った。
ガーデッシュ:
「何!? 彼等は共和国軍・・・!? どうしてここが?
むッ・・・!」
その時、激震とともにデスザウラーが姿を現わした。
サイカーチス士官NPC:
「な・なんだあれは・・?」
彼が戸惑ったのを感じたのかデスザウラーはサイカーチスに突進した。そして・・・
サイカーチス士官NPC:
「う・・うわぁぁっぁ・・・!!」
無残にも捻り潰されてしまった。
ガーデッシュ:
「・・・!!
しまった! 遅かったのか!?
オオイシッ!! 見よ、あの凶々しい姿を!!
・・あれはデスザウラーだ!!
かつて一夜にして国を滅ぼしたとされる『破滅の魔獣』よ・・・!!
あれをプロイツェンの手に渡してはならん!!
ガイロスを、この惑星Ziをあの男から守る為にもッ・・・!!
・・・プロイツェン、貴様の思う様にはさせんッ!!」
と言うなり、ガーデッシュはコングのスラスターを全開にしてデスザウラーに突進した!
リンツ(グスタフ搭乗):
「単騎では危険ですッ! お下がり下さいッ!!」
ガーデッシュ:
「貴公等を危険に晒す訳にはいかん!
『魔獣』よ! 今一度、眠りにつけッ!!」
コングが拳を叩き込む寸前、『魔獣』の口腔から恐ろしいまでの光の奔流が放たれた。
荷電粒子砲であった。コングは一たまりも無かった・・・
ガーデッシュ:
「う・・ぉぉぉぉぉぉッ!!」
リンツ:
「そ、そんな・・!!」

コングの最期を見た共和国軍は撤退してゆく。虚脱状態にあるキョクジツ隊に通信が入り、
やっとオオイシ達は我に返った。
イグアン士官NPC:
「そこの部隊、聞こえるか!?
卿が部隊長だな?
デスザウラーは暴走状態で目覚めた! 共和国軍も肉薄している!
ここはもうダメだ! 急ぎここを離脱せよ!」
リンツ:
「中尉・・どうするのですか!?」
オオイシ:
「決まっている・・。デスザウラーを撃破する!!」
リンツ:
「デスザウラーを!? あの『破滅の魔獣』を、ですか!?」
オオイシ:
「そうだ! 文句があるなら君等だけ離脱しても構わん!」
リンツ:
「(デスザウラーは不完全だ・・・、勝機はある。それに、中尉を見殺しには!)
やりましょう、中尉ッ! 隊長の遺志を継ぐ為にも!」

キョクジツ隊の結束は固かった。誰一人とて逃げ出す者はいなかった。
デスザウラーに対しては先のイグアン士官NPCが砲戦を挑んだ。
だが、荷電粒子砲二連発クリティカルを食らい、蒸発してしまった。
イグアン士官候補生NPC:
「き、教かぁーん!! 畜生、よくも教官を!!」
オオイシ:
「落ち着けッ! 君一人では危険だ!!」
だがオオイシが心配する程の事は無かった。彼は最初の一撃で荷電粒子砲を潰し、
その後は互角に撃ち合った。文字通り最後の一弾まで撃ち尽くしたが満身創痍のイグアンは
それでも立っていた。
一方デスザウラーの残りHPは445。大健闘である。
サイカーチス傭兵:
「よくやった坊主! あとは俺にまかせな!!」
ビームが容赦無くサイカーチスの装甲を剥がしていく。だが、彼は機体のコースを変える事無く直進、
デスザウラーの懐に飛び込むとコアを射抜いた。朽ち木倒しに『破滅の魔獣』は倒れた・・・。

リンツ:
「副官殿・・、ガーデッシュ隊長は・・・」
オオイシ:
「きっと生きている」
リンツ:
「そんな・・・」
と抗弁しかけたリンツは二の句を継がなかった。オオイシの目に光るものを見たからだ。
あわてて話題を変える。
リンツ:
「君、名前は?」
イグアン士官候補生NPC:
「僕、いえ小官はファーレンホーファー候補生であります!」
やっと気持ちの整理をつけたオオイシが会話に入る。
オオイシ:
「どうだ、我々と共に来ないか?」
ファーレンホーファー:
「はっ、ありがとうございます! これより、ご同行させて頂きます!!」
(註:イグアンは生き残っても仲間になりません)
オオイシ:
「決定だな、リンツ君」
リンツ:
「はい。中尉、今からはあなたがキョクジツ隊を指揮して下さい」
オオイシ:
「おいおい、いきなり何かね・・・」
サイカーチス傭兵:
「いや、俺達もそう思ってた所だぜ。な、みんな?」
リンツ:
「ということです。それが、ガーデッシュ隊長の遺言です」
オオイシ:
「・・・分かった。だが、あくまで『隊長代理』だ。
それにしてもプロイツェン閣下、あなたは一体何をしたいのですか・・・」


帝国編第一章第六話・「報復は愛と友情の為に」

キャンプでリンツは日誌を書いていた。
「我々はオリンポス山を下りた。
忌まわしい出来事を拭い去るようにただひたすらと・・・
何故プロイツェンは、あんな不完全な状態でこの地に『魔獣』を解き放ったのか?
先の会戦でもあったように戦況は我等に圧倒的な優位性が見られる。
このまま行けば、共和国軍をエウロペ大陸から追い出せるのも時間の問題だろう。
だが、何故急ぐ・・?
今、『魔獣』の覚醒は必要なのか・・・?
・・不吉な匂いがした。
ひどく陰謀めいて、悪意に満ちた・・・」

オオイシ:
「リンツ少尉、入るぞ」
リンツ:
「中尉・・」
オオイシ:
「さっきから妙な無線を拾っていてな、これから再生する」
謎の声:
「・・聞こえるか? キョクジツ隊の諸君。私だ。Kだ」
オオイシ:
「これだ。トミーのゾイド企画室室長が我々に何の用だろう」
リンツ:
「そりゃドクターTです。彼はガーデッシュ隊長の友人で、格闘技の達人です。
もっとも、しゃがみキックには弱いですが・・」
Mr.K:
「そりゃMr.Xだ! 確かに妖術使いの方がよっぽど強いがな。コホン、本題に入ろう。
ガーデッシュは逝ったようだな・・・」
リンツ:
「はい、残念ながら・・・」
Mr.K:
「実に惜しい戦士を失った・・・。帝国の為に戦う偉大な戦士だった・・・。
実はな、かの魔獣の暴走の原因は、あの時現われた共和国の部隊にある」
リンツ:
「なんと・・?」
Mr.K:
「そうだ。あの時、あの部隊・・機動部隊が現われさえしなければ、諸君等の隊長、ガーデッシュも
死にはしなかった!
諸君、報復だ! 我等の友の仇を討つぞ!
私は奴等がヘスぺリデス湖に向かっているという情報を入手した!
諸君は奴等を待ち伏せし、正義の名のもとに報復するのだ!
奴等の中で最も強力なのはシールドライガーだ。あいつにだけは気をつけろ!
私からの助言は以上だ! 諸君等の健闘と成功を祈っている」
リンツ:
「中尉、やりましょう!」
オオイシ:
「(K殿はああ言っているが、俺にはあの部隊が現われただけで魔獣が暴走したとは
到底思えない・・・。しかし、機動部隊か・・。いつかは戦う相手だろう。)
よし、K殿の言ったように待ち伏せる。
レッドホーンにビームランチャーとミサイルを塔載しろ。
リンツ君、君は捕獲用イグアンで中型部隊の指揮を執れ」


Mr.Kの情報通りに機動部隊が現われた。それを見たオオイシの目が輝く。
オオイシ(グレートセイバー搭乗):
「おお、あれは!!」
リンツ:
「一体なんです、中尉殿。目が少女マンガ並に輝いていますぞ」
オオイシ:
あれだ。あれの捕獲こそが今作戦の最重要任務だ!」
リンツ:
「あれ・・ハイドッカーですかぁ?」
オオイシ:
「そうだ。あれさえ手に入れば小型ゾイドの図鑑はコンプリート出来る」
リンツ:
「まさか、イグアンの補給を要請したのも、パイルバンカーではなく捕縛キットを装備したのも・・・」
オオイシ:
「そう、この為だけだ。
何をやっとるか、馬鹿もん! グスタフなぞ後回しだ!!」
リンツ:
「もぉ、いいですぅ・・・」
なんだかんだ言いながらも、彼はハイドッカーの捕獲に成功する。
その他、ヘルキャットがガイザックの残骸からガイザックそのものの回収に成功した。
ウェイン:
「なんなんだ、コイツ等!? 折角待ち伏せを食らわしたのにハイドッカーの捕獲に躍起になって・・・。
とにかく、このままでは機動部隊の名が廃る・・。貴様が獲物だぁ!!」
とサイカーチスを撃墜し、レッドホーンMkIIと撃ち合いながら彼のシールドライガーは砂漠を東に移動する。
双方傷つき、止めを刺す気力を失ったところでウェインは宝捜しを終えて向かって来るオオイシの
グレートを発見した。
ウェイン:
「せめて大将に一撃を!」
彼の気合に対する返答は小口径レーザー機銃だった。射抜かれたシールドは撤退して行った。
リンツ:
「共和国軍が撤退して行く!?
中尉、追撃命令を! 奴等に逃げられてしまいますッ!」

ここでBGMが変わり、シールドライガーDCSがキョクジツ隊の目の前に現われた。
謎の男(シールドライガーDCS搭乗):
「待てッ! 深追いはするなッ! 返り討ちにあうぞ・・!」
レッドホーンMkII老兵:
「共和国軍!? しかし、何故忠告を?」
Mr.K:
「これは驚かせてすまない。私がガーデッシュの、そして諸君等の協力者Kだ」
リンツ:
「あなたが・・・。しかし、何故ここに?」
Mr.K:
「ふむ、諸君等と合流しておきたいと思ってな。
急ぎ、駆けて来たのだ。
あれは退くと見せかけて待ち伏せを行う、奴等の得意な作戦だ。
今日は諦めるんだ。・・こうなってしまってはこちらがやられる」
オオイシ:
「何故、我々を助けてくれるのですか?」
Mr.K:
「何故、かと・・・?
・・無念の死を遂げた友の部下達に力を貸すのはそんなに馬鹿らしい事かね?」
オオイシ:
「いえ・・・。失礼しました」
Mr.K:
「分かって貰えれば私も嬉しい。
ともかく、追撃は諦めるんだ。我々にはプロイツェンを倒すという崇高な目的があるのだからな。
下手に損害を被ってはならん。奴等の足取りなぞすぐに掴めるさ」


帝国編第一章第七話・「オーガノイド・システム」

再びリンツの日記より抜粋
「協力者・Kが戦場に現われた。
ガーデッシュ隊長亡き今も、我々に協力してくれるという話だ。
彼の愛機は駆動系に欠陥がある為、戦闘には参加できないらしいが、強力な情報網を持っているとの事だ。
恐らく、プロイツェンとやりあうには心強い味方となるだろう」

オオイシ:
「リンツ君、入るぞ」
リンツ:
「中尉。補給の件ですが・・・」
オオイシ:
「うん、シーパワー強化の為ウォディックを希望しよう。
おっと、そろそろMr.Kがやって来る時間だ」
Mr.K:
「待たせたな。たった今、興味深い情報が入った。
オーガノイド・システムの情報だ」
オオイシ&リンツ:
「!!」
Mr.K:
「オーガノイド・システム、古代ゾイド人が残したとされる大いなる遺産であり、
ゾイドに未知の可能性を与えるシステム・・・。
そして、これをプロイツェン一味と共和国・機動部隊が狙っているのだ。
オーガノイド・システムが眠っているらしい遺跡はアレキサンドル大地にある事が分かった。
諸君、これはまたと無いチャンスだ。
奴等を倒し、ガーデッシュの仇を!
だが、今回の目的はあくまでもオーガノイド・システムの回収だ。
それだけは忘れるなよ!」
オオイシ:
「(システムはプロイツェン閣下にも共和国にも渡したくない。
しかし、何故Mr.Kは機動部隊に拘るのだろう・・・)」


疑問を持ちつつもオオイシとキョクジツ隊は遺跡に向かった。そこで彼等の見たものは・・・
リンツ(ブラキオス搭乗):
「なんだ? 戦闘の跡があるぞ? 隊長殿、共和国軍以外にも味方がいるのかもしれません。
援護しましょう」
Mr.K(通信):
「待て、諸君。
機動部隊の奴等が侵入したのは随分前だ。
もし味方がいたとしても全滅しているだろうし、プロイツェン直属の部下だろう。
援護は必要無い。それよりも、システムの回収を優先するんだ。
オーガノイド・システムは恐らく奥にあるだろう。
・・それではシステムの回収、よろしく頼んだぞ」
オオイシ(グレートセイバー搭乗):
「よし、手分けして探そう・・って奥の変なパイプが思いっ切り怪しいけどな」

探索を始めるキョクジツ隊。だが、
グスタフ兵:
「隊長、現われましたッ! 機動部隊ですッ!」
ウェイン(シールドライガーDCS搭乗):
「・・・なにっ!? また、あいつらか・・・!!
ガイロス帝国軍だ! みんな、気をつけるんだッ!」
共和国グスタフ士官:
「ウェイン中尉! 自分が、やってやりますよ!
ガイロス帝国軍め、オレのグスタフの突進を受けてみろッ!」
ウェイン:
「よせ! 奴等は強いッ!
その場でじっとしているんだッ!!」
共和国グスタフ士官:
「そんな事言ったって、敵二個小隊に包囲されちゃってますッ!」
ウェイン:
「くそッ!
こうなったら討って出るしかない!! 行くぞ、みんなッ!!」

ラガートの本隊の到着までにはしばらく時間がかかった。その間、共和国グスタフ士官と彼の小隊は
全キョクジツ隊のゾイドと戦わなければならなかったのである。
エレファンタス二機を倒したヘルキャットをアロザウラーの火炎放射とカノントータスの長距離射撃で
撃退したが、健闘はそれまでだった。次々とゾイドを倒され、残るはグスタフのみ。そのグスタフも
前回キョクジツ隊が手に入れたガイザックにボコられ、体当たりを破壊され逃げ出す始末。
オオイシのグレートがグスタフに止めを刺す頃、やっとウェインの司令戦隊が到着した。
だが、奇襲を仕掛けようとしたコマンドウルフがレーダーにより発見されてしまった。
位置を暴かれた奇襲ゾイドほど脆いものは無い。結局、グスタフがビームリフレクターでウルフの主砲を
撥ね返して撃破し、残る敵をレッドホーンMkIIが掃討した。
ウェイン:
「むう、あとは俺だけか・・。オオイシとか言ったな、君は・・・」
オオイシ:
「そうだが、貴様の名は?」
ウェイン:
「俺か? ウェイン=ライナスだ。
今度は負けんぞ、勝負だ! オオイシッ!!」
オオイシ:
「済まんが、我々には別の任務がある。勝負は今度だ」

そのころ、サイカーチスは例の奥の部屋を調べていた。そして
サイカーチス傭兵:
「これが・・オーガノイド・システム! 古代ゾイド人の遺産、ゾイドの戦闘力を飛躍的に増大するシステム・・・」
ウェイン:
「オーガノイド・システムだって!? 君達も探してしたのか!?
それにしても、我々が見つけられなかったモノをこうあっさりと・・・」
オオイシ:
「って、君の目の前にあったろ。
ターンの関係上、リンツ隊、やれ」
哀れウェイン、ガイザックにボコられブラキオスに止めを刺されてしまった。
ウェイン:
「く・・これ以上持たない・・・!
・・みんな、本隊のところまで撤退するんだ!」
サイカーチス傭兵:
「追おうぜ、オオイシ。
ここで息の根を止めちまおう!!」
Mr.K(通信):
「キョクジツ隊、聞こえるか!?
・・深追いはするな! 外にヤツ等の本隊が待ち構えている!
悪い事は言わん。オーガノイド・システムの回収を終えた以上、おとなしく戻ってくるんだ!!」
リンツ:
「隊長、どうします?」
オオイシ:
「・・戻ろう。我々も傷ついている。
Mr.K、これより帰投する」
Mr.K:
「オーガノイド・システムの回収、ご苦労だった、オオイシ。
奴等は引き揚げて行ったようだ。もうここには用は無い。
・・さあ、本拠地に帰ろう」



彼等が帰還しても、戦況に大きな変化は無かった。
オリンポス山の基地は壊滅したものの、ガイロス帝国正規軍はヘリック共和国軍を圧倒し、
遂にはミューズ森林地帯まで撤退せしめた。
が、ミューズ森林地帯では共和国軍得意のステルスバイパー等によるゲリラ作戦が展開され、
帝国は攻めきれずに立ち往生していた。
もし、オリンポス山でデスザウラーが目覚めていたら・・・
この事態は変わっていただろう。
プロイツェンはこの事態を予期していたのか?
だが、もし帝国摂政があの『力』を手にしていたらもっと悪い事が起きていたかもしれない・・・。
特務部隊は持ち帰ったオーガノイド・システムを彼等の前線基地において研究することにした。
そのオーガノイド・システムはシステムの中枢に当たるものだったらしく、
現在、熱心に研究が行われている。
軍部は特務部隊の隊長であるガーデッシュの死とその代理を務めたオオイシの活躍を受け、
彼を大尉とし、特務部隊の正規の隊長に任命。
同じ頃、帝国拠点であるニクシー基地でも南エウロペ方面から回収されたシステムによって
強力なオーガノイド搭載ゾイドが誕生していた。
そのゾイドの名はジェノザウラー。
帝国のオーガノイド搭載ゾイド第一号である。
が、荷電粒子砲をも搭載したその暴獣を乗りこなせる者は極めて少なかった。
それはシステムがパイロットの精神に与える致命的な負荷のせいだった。
・・・未だ、このゾイドの量産化にはほど遠かった。
そして、キョクジツ隊にもジェノザウラーが与えられた。
精鋭揃いとされるこの部隊なら乗りこなせるパイロットがいるだろう、という目算である。

ZAC2100年1月
オーガノイド・システムという運命が一人のパイロットを変えようとしていた・・・


第一部・完


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