帝国編・第二章前半
Mr.K:
「諸君、元気だったかね?
・・私だ、諸君等の協力者Kだ。
私がしばらく姿を消していたのは他でもない。
共和国軍の動向を探っていたからだ。
すると、思いがけない情報が入った。
・・・そう、諸君等の仇敵である機動部隊の行方だ」
サイカーチス傭兵:
「Kさんよぉ、そいつら何処にいるんだい?」
Mr.K:
「アレキサンドルの山々だ。
目的は分からんが、ここは新たな力を試す絶好のチャンスではないかな?
おっと、ジェノザウラーはまだ届いていないんだったな。
・・実物を見ればきっと驚くぞ。
そういえばライトニングサイクスのテスト機は見たかね?
あちらは格納庫に届いているはずだ。
ライトニングサイクスも限定的ではあるが、オーガノイド・システムを塔載しているゾイドだ。
大きな戦力となるだろうな。
だが、どうやら共和国軍の奴等もオーガノイド・システム塔載のゾイドを完成させたらしいぞ。
油断は禁物だ。
準備が出来次第、アレキサンドル山岳へ向かったほうがいい。
奴等がいつまでもあの地にいるか分からんからな」
オオイシ:
「また機動部隊が相手か・・・。腐れ縁だな。
まあ愚痴っても仕方がない。
整備班、サイクスの調子はどうだ?」
整備長:
「上々です。格闘仕様にチューンしときました」
オオイシ:
「よし、テストも兼ねて訓練だ」
RANK C
サイクス女性兵:
「キメポーズ、カッコいい〜」
シンカー水兵:
「くっ、無念!」(ちゅどーん)
RANK B
シンカー水兵:
「このやろ、このやろ」
リンツ:
「あいつ、えらく気合入ってますね」
オオイシ:
「前回撃墜されたからな・・・」
RANK A
サイクス女性兵:
「んもぉ、ど〜して!?」
オオイシ:
「以外とサイクスって被弾率高いな。リンツ君は防御力の高いツインホーンに乗せるか・・・。
あと、初期配置から川まで距離があるのでウォディックの投入は見合わせよう」
初の3小隊編成でアレキサンドルに到着したオオイシ達の目の前に新型ゾイドがポツンと置かれていた。
リンツ:
「これが、ジェノザウラーですかねぇ」
オオイシ:
「らしいな。こんな所に置いていくなんて不用心だな。
とにかく、ジェノザウラーが手に入ったんだ。これには私が乗ろう。
え〜と、グレートセイバーには・・、ファーレンホーファー候補生、君が乗れ」
ファーレンホーファー:
「ぼ、ぼ、僕がですか!? いきなり小隊長ですよ!?」
オオイシ:
「貴様もいずれ部下を預かるポジションにつく。その為の実習だと思うんだ。
なに、大丈夫。ゾイド乗りの腕前はすでにエース級だ。優れた能力は人心掌握の最大の武器だ」
ファーレンホーファー:
「わ、分かりました」
オオイシ:
「よろしい」
リンツ:
「いましたッ! あそこにいるのは、ライガーです!
・・? 少し、形状が違うようですが・・・。
もしや・・あれが新型でしょうか?
もし、相手がオーガノイド・システム塔載ゾイドだとしたら・・・」
オオイシ:
「こっちにはオーガノイド・システム塔載ゾイドが二機ある。よ〜し、行くぞ!」
リンツ:
「隊長殿、お気を付け下さい!」
リンツの心配は不幸にも当たってしまった。ただし苦戦したのは、オーガノイド・システム塔載ライガー
=ブレードライガーではなく、その前衛部隊であった。
グスタフがプテラスとゴルドスキャノンの猛射を浴び、シンカーが背後から忍び寄ったコマンドウルフ
に襲われたのだった。
しかし、次ターンでプテラスを全滅させ、グレートセイバーがゴルドスキャノンのHPを削り、
グスタフ兵:
「よ〜もやってくれたのぉ、ワレェ」
グスタフが仕留めた。
ウェイン(ブレードライガー搭乗):
「あのグレート、オオイシではない・・。だが、いい腕だ!」
ファーレンホーファー:
「う、うわっ!!」
オオイシ:
「高速戦闘用ゾイド同士の戦いだけに、性能の差がモロに出る。
セイバーとしては、最も戦いたくない相手だろう」
リンツ:
「公式ファンブックを棒読みしている場合ですか! ファーレンホーファー、いいから逃げろ!」
ファーレンホーファー:
「り、諒解・・」
ブレードライガーが斬り込んで来たが、戦闘はキョクジツ隊が優勢だった。
シンカー、ブラキオスがアクアドン艦隊を沈め、カノントータス隊も次々と破壊された。
そんな中、鹵獲ガイザックがステルスバイパーの奇襲を受けた。
一見、ステルスバイパー有利に見えた勝負だったが、ガイザックが返り討ちにしてしまった。
この戦闘でガイザックは高い評価を受け、第二章の主力機として活躍するのである。
他の機に目をやると、序盤で痛い目に遭ったグスタフが共和国グスタフに文字通りのガチンコ勝負を挑んだ。
しかし、体当たりを破壊されて逃げざるを得なかった。逃げて橋を渡った彼はもう一機の
共和国グスタフを発見した。
グスタフ兵:
「え〜と、こーゆー時はっと
『止マレ! シカラズンバ、ワレ汝ヲ砲撃セン!!』」
どこに火器があるのかしらないがお約束の警告である。が、共和国グスタフは余程慌てていたのか、
この警告に従った。
共和国グスタフ兵:
「ひい! み、見つかった!
ま、待ってくれ! 攻撃しないで!!
実は俺は帝国のスパイなんだ! ここには極秘のパーツを積んでいる!
キミたちの味方なんだ!」
帝国グスタフ兵:
「(こいつおもろい。ま、許してやるか・・・)
『貴機ノ通行ヲ許可ス』」
共和国グスタフ兵:
「ふー、ありがとう。理解のある人でよかったよ。それじゃ!」
オオイシ:
「そっちは終わったか? あとはブレードライガーだけだ!」
帝国グスタフ兵:
「は、はい」
彼はグスタフのHPを回復させると、ブレードライガーに真っ向勝負を挑み、何と体当たり二発をぶちかました。
結局撃退されたが、
ウェイン:
「な・・なんなんだ、コイツは!?
命中率29%の攻撃をこのブレードに二回も当てるなんて・・・」
ウェインの言うように十分、誇れる戦果である。
グスタフと入れ違いにグレートセイバーが襲い掛かり、爪でブレードの装甲を剥がしていく。
ウェインは、グレートに士官候補生が乗っているとは夢にも思わなかっただろう。
性能差をカバーするどころか明らかにグレートが優勢で、止めを戦闘に参加出来なかった
サイクスに譲る余裕すらあった。
ウェイン:
「くっ・・、手強い・・・!!
撤退する・・・!!」
共和国編のレイハルトもそうだったが、一人で撤退した。
リンツ:
「くそッ・・、また逃げられましたね・・・。
機動部隊というだけあって何とも逃げ足の速い奴等だ!
ん? 通信が・・・?」
聞き慣れない声:
「おい、キョクジツ隊・・・! 聞こえるか!?
私は帝国軍のハイデル=ボーガン少佐である!
ジェノザウラーのテストやらは終わったか?
貴様等、今はアレキサンドルだな!?
丁度いい、すぐにグラム湖に出向け!
貴様等に新たな任務を言い渡す。私はグラム湖畔の駐屯地で待っているゆえ、
迅速にこちらに向かえ!」
オオイシ:
「ハイデル少佐? どっかで聞いたよ〜な・・・。
ま、いっか」
だが、この後オオイシとキョクジツ隊は過酷な運命に翻弄されるのである・・・
グラム湖畔への道中、Mr.Kから通信が入った。
Mr.K:
「キョクジツ隊の諸君。
私だ・・、Kだ。
実は少々まずい事になった。
詳しい事は言えんが、しばらく諸君等を助けてやれんようだ。
済まないが、私は姿を隠す。
が、生きていたらいずれまた、諸君等に協力しよう。
・・・それが亡きガーデッシュへの誓いだ。
諸君等も気をつけたまえ。
危険が・・・迫っているぞ」
シンカー水兵:
「なんだかんだ言っても、我々は常に危険と隣り合わせですからね・・」
ファーレンホーファー:
「でも僕は嫌な予感がする・・・」
不幸にも彼の予感は当たってしまうのである。
駐屯地についたオオイシ達キョクジツ隊幹部は早速ハイデルに呼び出された。
ハイデル:
「私が今後、貴様等特務部隊への任務指示を受け持つ、ハイデル=ボーガン少佐である。
先の戦いで貴様等の隊長、ガーディッシュ中佐(二階級特進)を失った事は誠に残念な事である。
・・・が、悲しんでばかりではおられん。
貴様等は帝国軍人であり、特務部隊としての任務を全うすべく、与えられた任務に向かう必要がある!
いつまでも女々しくしておればキョクジツ隊の名が泣くぞ! 分かったな?」
言い返したいが、上官の言葉は絶対である。そのジレンマに苦しむ顔を満足げに一瞥して、
ハイデル:
「さて、貴様等の根性が叩き直されたところで、本題に移ろうではないか。
以前、メルクリウス湖で貴様等が助けたギュデム=ランザーダック中尉の事を覚えておるか?」
オオイシ:
「はい、ですが確か大尉では?」
ハイデル:
「おっと、すまぬな。
ギュデム中尉は先の戦いで部隊を全滅させたがゆえ、降格となったのだ。
それで、貴様等にはかのギュデム中尉と共に、共和国の輸送部隊を強襲して欲しいのだ。
というのも、共和国の新兵器が明後日、ミューズの森をグスタフ数機によって輸送されるという
情報を掴んだのだ!
この任務の成否によっては、今後の戦況に多大な影響を与える事だろう!
とても貴様等に相応しい任務だ。
さらにこれは、軍上層部によって提示された作戦だ!
貴様等、心して任務に臨めよ!」
格納庫に集合した将兵は不満を顔一杯に表わしていた。
ファーレンホーファー:
「何々ですか、あの少佐殿は!!」
オオイシ:
「気持ちは分かるが、ファーレンホーファーよ。平常心を失っては時として命を落とすぞ。
それに、上官の命令は絶対だし、今回の任務は戦略的に重要だ。
少佐が憎いのなら、少佐の個室のドアに黒板消しをはさむか、軍靴の下にバナナの皮でも置くんだな」
リンツ:
「煽ってどーすんです、煽って!」
オオイシ:
「まあまあ、言うだけならいいだろ。俺だって、我慢しているんだ。
で、今回の作戦だが、任務の性格上スピードが要求される。
そこで、サイクス・ヘルキャット・サイカーチス・シンカーで高速部隊を編制する。
リンツ君にこの部隊の指揮を頼む」
編成を終えたものの、陰鬱な気分のキョクジツ隊だったが、ミューズ森林地帯でギュデムと合流し、
彼の明るさで本来の士気を取り戻した。
ギュデム(レッドホーンNPC搭乗):
「よう、また会ったな。オオイシ!
おっと、いけねえ! そ〜いや、今やお前さんの方が階級が上だったっけ。
失礼しました、大尉殿!!」
オオイシ(ジェノザウラー搭乗):
「よして下さいよ・・・」
ギュデム:
「はっはっは! あんたならきっとそう言うと思ってたぜ!
正直、俺もアタマに来てるんだ。
・・・俺の可愛い部下達を見捨てたのは奴等なんだぜ!?
本当なら、奴等の階級こそ、便所掃除に格下げだ!
・・・クソッタレめ!!
・・・ま、グチッててもしょうがねぇ。
今回、何故か俺とお前さんのキョクジツ隊で組む事になったんだが・・・。
だがこの任務は、プロイツェン・ナイツであるドルフ=グラッツァーという奴の指示らしいぞ。
・・・どうにもキナ臭くてなんねぇ。
だいたいなあ・・・」
リンツ(ライトニングサイクス搭乗):
「オオイシ隊長ッ! 来ました!! グスタフですッ!!」
ギュデム:
「来ることには、来やがったか!
だが、気をつけな、オオイシ!
任務も大事だが、死んじまったら意味がねえ。
何かあっても、逃げられる準備をしとくんだ」
上層部の思惑がどうであれ、オオイシ達は戦わねばならなかった。
オオイシ:
「グスタフの直衛部隊より、東のディバイソン隊の方が有力だな。
よし、グスタフ襲撃は第三小隊に任せる。他は東に向かうぞ」
ギュデム:
「それじゃ、そろそろ行くぜ」
第三小隊以外、全機東へ向かった。
ファーレンホーファー(グレートセイバー搭乗):
「待って下さい! 伏兵です!!」
オオイシ:
「追加装備のGPS複合センサーが役に立ったか」
サイカーチス傭兵:
「勝負だっ、ダブルソーダ!!」
が、宿命の対決はダブルソーダに軍配が上がりかけたが、
シンカー水兵:
「空戦で水平飛行をするとはな・・・」
シンカーに叩き墜された。
残りのダブルソーダもサイクスの餌食となった。
その他、ヘルキャットが奇襲でアロザウラーを倒し、ガイザックはカノントータスに撃ち勝った。
心配していた対ディバイソン戦もグレートセイバーと高速部隊の機動力で楽勝だった。
だが、オオイシのジェノザウラーはプテラスに止めを刺すのに三射を仕損じるという醜態を晒していた。
グスタフは第三小隊とレッドホーンMK-IIが包囲し、宝探しを終えた後レッドホーンMK-IIが介錯した。
ギュデム:
「ヘヘ・・、どうやら何てこと無い任務だったらしいな」
あんたはほとんど何もやってない。
慢心が呼んだか、突然ベアファイターが三機現われ、彼のレッドホーンを取り囲んだ。
ギュデム:
「な・・何ッ! 増援だと!?
これだけの軍団を・・・
ちィッ、ステルス部隊か・・・ッ!?
・・逃げろッ! オオイシッ!! 俺は自力で・・・」
言い終える前に、敵隊長機のトリニティーライガーが現われた。
ギュデム:
「!!
な・・なんだ、このゾイドは!?
く・・くそ、やっぱりワナだったんだ!
逃げろ、オオイシ! とにかく全力で逃げるんだッ!!
ドルフ=グラッツァーだ! ヤツは俺達に気付いている!
・・ヤツに、気を・・・!!」
だが、トリニティーライガーがレッドホーンに迫り、一撃で破壊した!
ギュデム:
「ぐぁぁぁぁぁ・・・!!」
リンツ:
「そんな・・ギュデム中尉・・・!
オオイシ・・隊長!?」
一部始終を見ていたジェノザウラーが咆哮した。
誰も聞いた事の無いような、恐ろしい声で。
リンツ:
「な・・何ッ!?
・・・ジェノザウラーのオーガノイド・システムが・・・!?
た・・隊長・・・ッ!!」
ジェノザウラーはトリニティーライガーを捻り潰すと、ライトニングサイクスも追い着けない速度
で共和国勢力圏へ走っていった。
残されたリンツは呆然としていた。そこへ、怯えながらもファーレンホーファーが口を開いた。
ファーレンホーファー:
「し、少尉殿、隊長殿を・・追いましょう」
リンツ:
「言うはやすいがな、敵勢力圏にだぞ? 生還率は限り無く低い・・・」
ファーレンホーファー:
「で、でも・・・」
リンツ:
「貴様も指揮官としての責任をわきまえろ!」
レッドホーンMK-II老兵:
「まあまあ、少尉殿。わしゃ、候補生殿に賛成ですぜ。
わしが子守りをしますけ、ご安心しなさんせぇ」
グスタフ兵:
「私も追跡行に志願します。幸い、隊長殿の位置はレーダーで捕捉出来ています」
ファーレンホーファー:
「み、みんな・・・」
レッドホーンMK-II老兵:
「おいおい候補生殿、『みんな』なんて言っちゃいけませんぜ。
・・『貴様等』とか『お前等』ですよ」
リンツ:
「分かった・・・。しかし、全員を危険に晒したくない。
よって、ファーレンホーファー候補生以下の第一小隊のみにオオイシ隊長の捜索を命ず」
整備長:
「ちょ〜と待ったぁ!!
機体の異常なら専門家にお任せを!!」
グスタフ兵:
「整備長殿、一体どうやって我々について行くのですか」
整備長:
「こうするのじゃ」
彼はグスタフのコクピットの横に短剣を突き刺した。すると、グスタフの座席の下のバネにより、
パイロットは空の彼方へ吹っ飛んでいった!!
グスタフ兵:
「あ〜れ〜〜!!(きら〜ん)」
整備長:
「ヒョッヒョッヒョッヒョッ!!
同じトミー製品、『黒ヒゲ危機一髪』機能を仕込むなど儂には造作も無い事・・。
さあゆくぞ皆の衆。このグスタフ、理論上は光速突破も可能なチューニングをしとるわい!」
ハッタリだろ、と思いつつもファーレンホーファー達はゾイドをグスタフに乗せた。
凄まじい轟音と共に、グスタフはジェノザウラーの後を追った。
ツインホーン女性兵:
「(あっけにとられつつ)どおします・・・」
リンツ:
「まあ、整備長と候補生を信じるしか・・・。とりあえず、駐屯地に帰ろう・・・」
シンカー水兵:
「ではCMです。
デデデデン、デデデデン、デデデン」
サイカーチス傭兵:
「ヒュウ!」
リンツ:
「番組違うぞ!!」
ジェノザウラーを追ってグスタフは木々を薙ぎ倒しながら森を駆ける。
流石に「光速突破」はハッタリだったが、マーダの最高速度=500km/hを超えるスピードは出ていた。
森を抜けると・・・
ファーレンホーファー(グレートセイバー搭乗):
「うっ、あ、あれは・・・
ロブ基地!?」
なんとジェノザウラーは単騎でロブ基地に殴り込んだのだ!
だが、ファーレンホーファー達以上に共和国将兵は驚いていた。しかし、パニックを起こさなかった
のは守備に当たっていたザイファー=ガランド中佐の指揮の賜物である。
ザイファー(ゴジュラスMk-II搭乗):
「落ち着けッ!!
敵は応援含めてもたった四機に過ぎん! 包囲すれば殲滅出来る!
しかし、こうも早く侵攻してくるとはな・・・。
むっ!?」
ザイファーをはじめとする全共和国将兵、そして帝国の捜索隊は確かに凶悪な声を聞いた。