帝国編・第二章中盤
ファーレンホーファー:
「(オーガノイド・システム。
あれは・・・恐ろしい『力』だ。
それよりも、整備長のトンデモ改造の方が恐ろしい・・・。
暴走したオーガノイド・システムをも凌駕するなんて・・。
僕達は、これらの超技術を扱い切れるのだろうか・・・)」
整備長:
「お〜い、着いたぞ」
ジェノザウラーを回収して帰還した捜索隊をハイデルが直々に出迎えた。
ハイデル:
「オオイシ大尉、良く生きて帰って来たな!
よもや共和国の情報がワナだとは思いもよらなかったのだ。
正直、すまんかった・・・。
しかし、ジェノザウラーが暴走し、ロブ基地にまで乗り込んだらしいな。
それで生きて戻るとは本当に驚き桃の木山椒の木、ブリキにタヌキに洗濯機だ。
本当に、いつ死んでもおかしくはなかったろうに。・・ギュデムやガーデッシュの様にな。
さて、ありがたい説教はこの辺にしておいて、貴様等に彼女を紹介しよう。
少尉、入りなまえ!」
変わった制服姿の女性:
「タリス=オファーランド少尉、失礼いたします」
傭兵が思わず口笛を吹く。
ハイデル:
「ウォッホン、貴様等! 彼女が本日から貴様等と行動を共にする事となった・・・」
タリス:
「プロイツェン=ナイツのタリス=オファーランド少尉です。
よろしくお願いします。オオイシ隊長殿」
オオイシ:
「あ、ああ、こちらこそ」
ハイデル:
「知っての通り、プロイツェン=ナイツは本来、政治犯の逮捕等治安維持に務める。
・・が、偉大なるプロイツェン閣下は現在の戦局を見かね、私兵であるところのプロイツェン=ナイツを
前線に投入し、士気高揚を図られたのである!
貴様等特務部隊もその例外ではない!
これを機会に、一層プロイツェン閣下への忠誠を確かにするがいい!
さて・・そろそろ本題に入ろう。
・・・もちろん、今回の任務についてだ。
現在、我がガイロス帝国では諸々のゾイドの強化計画が進められている。
それはここ、グラム駐屯地でも同じだ。
・・だが、間もなく前線は激戦となろう。
よって、改造パーツの幾つかは後方へと搬送される事となった。
それらを受け、今回、貴様等のゾイドにも改造パーツが支給される事となった。
貴様等特務部隊はメルクリウス湖を経由し、貴様等の基地まで強化パーツを輸送するグスタフを護衛するのだ!
先日、グスタフを襲ったばかりの貴様等だ。襲う側の気持ちは分かると思われる。
・・まさに、適任であろう?
では、急いで準備しろ! タリス少尉も準備したまえ」
タリスがやって来るまでの間、オオイシ達はいつものようにダベりながら準備していた。
基地要員:
「おまっとさ〜ん! ご注文のシーパンツァーっす!!」
オオイシ:
「ご苦労さん。
おっと、リンツ君そこにいたか。ヤレヤレ、我々にもお目付け役がやって来たな」
リンツ:
「これでは独立部隊としての我々の行動に支障をきたします。
最悪の場合、PKの連中に逮捕されるやもしれません。
隊長、『消し』ますか?」
オオイシ:
「・・・ひとまず様子を見よう」
ファーレンホーファー:
「隊長殿、お体に異常はございませんか?」
オオイシ:
「ああ、ジェノザウラーに乗ってからか?
心配いらん。ここに帰る途中で意識は取り戻したよ。
あの時、俺はジェノの深層心理に触れた・・・」
リンツ&ファーレンホーファー:
「深層心理・・?」
オオイシ:
「ああ。
あれは、心を狂わすオーガノイド・システムを憎んでいたよ・・・」
リンツ:
「自身のシステムを、ですか?」
オオイシ:
「無理矢理付けられた物だ。嫌がるのも無理はない。
だが、彼は『もっと恐ろしい事が起きる。それを防ぐならば、システムの苦痛に耐えて力を貸そう』
と言ってた」
ファーレンホーファー:
「もっと恐ろしい事・・・」
タリス:
「オオイシ大尉殿、よろしいですか?」
オオイシ:
「おお、すまんすまん。
リンツ君、ファーレンホーファー君、俺は出来る限り『もっと恐ろしい事』を防ぐつもりだ。
ジェノザウラーの力を借りてな。
君等も、出来る限り協力して欲しい」
リンツ&ファーレンホーファー:
「諒解!!」
グスタフとアイアンコングPK(タリス機)と合流して、キョクジツ隊はメルクリウス湖に差し掛かった。
タリス:
「オオイシ大尉、ミューズ大森林の事、聞いています。
・・・あれは、大尉のせいではありません。しっかりして下さい」
オオイシ(ジェノザウラー搭乗):
「心配かけてすまないな、タリス君」
タリス:
「いえ、部下達も・・不安でしょうから。
さあ、行きましょう。あまり話し込んでいるとグスタフに置いていかれてしまいますよ、大尉」
オオイシ:
「そうだな。
護衛か・・。オーシャン=スタンレー山脈を周ってすぐにポートモレスビーを潰さないといけないな」
リンツ(ライトニングサイクス搭乗):
「そりゃ『鋼鉄の咆哮』6-06です! 確かにあのステージは厳しいですがね・・・」
タリス:
「いつもこうなの?」
ファーレンホーファー(グレートセイバー搭乗):
「ええ、まぁ・・」
整備長(ウォディック搭乗):
「フロレシオス、貴様の最強神話も今宵限りじゃ」
三連続ソニックブラスターで撃沈した。
次のターン
タリス:
「!!、敵反応増大・・!
・・・大尉っ!」
オオイシ:
「ああ、こっちも捕捉しとるよ」
タリス:
「・・のんびりと行かせてはくれないみたいですね」
オオイシ:
「少尉、気を付けるんだ」
タリス:
「大尉もお気を付けて。敵の数は予想以上です」
オオイシ:
「ファーレンホーファー、ガイザックを付けるから北の砂漠地帯のプテラスの処分を任せる。
第二小隊のシーパンツァーとサイカーチスは艦隊の援護。他は私と共にグスタフの直衛だ。
むぅ、山岳地帯にディバイソン二機か・・・。こいつらの防御力は侮れん」
実際、レッドホーンMk-IIとジェノザウラーがディバイソンに半殺しにされてしまった。
だが、サイクスが白兵戦を挑み一機スマックダウン、もう一機はシーパンツァーが命中率57%の
狙撃を成功させてコアを射抜いた。
メルクリウス湖では艦隊が次々とバリゲーター・フロレシオスを撃沈、特にブラキオスはプテラスを
撃墜するオマケスコアまで記録した。流石防空巡洋艦(今作では主砲は対空のみ)である。
そんな中、奇妙な連絡がオオイシの元に届いた。
ブラキオス水兵:
「オリンポス山の調査をしたのですが・・、セイバータイガーのフィギィアらしき物を発見しました。
なんでこんな所にオモチャなんかがあるのでしょうか?」
タリス:
「セイバータイガー・・・。
大尉・・、大尉はトラ型や獅子型の高速ゾイドはお好きですか・・?」
オオイシ:
「何かね、唐突に。
まあ、特別までは行かなくても好きだな。筆者の買ってもらった初めてのゾイドは
サーベルタイガーだったし」
タリス:
「そうですか。実は、私も大好きなんです。
でも、ナイツになってから乗った事があるのはアイアンコングコングだけ・・・」
オオイシ:
「少尉、落ち着け」
タリス:
「・・・あ。別にコングが嫌いな訳ではありません。コングは素晴らしいゾイドです。
あだ、高速ゾイドにも乗ってみたいな・・・と。
済みません。不謹慎でしたね。・・行きましょうか」
オオイシ:
「そうだな・・・」
この後、サイクス(爆発物感知センサー装備)がグスタフの進路上の地雷除去作業を行い、
グスタフは無傷でメルクリウス湖を突破した。
タリス:
「ふうっ・・なんとか無事に突破しましたね。
しかし、・・噂に違わぬ強さですね。オオイシ大尉殿は」
オオイシ:
「いやぁ、照れるなぁ」
タリス:
「部下達が信頼しているのも理解できます。
・・とにかく、道を急ぎましょう。何故か・・偶然とは思えない・・・」
基地に帰ったキョクジツ隊は惰眠を貪っていた。
しかし、運の悪い例外がいた。夜警の番に当たっていたファーレンホーファーである。
ファーレンホーファー:
「ふぅあ〜あ、ねむぅ・・・。ん?」
謎の声:
「・・・ガイロス帝国は一体何処へ向かうのだろう。
・・・人の持て余す『力』を用い、お互いを傷付け合う・・・
私の忠誠は揺らいでしまったのかも知れない。
兄さん・・私を導いて下さい」
ファーレンホーファー:
「こ、これって、もしかして・・・」
サイカーチス傭兵:
「幽霊!?」
翌日の整備工場ではこの話で持ちきりだった。
ファーレンホーファー:
「ほ、本当に聞いたんだよ!」
レッドホーンMk-II老兵:
「んな事おっしゃっても、何とも・・・」
リンツ:
「それに幽霊が我々を呪うつもりなら、共和国の出身のはずだ。友軍に恨みを買った覚えは無いが・・・」
そこへハイデルがやって来た。
ハイデル:
「今日は、残念な報せがある。
それは、最前線での主力部隊の敗退だ。
補給線が断たれた事により、我がガイロス帝国軍は、ロブ基地へと強行突破を試みた・・・。
だが、傭兵連中を含む共和国の決死の抵抗の前に、思わぬ苦戦を強いられ、突如現われた
ゴジュラス・ジ・オーガによってPKコングですら撃破されてしまったのだ。
こうして我がガイロス帝国軍は第二次会戦において敗退、
現在はレッドラスト方面への敗走を続けている」
リンツ:
「なんと・・・」
ハイデル:
「そこで、貴様等には味方が逃げ延びるのを支援する役割を果たしてもらう。
貴様等には新兵器であるゾイド・ジェノブレイカーが支給される事となった。
心して扱えよ!
だが、ジェノブレイカーの調整はまだ万全では無い。
現段階での整備はこちらで行う事にする。
恐らく貴様等がヘスぺリデスに到着する直前には受け渡される事になるだろうがな・・・」
タリス:
「少佐殿、
あのゾイド・ジェノブレイカーは・・・」
ハイデル:
「おお、そうだ。
タリス少尉は今回の作戦には同行せぬように」
タリス:
「・・・何をおっしゃるのですか?
彼等について行くのが私の使命です」
ハイデル:
「だが、今回の任務は危険だぞ? 私は少尉の身を案じてだな・・・」
タリス:
「そういう事ならば、問題ありません。
私は任務を全うさせて頂きます」
ハイデル:
「・・・フン、そうか、では好きにするがいい。
・・貴様等、何をボサッとしておる。さっさと目的地に向かわんか!」
ヘスぺリデスへの道中、ジェノブレイカーを積んだグスタフが追い着いて来た。
ジェノザウラーをファーレンホーファーに預け、オオイシはジェノブレイカーに乗り換えた。
心を開いたジェノザウラーは勿論、ジェノブレイカーも異常は無い。オオイシを己の主人と認めた
からなのであろうか。
タリス:
「オオイシ大尉、その機体は、大丈夫なのですか?
その機体・・ジェノブレイカーはかなり無理な強化がなされているとの事ですが」
オオイシ:
「不思議と平気だ。
君こそいいのか? ハイデル少佐にあんな事言って、勤務評定に響くぞ?」
タリス:
「わたし・・・ですか?
私は大丈夫です。戦いは怖くはありません・・・。
ただ、あの男は嫌いです。あのような卑劣漢が、帝国の将校などと・・・」
ファーレンホーファー:
「・・・!!
見えました! 友軍です、大尉!」
オオイシ:
「むう、まだ対岸に取り残されている部隊があるな・・・。
全機全速力で対岸の友軍を援護する! 『加速』の使える者はEPが切れるまで使え!
整備長(ウォディック搭乗)、艦隊を率いて強行渡河せよ!!」
と命じるや否や、ジェノブレイカーはスラスターを全開にして一本橋に突進する。
こうして、後に
「砂は降る降る 人機も煙る
越すに越されぬ ヘスぺリデス」
と謡われるヘスぺリデス退却戦の火蓋が切られたのである。
共和国軍の先鋒のゴドスが遂に退却する帝国軍に追い着いた。物資を積んだグスタフを逃がす為、
モルガ・イグアン・ブラキオスNPCが絶望的な砲撃戦を展開するが、LVの差は克服し難く、全機
残骸と化した。だがゴドスも勝利の余韻を味わう暇は無かった。橋を真っ先に渡ったジェノブレイカー
が斬りかかり、ゴドスを袈裟懸けに一刀両断したからだった。
ゴドスの仇とばかりにディバイソンが突っ込んできた。不思議とオオイシと縁のあるゾイドである。
ぶちかましで吹っ飛ばされ、至近距離から17連突撃砲を浴びせられてはEシールドと
フリーラウンドシールドを持つジェノブレイカーと云えども堪える。だが、カウンターの一太刀で
角を斬り落とし、マタドールの様に猛攻を躱しながら5連続クリティカルの剣でディバイソンを料理した。
その時、傷ついたジェノブレイカーを庇う様に二機のゾイドが躍り出た。
サイカーチス傭兵:
「オオイシッ!!」
シンカー水兵:
「隊長ッ!!」
オオイシ:
「!?
下がれ! 君等の機体のHPでは敵を支え切れん!!」
シンカー水兵:
「いえ、下がりません!
勇敢な隊長を見捨てたとなってはガイロス帝国海軍末代までの名折れ!!」
サイカーチス傭兵:
「それに突撃を命じたのは手前ェだろ!」
オオイシ:
「・・・。
よし、応援が来るまで頑張ろう!!」
応援は来た。だが共和国側に、である。ウェインがジェノブレイカーより8もLVが上なブレードライガー
を駆り、ゴジュラスMK-II・シールドライガー・レイノスを引っさげて現われたのだ。
ウェイン:
「よしッ、追い着いた・・・!
行くぞ、みんな! ・・進撃開始だッ!」
リンツ(ライトニングサイクス搭乗):
「あ・・あれはッ!!
共和国機甲師団・機動部隊!
・・・隊長殿、奴等が現われました!!」
オオイシ:
「奴等が・・現われたのか・・・。
よりによってこんな時に・・・」
(筆者註:ゲームでは機動部隊は2ターン開始直後、ジェノブレイカーが全速を出しても
橋を渡り終える前に現われます)
ウェイン:
「取り敢えず、目の前のシーパンツァーを撃沈だ!」
思考ルーチン上仕方が無いとは言え、致命的なミスだった。この瞬間、彼等は任務失敗したと言っても
過言ではない。帝国前線を支えるのは僅かに三機。しかもジェノブレイカーのHPは約半分にまで減って
おり、
他の二機は元からHPが少ない。レイノスで(航空ゾイドとしては)低速のシンカー・サイカーチスを撃墜し、
大型ゾイド三機でブレイカーに当たれば難なく突破出来たはずである。
さてその頃リンツ以下の帝国主力はどうしていたのだろうか?
彼等とて「加速」を使ったり、砂地に強いガイザックを先行させたり必死に努力はしていたのである。
だが、退却してくるNPC部隊と渋滞を起こしてしまったのだ。第二次大戦のフランスにおいて、実際に
起きた事態である。妙にリアルな結果となった。余談はともあれ、本隊が橋を渡ったのは大勢が決した
後だった。
その中でファーレンホーファーは渡河を諦め、河岸に走った。そして川越えの狙撃でカノントータスを
屠ったのだった。
さて、北に目をやるとシーパンツァーが唯一隻で敵主力を足止めしていた。しかも、レイノス一機撃墜
のオマケ付だ。今次大戦でもシーパンツァーは陸上砲撃に特化した武装と低運動性の為、評価は高くない。
だが、今回に限っていえば能く被害担当艦の重責を果たしたと言えるだろう。本作戦のMVPである。
話を前線に戻そう。サイカーチスが奮戦していたが、遂に撃墜された。脱出した傭兵の目の前で愛機の
残骸はゴドスに回収されてしまった。筆者としては初めてである。
だが、防空巡洋艦ブラキオスが上陸、ダブルソーダを一掃する。本隊も次々と到着し、ブレイカーが
シールドライガーを、サイクスがゴジュラスMK-IIを斃した。
そんな中、タリスのPKコングが主砲の照準をウェインのブレードに定めた。
オオイシ:
「待て、タリス君。ここは私が一騎討ちを挑むのが筋っちゅーモンだろ」
タリス:
「そんな甘い事言ってる場合ですか!?
それに私・・NPCですので勝手に戦闘しちゃうんです!」
見事、二射二中である。
オオイシ:
「あ〜も〜既成事実化しちゃったので総攻撃!!」
ファーレンホーファーも荷電粒子砲を叩き込む。
ウェイン:
「何何だ、コイツ等!? 命中率50%台の攻撃を三連続で当ててくるなんて・・・」
トリはオオイシである。命中率50%台のエクスブレイカーをさらに二回当ててトドメを刺したのだった。
ウェイン:
「くそッ・・・やられた!!
あれは、紅いジェノザウラー!!
いや、違う・・新型か!?
まさか・・あいつは・・・。
くそッ! 撤退だッ・・・! 全軍、撤退せよ!」
毎度の事ながら、去って行った。
タリス:
「お見事です、大尉。
共和国の追撃部隊は撤退して行きます。
もう一方の脱出ルートの部隊も気になりますが、ひとまず基地と連絡をとりましょう」
サイカーチス傭兵:
「オオイシ、済まねぇ。あんたに修理費払わせちまって・・・」
オオイシ:
「いや、無理な命令を出したのはこの俺だ。謝るのはこっちだよ」
二人は固く握手する。残念ながら、この傭兵は最終決戦には参加しなかったが、キョクジツ隊の重鎮
として活躍するのである。
グスタフNPC兵:
「あの〜、お取り込み中申し訳ありません。
我々からの御礼といっては少ないのですが、受け取って頂けますか?」
グスタフ隊からアイテム提供の申し出である。
オオイシ:
「どうもありがとう。大切に使わせてもらうよ」
結束も新たに、キョクジツ隊は凱旋した。
基地に帰還して最初の不寝番に当たっていたのはあの傭兵である。彼が前回撃墜された事もあり、
オオイシが替る事を提案したが、彼は拒絶した。自分の責任は果たす。そのポリシーをヘスぺリデスで
オオイシに要求したように、彼もまた自分自身に課したのだった。
サイカーチス傭兵:
「ビガ〜ザウロのぉ、金ぁ〜型はぁ、今ぁどぉこにぃ〜、あるぅ〜のだろぉ〜っ
と、くらぁ。
む?」
謎の声:
「・・並みのパイロットでは乗りこなせないどころか、命を落す危険すらあるのだろう。
・・・そう、あの時の様に。
もう、あんな思いはしたくない。
だから・・・」
サイカーチス傭兵:
「おいおい、マジかよ・・・」
翌日
ファーレンホーファー:
「ほら、僕の言った通りだ。キョクジツ隊は、呪われているんだ・・・」
シンカー水兵:
「しかしファーレンホーファー候補生殿、おかしくないですか?
恨み事を言うのならともかく、心配してくれるなんて・・・」
オオイシ:
「次の不寝番は俺だ。あちらさんに用があるのなら隊長に直接言って来るだろう。
あ、リンツ君、次の補給はレッドホーンとブラックライモスを頼む。
ドリル萌え〜」
館内放送:
「キョクジツ隊の方々は、至急、大会議室までお越し下さい。
繰り返します・・・」
リンツ:
「なかなか休めませんね」
オオイシ:
「うむ・・」
大会議室で待っていたのは例によってハイデルであった。
ハイデル:
「任務の完遂、ご苦労だった。貴様等にしては、上出来だ。
だが、そんな事はどうでもいい。
実は、北の脱出ルートで問題が起ってな。
貴様等には引き続き、そちらへ急行してもらう」
リンツ:
「一体何があったのですか?」
ハイデル:
「ウム、北の脱出ルート・・・グラム湖方面には我が帝国の誇る新鋭ゾイド、デススティンガーが投入された。
が、戦闘中、あろうことかデススティンガーは暴走し、ヘリック共和国のゾイドのみならず、
味方である我が帝国軍にも攻撃を仕掛けてきた!
デススティンガーは完全なオーガノイド・システム塔載ゾイドという話だが・・・
どうやら不完全だったようだな」
レッドホーンMK-II老兵:
「なんと・・・」
ハイデル:
「・・もっとも、この暴走によって共和国軍の追撃部隊は壊滅、我が帝国軍も多大な被害を被った
ものの、
脱出には成功した。
今回貴様等には、このデススティンガーの行方を追ってもらう。
そのままレッドラストへ向かうのだ。
うまく行けば大きな手柄となり、私の印象もよくなろう。
くれぐれも、よろしく頼んだぞ」
タリス:
「隊長・・」
オオイシ:
「(少佐の言い方は気に入らんが)事は急ぐな。
リンツ君、今回は砂漠適性Bのグレートセイバーに乗りたまえ。君にモルガ自走砲タイプ・シンカー・
サイカーチスを付けて高速部隊とする。
整備長、ブラキオスとシーパンツァー、ガイザックなら砂漠でも戦えるはずだ。
ファーレンホーファー候補生のジェノザウラーとレッドホーンMK-IIは私の直率とする」
レッドラストには双方のゾイドの無残な骸が転がっていた(ゲームでは青色=共和国の物のみ)。
タリス(PKコング搭乗):
「ひどい・・・
こんな凄惨な戦場は見た事無いわ・・・。
一体、どんな風に戦えばこんな状態になるというの・・?
・・・
この様子だと、生存者はいないかもしれない・・・
・・とにかく、残骸の回収に当たってみましょう」
オオイシ:
「ああ・・・」
しかし、残骸を調べど調べど生存者は発見出来なかった。しかし、僅かな望みにかけて、彼等は黙々と
残骸を調べて行く。そんな中、遺跡の調査を命じられたサイカーチスからの報告がオオイシに届いた。
オオイシ:
「何も無し、か・・・。
大抵こんな場所に何か手掛りがあるものだが・・・」
その時、地面が激しく振動した。
ファーレンホーファー:
「隊長殿、ジェノザウラーがっ!!」
オオイシ:
「君もか! 私のジェノブレイカーも何かを感じているようだ!」
二機のオーガノイド・システム塔載機は砂漠の一点を見詰めている。
そこに真・オーガノイドが現われた!!
タリス:
「あれは・・まさか・・・!!
デス・・スティンガー!? まだ、こんな所にいたの・・・!?
隊長、お気を付け下さい! あいつがこの惨状を引き起こした悪魔です!」
オオイシ:
「ちょっと待ってくれ〜い。今宝探しで忙しいのだ」
デススティンガーの出現したのは南東の砂漠である。この時、オオイシのジェノブレイカーは
北西の荒れ地で宝探しに勤しんでいたのだった。
タリス&リンツ&ファーレンホーファー:
「隊長、雰囲気を盛り下げないで下さい!!」
オオイシ:
「まあ、そう急かすな。
お、見〜けっ!!」
そこにいたのは流線形のフォルムを持ったゾイドだった。
帝国兵:
「おいっ、そこのゾイド!
帝国軍だな?」
オオイシ:
「いかにもタコにも」
帝国兵:
「・・おお、我が友よ! 助かった!
・・実は、オレは帝国ゾイド強化プロジェクトの一環としてこのゾイドのテストをしていたのだが・・・
テストの途中で機体が暴走してな・・・。
一度、ちゃんとしたメンテナンスでも受けないと、動けそうも無い。
済まんが、お前さんの部隊でこいつの面倒を見てくれないか?
いや、何、もし気に入ってくれれば、お前さんの部隊で使ってくれてもいい。
そうすれば、テストにもなるし。
・・・何より、実戦ってのは最高のテストになると思わないか?」
オオイシ:
「そ〜だな。ウチには腕利きの整備長がいる。ありがたく使わせてもらおう」
帝国兵:
「そうか。気に入ってもらえて何よりだ」
タリス:
「獅子型のゾイド・・・
流線形のボディ・・・!
なんて、個性的なゾイドなの・・・?
こんなゾイド、見た事も無いわ・・・!」
帝国兵:
「こいつの名はライジャー!
ゼネバス帝国時代の超々高速ゾイドさ!
速度ならサイクスにも引けを取らないぜ!」
タリス:
「ライジャー・・。あの伝説の・・・。
ここで一曲。小島みさき『Zi上の星』です」
疾風(かぜ)の中のライジャー 雪の中のマンモス みんな何処へ行った 再販の目処もなく 草原のオルディオス 砂浜のシーパンツァー みんな何処へ行った 一部カード化して 旧ゾイドを誰も覚えていない 人はベイブ○ードばかり見てる シュトルヒよ 高い空から 教えてよ 地上のマルダーを ビガザウロの 金型は 今何処にあるのだろう(いえ、自作のネタの中では気に入っていまして・・・)