帝国編・第二章後半
レッドラスト現地でライジャーの調整をしているキョクジツ隊に、ハイデルから通信が入った。
ハイデル:
「貴様等、そこで何をしている!
デススティンガーは、どうなったのだ!?」
タリス:
「デススティンガーは、取り逃がしました。
あと少しだったのですが、地中に潜られてしまいました」
ハイデル:
「な、ナヌ!?
帝国、共和国が束になっても、敵わんかったあのゾイドを・・・退けただと!?
・・・いやいや、違う!
取り逃がしたのか、貴様等!?
撃破出来ずに!」
タリス:
「少佐。確か彼等の任務は、デススティンガーの消息を追う事だったはずですが・・・」
ハイデル:
「ん!?
あ、え〜と、・・そ、そうだったかもしれんな。
・・・うむ、デススティンガーの事はまあいい。貴様等に次の任務を与える!
どうやら今度は、共和国の精鋭部隊による追撃作戦が行われるらしい。
なんでも、この作戦に配備される部隊はかなりの精鋭揃いという事だ。
奴等め、我々に態勢を整える暇を与えないつもりらしいが・・・
そうはいかんぞ。
貴様等の出番だ!
デススティンガーを退けたというその実力できゃつ等も蹴散らして来い!
貴様等は、そのままミューズ大森林地帯へ向かい、共和国の精鋭部隊と相対せよ!
事態は急を要する。
ただちにミューズへ向かえ!」
オオイシ:
「毎度の事ながら少佐の言い方は気にいらんが、とにかく急ごう。
レッドホーンをコマンダーセットで改造、地上に配置されるウォディックにはクライムエンジンを装備せよ。
補給部隊にはダークスパイナーとシュトルヒ・レドラーの補給を要請。これ以上サイクスはいらん」
リンツ:
「レッドホーンを改造すると、レッドホーンBGになりました。さらにリミテッドセットで改造すると、
ダークホーンになりました」
オオイシ:
「う〜ん、リミテッドセットの中身って実は塗料なのかなあ。
まあいい。私はライジャーの完熟訓練をするぞ」
対空格闘能力すら有するライジャーの性能は並の中型ゾイドを遥かに凌駕するものだった。
だが、訓練を見学したものは皆笑い転げた。
タリス(笑いを堪えつつ):
「た、大尉、ライジャーってカワイイですね。
ハトムネで、お目々が大きくって、短足で、頭デッカチで、前歯が無くて・・・
(一同我慢出来ずに)ギャハハハハハハ!!」
オオイシ:
「ビジュアル的に問題アリだが・・・
その他は超A級だ。リンツ君、君にダークホーンを任せる。整備長はジェノブレイカー、
ファーレンホーファー君はコマンダーセットで改造したジェノザウラーRSだ」
笑いを堪えつつ、ミューズ森林部隊へ来てみると、
タリス:
「見えました、あれが共和国の精鋭部隊です!
大尉殿、行きましょう。皆を守る為にも!」
オオイシ:
「ついでに勝手に突っ込むNPCの君もな。
よし、私の隊のシンカーをリンツ君の艦隊に回そう。整備長の部隊は北の森の敵に当たれ。
他の司令戦隊は東の敵を掃討した後、整備長隊を手伝おう」
最初の命令後、整備長の第三小隊は素晴らしい戦果を挙げた。いきなりグレートセイバーがコマンドウルフ・
バリゲーター二機・ベアファイターを葬ったのだ。バリゲーターを陸上で運用するという
敵に根本的な戦術ミスがあったとはいえ、大したものである。その後、ジェノファミリーの活躍もあり、
敵第三小隊(北の森の部隊)はわずか2ターンで全滅した。
リンツ隊も彼のダークホーンが死闘の末にマンモスを撃破、艦隊もフロレシオス相手に善戦し、
遂に敵を打ち破ったのだった。
そうこうしている内にタリスのPKが戦場に到着し、敵総司令機ゴジュラスMK−IIに砲撃を開始した。
だが、彼女にヘスぺリデスで見せたような腕の冴えは無く、ビームランチャーは躱され、逆にバスター
キャノンを
食らってしまった。共和国編でもそうだったが、どうもこのゲーム、ゴジュラス贔屓である。
その周りでは、ブラックライモスをいたぶっていたグスタフをオオイシのライジャーが黙らせた。
敵艦隊司令機のサラマンダーにはシンカーが戦いを挑んだ。水中に隠れつつ、ビームを浴びせる。
だが、サラマンダーのバルカンファランクスは容赦無くシンカーの装甲を刻んでゆく。激しい銃撃戦の果て、
サラマンダーはその巨体を海に静かに横たえた。シンカー大金星である。
残すはゴジュラスMK−II唯一機。
サイクスがその機動性で翻弄するが、一瞬の隙を突かれ噛み付かれてしまった。止めはライジャーである。
今回の作戦の活躍により、ライジャーは実力で総司令機の器たる事を証明したのである。
ライジャーの勝利の雄叫びが呼んだのか、ハイデルのダークスパイナーが四機のPKコングに囲まれるよう
にして
姿を現わした。
ハイデル:
「大丈夫か、貴様等?」
オオイシ:
「はい、ピンピンしています」
ハイデル:
「ほぉ、
この私、ハイデル=ボーガンとP・Kが助けに来なければ全滅しておった所だの!」
ドルフ=グラッファー(PK隊長機):
「タリス少尉、今までご苦労だったな。
・・何も変わりは無いか?」
タリス:
「は・・変わりありません、隊長」
ドルフ:
「そうかそうかの草加煎餅・・。ならば構わんが・・・。
あまりに共和国に先手を打たれるもので裏切り者でも潜んでいるのかと思ったが。
・・少尉が言うなら問題はあるまい」
ハイデル:
「はっはっは、ご冗談を閣下。
では、そろそろ本隊に戻りましょう。
・・貴様等も基地に帰還せよ。
指示あるまでは待機とする!
以前の様に好き勝手に動かれてはかなわんからな!
今後は私に従えよ!
さてと・・・
我等は一足先に帰還し、この武勇を皆に聞かせるとしようではないか!」
相も変わらず腹の立つ事を言いながらPKは撤退してゆく。オオイシならずとも黒板消しトラップを
仕掛けたくなるような連中だ。
タリス:
「なんて事・・・
なんて卑怯者達なんだろう・・・!
P・Kでさえ・・・
誇りを失ってしまったというの?
この国は・・変わってしまった・・・」
オオイシ:
「皆が変わった訳じゃあない。現にほら、君はP・Kの変貌に疑問を感じているではないか。
不義を許さぬ心を持つ者がいる限り、大丈夫だよ」
タリス:
「オオイシ大尉・・
大尉ならきっと、オーガノイド・システムを乗り越えられると信じています」
ファーレンホーファー:
「(僕達も使いこなせていると思うんですが・・)」
リンツ:
「(しーっ! いいムードの時に野暮なツッコミは不要だぞ)」
タリス:
「だから・・・」
オオイシ:
「だから?」
タリス:
「共に、私の愛したガイロスを・・
兄の愛した帝国を、救いましょう!
・・悪しき者達の手から!!
・・私は今、この時からPKである事をやめます。
これからは、オオイシ大尉の部下として扱って下さい!」
オオイシ:
「いいのか?」
タリス:
「覚悟は出来ています! 例えこの身がどんな・・」
オオイシ:
「いやそうーじゃなくて・・、
メシも不味くなるし、給料も下がる(一般部隊よりはいいけど・・)、それでもいいのかねと聞いているんだ」
タリス:
「え、それじゃ・・」
オオイシ:
「うむ。タリス=オファーランド少尉、貴官の転属を許可する。辞令は後で用意する」
タリス:
「ありがとうございます、大尉殿!」
オオイシ:
「それにしても幽霊の正体がなぁ・・」
タリス:
「幽霊? 何の事です、大尉殿?」
オオイシ:
「あわわわわ、何でもない、こっちの事だ」
こうしてタリスは晴れてキョクジツ隊の一員となったのであった。
ハイデルにより独立部隊としての行動を禁じられたキョクジツ隊は怠惰な日々を貪っていた。
そこへ、
ファーレンホーファー:
「オオイシ隊長! 隊長宛に無線です。繋ぎますよ〜」
謎の声:
「オオイシ隊長は、おるか!
わしはガイロス帝国軍・新兵器開発工場の責任者であるバーシアス=ソード大尉である!
実はな、最近我が秘密工場の周辺で共和国の斥候がうろついているのが目撃された。
恐らく、近々奴等の項劇画あるとわしは踏んでおる。
そこで、キョクジツ隊にメルクリウス湖まで来てもらい、わしの工場の警護に当たってほしい。
もちろんそれなりの礼はさせてもらう。
頼む、力を貸してくれ!」
オオイシ:
「聞いたか? ここんとこ退屈だったから、一暴れできるぞ」
ファーレンホーファー:
「しかし大尉殿、無断出撃したらハイデル少佐殿にどういうインネンをつけられるか・・・」
オオイシ:
「う〜む・・・
そうだ!
『敵の奇襲を受けそれを撃退。現在追撃中』って事にしてしまおう。
整備長、追討許可証を『作製』したまえ」
整備長:
「へいへい。まぁ、急ぎましょう」
オオイシ:
「よし、全軍『追撃』開始!」
基地についたオオイシは新型機の見学をさせてもらった。
オオイシ:
「ライジャー以来ですな、帝国のライオン型は」
バーシアス:
「共和国のライガーとやりあうにはこっちもライガーじゃ。
ところで大尉、コイツ等にはとっておきの機能があるのじゃ」
オオイシ:
「はぁ、何でしょうか」
整備員:
「それはチェンジング・アーマー・システムだぎゃ」
バーシアス:
「これ、わしの台詞を取るでない」
整備員:
「失礼しみゃした・・。
あ〜っ、海老ふりゃ〜が泳いでるぎゃあ!!」
オオイシ&バーシアス:
「えっ、どこどこ?」
整備員:
「それっ、今のうち!」
タリス:
「あれは!?
隊長殿、何者かが新型ライガーを!!」
ウェイン:
「し・・しまった!」
流石はライガーシリーズを愛機とするウェイン、鮮やかに新型=ライガーゼロを奪っていった。
タリス:
「オオイシ隊長、何をしているのですか! とりあえず、あのゾイドに・・・!!
バーシアス=ソード殿には私から説明しておきますッ!
とにかく今は、あのゾイドを止めなくては!!」
オオイシ:
「そうじゃのう!」
バーシアス:
「タリス少尉、今の話聞いたぞ。
無論OKだ! 頼むぞ、オオイシ君!!」
オオイシ:
「まかせて下さい。
タリス君はライジャーでライモスと共に追撃したまえ。海からはシンカーとブラキオスで艦砲射撃を浴びせる!」
タリス:
「諒解!
(あこがれの高速ゾイドに・・。不謹慎だけど、わくわくっ)
って、やっだ〜、何これ!?」
なんと、水中部隊配備を選ぶと陸上ゾイドは基地の東の小島に配備されてしまうのであった。
オオイシ:
「これじゃものの役に立たん!
引き上げだ! 全機水中ゾイドでやり直す!」
タリス:
「ど〜やって帰るのですか〜〜〜」
オオイシ:
「その前にどうやって移動したのだろう?」
バーシアス:
「あ〜も〜何やっとんじゃ!」
ウェイン(ライガーゼロ搭乗):
「一体帝国の連中は何やってんだ?
追手を引っ込めたり出したり・・・」
ラガート(ゴルドス搭乗):
「混乱につけ込むなら今です。ウェイン隊長、こちらにお逃げ下さい!」
ウェイン:
「分かった! 援護を頼む!!
・・ってどこ行くんだ、ゼロ!?」
オオイシ(バーサークフューラー搭乗):
「そりゃこっちの台詞だ!
貴様がやられると敗北なのになんで基地に突っ込んで来るんだ!?」
ウェイン:
「俺に聞くな! プログラマーに聞け!
うわ〜っ!!」
なんと、ゼロがフューラーに突っ込んできた。オオイシは基地の地形効果を利用して耐えるのに必死だ。
補助値が0なので逃げるのにも時間がかかる。かと言って、ゼロを倒すとクリアになってしまうのだ。
そうこうしている内に帝国艦隊と共和国艦隊は交戦距離に突入していた。
タリス(ウォディック搭乗):
「隊長! MAP攻撃しましょう!!」
オオイシ:
「おう!
俺の荷電粒子砲が真っ赤に燃えるっ!!」
タリス:
「ゼロを止めろと轟き叫ぶっ!!」
オオイシ&タリス:
「ぶぁ〜くねぇつっ!! 拡散荷電粒子砲&AZミサイルランチャー!!」
この攻撃を合図に、海戦の火蓋が切って落された。タリス達の奮闘により、僅か2ターンで共和国艦隊は
全滅した。
ところが、タリス達はオオイシの援護に向かうどころか残骸回収に夢中になってしまった。
オオイシ:
「あのぉ、ボクは?」
コマンドウルフ兵:
「へっへっへ。お仲間さん達は残骸回収に夢中らしいなあ。
そらそらそらそらぁ!!」
オオイシ:
「キーーッ!!
コマンドウルフ如きにこんな事言われたり、HP半分削られたくな〜い!!」
ウェイン:
「ごめんオオイシ、怨むならプログラマーを怨め」
オオイシ、災難である。もっとも、ライジャー回収の為任務を放棄したレッドラストの一件の報いとも言えるが。
この苦闘は艦隊が全海上残骸を回収するまで続いた。
タリス:
「ふうっ、大漁大漁!
あ〜っ!! 隊長の援護忘れてた〜!!」
オオイシ:
「気付くの遅いよ・・・
さて、よぉ〜もやってくれたのぉ、ワレェ・・」
コマンドウルフ兵:
「お、お姉さん、結婚式なんですぅ〜」
オオイシ:
「ハッ、聞・こ・え・ん・な」