共和国編・第三章後半
ニクシーの陥落とともにガイロス帝国全軍はエウロペから二クスへ撤退していった。
共和国大統領ルイーゼは帝国に休戦を提案した。
だが、帝国の実質的な最高権力者である摂政プロイツェンはこの勧告を拒否。
ZAC2001年冬、戦いはまだ、終わらなかったのである。
ロブ基地にて
オオイシ:
「・・・全く大統領閣下のお名前を誤植するとはけしからんのう。これでは兄よりジャンプ力
で優れる代りにブレーキが効き難くなってしまうではないか」
ハラ:
「そりゃルイージです」
オオイシ:
「おお、そうか。で、観艦式用のウルトラの改装はどうなっている?」
ハラ:
「バスターキャノンセットとビームキャノンセットを用いていますが、あまり作業は進んでおりません」
オオイシ:
「ま、戦闘に使う訳ではないからな。ゆっくりやればいいさ」
ラガート:
「いたいた。オオイシ大尉、クラッツ少佐が会議室でお呼びです」
オオイシ:
「分かった、すぐ行く」
会議室にて
クラッツ:
「諸君、どうやら長い戦いになりそうだ。
プロイツェンは停戦協定を蹴り、徹底抗戦の構えを崩さないらしい。
かくなる上は・・・」
突如、ロブ基地が激震した。
クラッツ:
「・・・!?な、何事だ!」
オペレーター:
「スクランブル、スクランブル!
本基地は正体不明のゾイドからの攻撃を受けています。出撃可能な機体は直ちに迎撃体制に移って下さい!
繰り返します・・・」
クラッツ:
「くそっ!・・・どうしてもっと早く接近に気付かなかった!?
オオイシ大尉、兎も角出撃だ。
ロブ基地に現われた無謀を思い知らせてやれ!!」
ラガート:
「しかし、新旗艦のウルトラは・・・」
オオイシ:
「出撃可能だよ」
ラガート:
「え・・・」
オオイシ:
「工事の遅れに気付かなかったのかな?あれは観艦式用の帆布製の砲が完成していたのを撤去して、
本物の砲に換装したのだ」
ラガート:
「それでは・・・」
オオイシ:
「うむ、改造ウルトラザウルス・その名もグレートザウルス堂々の完成だ!」
ラガート:
「・・といっても初期配置では洋上にデススティンガーがいますね」
オオイシ:
「私が乗りたかったが止むを得ん。ハラ君、グレートと艦隊を頼む!」
基地の外には、デススティンガーが7機もいた。
ラガート(プロトタイプマッドサンダー搭乗):
「た・・隊長殿!!コイツ等は、デス・・スティンガー・・・。しかもこんなに!」
デススティンガー:「シャアアア!!」
ガラント(ディバイソンNPC搭乗):
「諸君・・・!奴等をロブ基地に近付けるな!!だが、射程には気を付けろ!」
ハラ:
「もう入っちゃってま〜す!」
オオイシ:
「ハラ君、何とか耐えろ!ラガート隊は一番遠い奴を撃破したら、基地の防衛に当たれ!
司令戦隊は一番近い奴を葬ったら艦隊の援護に向かう。主砲弾は温存しろ!」
とオオイシは命じたものの、何と一ターン目にフロレシオス(マエバラ機)が奇襲でデススティンガー
を倒してしまった。全く、どちらが真オーガノイドかと言いたくなる結果だった。その他、
グレートとマーキュリー(ジェリコー機)が各一機のデススティンガーを倒してしまった。
オオイシ:
「なんとまあ、脆いのう・・・」
筆者も同感である。
拍子抜けた二ターン目
共和国パイロットA:
「・・・間に合ったか!」
ラガート:
「ライガーゼロが・・・二機も!?一機はイエーガーだが、もう一機は?」
共和国パイロットA:
「ライガーゼロ・イエーガー!ゼロの換装の一形態だ!」
共和国パイロットB:
「同じくパンツァー!これがゼロの最後のパーツだ!」
オオイシ&筆者:
「(シュナイダーは・・・?)」
ラガート:
「気を付けろ・・って全然聞いてない〜!」
ラガートの忠告空しく、ライガーゼロNPC二機は四ターン目に敵司令機に挑み、あっけ無く返り討ちに
されてしまうのであった。
話を対デススティンガー戦に戻そう。最後の海上デススティンガーはバリゲーターと交戦、双方深手を負い、
結局ウォディックに止めを刺された。
ラガート隊は艦隊の援護の必要が無くなった司令戦隊の活躍で出番が無くなり、
結局MAP兵器を食らっただけだった。
最後のデススティンガーはグレートに噛み砕かれ、以外とアッサリとロブ基地を守り抜いたのだった。
そこに、見慣れたDCSが現われた。
クラッツ:
「見事だ、諸君。恐らくこのデススティンガーの群れはプロイツェンが放ったモノだろう。
・・・ヤツめ、エウロペを焦土にするつもりか?
どうやらこいつらはオーガノイドシステムの効果を抑えて作られた量産型らしいな。この残骸は、
オーガノイドの研究材料として役立ちそうだ」
ハラ:
「どうも、こんなん役に立つのですかねぇ」
共和国パイロットA:
「少なくとも、私達に対しては役に立ちましたぞ、ハラ参謀」
共和国パイロットB:
「もぉ、格好付けたがるんですから」
共和国パイロットA:
「まあ、そう腐るな。派手な決め台詞は男子の本懐だぞ。おっと、海軍情報部の者です」
共和国パイロットB:
「私は陸軍情報部から派遣されてきました。以後お見知りおきを」
ウォディック水兵:
「情報部から来られたなんて、何か特別な事情でもあるのですか」
共和国パイロットA:
「ウム、ちょっと気になる情報を入手してな」
共和国パイロットB:
「軍令部に無理言ってライガーゼロを回してもらった訳ですよ」
オオイシ:
「後で聞こうか・・・」
クラッツ:
「遂に明かされるぞ!デススティンガーの『力』の秘密!!
そして、この『力』を知る者は最早地上に私一人となった!私はエウロペの支配者だ。
・・・いや、エウロペだけでは無い。
中央大陸デルポイ、暗黒大陸二クス、惑星Zi全土を掌握し、真の支配者となるのだ!!
さあ行こうではないか、真オーガノイドよ。貴様の下僕で地上を埋め尽くす為に!!」
ラガート:
「隊長、オオイシ隊長、大変です!クラッツ少佐が、デススティンガーのコアを奪って逃走した
という疑惑をかけられていますッ!我がキョクジツ隊にも、追討命令が出ています!
・・・いったい、どうなっているのですか!?」
オオイシ:
「少佐の裏切りか・・・。君の配属前にハラ君と少佐の紅いDCSを見て、有り得るかもしれん、
と話した事があったが、まさか実現するとはな・・・」
ラガート:
「そんな・・・。隊長殿は・・・」
共和国パイロットB:
「いえ、我々もそれらしき情報はキャッチしていました。
考えても見て下さい。三ヶ月、たった一人で敵中に潜伏していて、一度も交戦が無いのは不自然だと
思いませんか。
それに、それ程の潜伏が出来る少佐が自力でロブ基地に辿り着こうとしないのも不自然です」
ラガート:
「確かに・・・。隊長、今は少佐を追いましょう。そして、事情を聞きましょう!
少佐の逃亡コースは、北の海岸線です」
オオイシ:
「この配置か・・・。ハラ君、引き続き艦隊を任せる。ラガート中尉は航空隊の指揮を執れ」
グライドラー傭兵:
「ヤロー、とうとう麻薬に頭やられたな」
オオイシ:
「まだ分からん。事実を突き止める為に、出撃だ」
キョクジツ隊はクラッツを追う。だが、そこに待ち受けていたのはジェノザウラーを含む
帝国のスリーパー部隊だった。
ラガート:
「まさか・・、少佐が・・・!?」
オオイシ:
「数が少ないのも不自然だな・・・。罠・・かな。全機に警報!我が隊は敵の奇襲を受ける可能性が大なり!」
緒戦でレイノスとプテラスがレドラーを一機ずつ撃墜した。
グライドラー傭兵:
「はて、こうもレドラーとは脆かったかいな・・」
二ターン目、BGMが変わった。すわ敵襲、と身構えたオオイシ達の前に現われたのは・・・
アイン:
「ひとぉ〜つ、人より生き血を吸って!
ふたぁ〜つ、故郷悪行三昧!
みぃ〜っつ、未来のこの世の鬼を・・・」
一同:
「混じってるぞ!!」
アイン:
「退治しましょう、トリニティーライガー!!」
言うや否や、トリニティーライガーはザブンと海に飛込んだ!
オオイシ:
「お、おい!サブマリンユニット装備といってもはしゃぎ過ぎだぞ。ラガート君、我々が敵第三小隊の
中型機を掃討する。終わり次第、小島のジェノザウラーを撃破しろ。このままではトリニティーライガー
が的にされてしまうぞ!」
司令戦隊はマルダーのサビサビミサイルの猛射を浴びつつも、任務を果たした。
当の航空隊は大きい島の東側に位置していた。そして、島の西岸から現われた機体を目撃した。
ラガート:
「オオイシ大尉っ、敵の罠はシンカーです!レイノス、ジェノザウラーへ攻撃を!第二波は私が!
プテラス・グライドラーはシンカーの迎撃を頼む!」
レイノスがジェノザウラーに銃撃を浴びせる。が、流石はオーガノイド搭載機、レイノスを残りHP5まで
追い詰めた。たまらず撤退するレイノスとすれ違ったマーキュリーが機銃掃射を浴びせ、ジェノザウラー
を沈黙させた。プテラス・グライドラーも一機また一機とシンカーを撃墜する。
が、スリーパー隊の罠はシンカーだけでは無かった。
レイノス飛行兵:
「くっ、射程5の狙撃だとッ!」
森林部に隠れていたサイカーチスにレイノスが撃墜された。レイノスの仇は触雷して出遅れたバリゲーター
によって果たされた。
そしてグレートザウルスが敵艦隊司令機のウォディックと総司令機のジェノザウラーを倒した。しかし、
この戦闘でクラッツのDCSを見失ってしまった。この意味では戦略的敗北と言えるかもしれない。
ラガート:
「クラッツ少佐はスリーパー技術に詳しいと聞いています。情報部員の言う通り、少佐の失踪した頃から
おかしい事ばかりだ・・・。
もしかしたら・・・」
オオイシ:
「とりあえず、基地に帰って検討しよう」
ラガート:
「そうですね・・・」
かつてのキョクジツ隊・隊長オーダイン=クラッツ少佐が行方をくらませた。
それも、デススティンガーのコアを奪って・・・。
・・我々は、クラッツ少佐を討つ事になるのだろうか?
何かがおかしい・・・
きっと、オリンポス山頂で「破滅の魔獣」に遭遇した時から我々の運命は狂ってしまったのだ・・・
次席参謀モトトキ=ハラの日記より
ラガート:
「隊長!アレキサンドル東部の海岸付近でクラッツ少佐のDCSが見つかった、との連絡が入りました!
行きましょう、アレキサンドルへ。・・・行って、確かめるのです!」
オオイシ:
「アイン、司令戦隊に加わってくれ。他は前回と一緒だ。ラガート君、ハラ君、直ちに出撃だ!」
艦隊が突出する形で海岸に布陣したキョクジツ隊の見た物は、クラッツのDCSとそれに寄り添う
デススティンガーだった。
ラガート:
「クラッツ少佐・・・」
クラッツ:
「ほう、オオイシ隊か。・・どうした、血相を変えて?」
オオイシ:
「どうして・・こんな事を・・・」
クラッツ:
「どうしてだと?妙な事を言う、大尉。・・分からんか?時代が変わったのだよ、時代が」
ラガート:
「そんな・・なんて事だ・・・」
オオイシ:
「少佐、いや、奴を止める!!」
ラガート:
「・・・!!
そうですね、隊長の言う通りです。
やりましょう、隊長!我々を・・・導いて下さい!」
かつての上官を討つ戦いが始まった。
初期配置で突出している艦隊旗艦・グレートザウルスが真っ先に狙われた。だが、流石というべきであろう。
シンカーとウォディックを返り討ちにし、集束荷電粒子砲二発をあびつつもジェノザウラーを撃破した。
わずか一ターンでの戦果である。他方、ニクシー基地攻略戦から被害担当艦のバリゲーターはシンカーに
コテンパンに撃たれ、残りHP505でやっと逃げ出した。
司令戦隊は海岸沿いに進撃しているので、しばらく主役はハラ艦隊とラガート航空隊になる。
ラガート隊はウォディックのMAP兵器を無傷でくぐり抜ける、ひたすら西進、艦隊との合流を目指す。
お宝回収の為遅れたグライドラーがウォディックの対空射撃を浴びるも、これをかわし本隊を追う。
艦隊はグレートザウルスが奮戦したものの、シンカーの数ともう一機のジェノザウラーの集束荷電粒子砲
に
よって苦戦を強いられた。だが、航空隊、さらには司令戦隊の到着により劣勢を挽回した。プテラスが
シンカーを痛めつけ、レイノスが止めの銃撃を浴びせた。グライドラーを襲った最後のウォディックは
今までいいとこ無しだったバリゲーターによって斃された。
陸上でも、やっと戦場に到着したオオイシのゴジュラス・ジ・オーガがその俊敏性をフルに生かし、
ライトニングサイクスを撃破、ジェノザウラーも行動予測を身に付けた捕獲用ゴジュラスに斃された。
マエバラ:
「オオイシ隊長、さっきから気になるのですが、DCSのいる半島にステルス機がいるようです。
ソナーで偵察してきます」
勇んで東進した彼のフロレシオスは思いっ切り触雷してしまった。だが、ソナーが一体のステルス機の
足音を捉えた。
マエバラ:
「隊長、あれは・・・ライガーゼロです」
オオイシ:
「遂に完成した様だな、本家ライガーゼロ・・・。
思えば、ライガーゼロ試作機を奪取したのが第二次全面会戦前・・・。実戦配備されるには十分過ぎる
時間だ。これが少佐の罠という訳だ。手強いぞ、こいつは・・・」
その時、通信がオオイシの無線機に入った。
アルティシア:
「しっかりして、オオイシ大尉ッ!
あたしは共和国軍のアルティシア=フィールド少尉よっ!
ルイーズ大統領の命にて、ウルトラザウルスをお届けにあがりました!
只今より、本艦はあなた達を援護します!・・頑張りましょっ!」
ハラ:
「何とまぁ、最近の若いモンは活きがいいちゅーか・・・」
オオイシ:
「まあハラ君、頼もしい援軍ではないか。艦隊は我々と合流だ」
ハラ:
「諒解。ん?」
グレートザウルスがイクスの奇襲に引っ掛かった。だが、グレートはイクスに噛み付き、持ち上げた!
そして・・・
ハラ:
「小癪な!!」
豪快な橋破壊式パワーボム(?)をお見舞いしたのだった。
次のターン
クラッツ:
「デカブツどもめ、目障りだ。そろそろ消えてもらおうか」
デススティンガーが動きだし、海に突入した。
ラガート:
「奴を橋上のオオイシ大尉に近づけるな!大尉は、クラッツを討たねばならん!」
と、レイノスとグライドラーが凶戦士に挑みかかったが、大ダメージを受け離脱を余儀無くされた。
グライドラーはさらにイクスのエレクトロンドライバーを一発食らったが、なんとか撃墜は免れた。
航空攻撃が駄目なら艦隊決戦、とばかりにバリゲーターとフロレシオスが仕掛けていったが、
バリゲーターは荷電粒子砲の直撃を受け、フロレシオスは魚雷が弾切れした為逃げざるを得なかった。
一方、対イクス戦はキョクジツ隊が押していた。
プテラスが一騎討ちで一機倒し、リペアキットで回復したグライドラーはハイブリッドアーマーを
砕かれながらも、イクスを葬った。最後のイクスがプテラスを襲って撤退させたものの、
アイン:
「やっと出番とあいなりましたか」
やっと出番が回ってきたトリニティーライガーの餌食となった。
残るはデススティンガーとクラッツのDCSのみ。DCSはオオイシのオーガで挑む予定なので、砲火を
デススティンガーに集中した。しかし、荷電粒子砲二発の直撃により、レイノスが墜とされてしまった。
仇とばかりにマーキュリーが主砲全弾を叩き込んだが、大ダメージを受け離脱。
後はまかせろと、グレートも二発のバスターキャノンを叩き込んだ。だが、敵艦隊との交戦で対潜ミサイルは
既に弾切れ。しかも36cm主砲をクリティカルで潰された為離脱を余儀無くされた。
クラッツ:
「くっ、デススティンガーよ、まだ完全では無いというのか・・・。撤退する!」
オオイシ:
「逃げられたか・・・」
後一ターンの移動でクラッツに格闘戦を挑める位置まで来ていたオオイシが悔しそうに呟く。
ラガート:
「隊長、私にはデススティンガーが命令を聞いていた様に見えました。いかに少佐がスリーパー技術に
詳しく、オーガノイドシステムを解析していたとはいえ、ああも従順になるのでしょうか?」
オオイシ:
「我々には未知の技術が使われたのかもしれん。とにかくロブ基地に帰り、ガラント中佐に
クラッツ叛乱の報告をしよう」
オーダイン=クラッツ少佐の裏切り・・・・・
その噂はキョクジツ隊の将兵にとってあまりにも衝撃的な出来事だった。
そして、その裏切りは最も凄惨な形で現われようとしていた・・・。
無数のデススティンガー
この考えたくも無い様な悪夢が現実となって西方大陸の諸都市を襲ったのだ。
その被害はエウロペ全土に及んだ。
デススティンガーはゾイドのいる場所なら何処にでも現われた。
この強大な力を持つ悪魔のようなゾイドは、ゾイドの心臓ともいえるゾイドコアを抉り取り、
奪い去って行くのだ。
荷電粒子砲とEシールドを持つこの極めて強力な大型ゾイドに対抗出来る戦力はエウロペには
存在しなかった。
そう、或る二ヶ所を除いては・・・