共和国編・第四章後半


第四章第四話「終局の地」

タリス:
「ようこそ、皆さん。今回の作戦説明は私、タリス=オファーランドがさせて頂きます」
アイン:
「いよっ、待ってました!」
タリス:
「・・コホン、現在、北エウロペ全域においてデススティンガーによる被害が多発しております。
しかも、デススティンガーは集めたゾイドコアを使って自らの分身・・新たなデススティンガーを
生み出しています。
このままでは西方大陸、いえ、惑星Ziそのものがデススティンガーに埋め尽くされてしまいます。
私達が生き延びる為には、デススティンガーを滅ぼすしかありません」
ハラ:
「少尉の言う通りだ。して、その方法とは?」
タリス:
「それは、デススティンガーの本体を叩く事です!
というのも、彼等の動きは極めて組織的で、恐ろしく手際が良いのです。これは、明らかに指揮系統が
存在している証拠です。という事は、デススティンガーの本体を叩けば、彼等という集団に致命的ダメージを
与える事が出来るはずです。
オオイシ大尉、以前レッドラストでデススティンガーの巣を発見された、と伺っていますが・・」
オオイシ:
「ああ、あの遺跡か。焼き払ったよ。古代ゾイド人の技術を封印してしまう事は惜しかったが、人々の
安全には替えられん。デススティンガーもオーガノイドシステムと同じく古代ゾイド人の遺産だったの
かな」
タリス:
「大尉のおっしゃった通り、デススティンガー、つまり真・オーガノイドシステムは古代ゾイド人の
遺跡と何らかの関係があります。そして、我々の発見した最も大きい遺跡がレッドラスト西端にあります」
アルティシア:
「な〜るほどっ、そこにデススティンガーの親玉がいるかも、って事ね?」
タリス:
「ええ。向かいましょう、レッドラストへ! 私達帝国と共和国の力を結集して!
・・つきましてはオオイシ大尉、お願いがあります」
オオイシ:
「何かね?」
タリス:
「私に、ゾイドを貸して下さい。ニクシー基地撤退作戦でただでさえ消耗していた特務部隊所属ゾイドは
隊長のフューラーを除いてクラッツに操られてしまいました。しかし、私には副官として、レイハルト大尉に
同行する義務があります。ついさっきまで敵だった将校に対して何を・」
レイハルト:
「気持ちだけで十分だ、タリス」
オオイシ:
「ならばその気持ちに対してプレゼントだ、少尉。ライガーゼロ・シュナイダーに乗りたまえ。
元々帝国の機体だ。訓練無しで操縦できると思うがね」
レイハルト:
「おい、いいのか!?」
オオイシ:
「第三話の時点で我々は共闘関係にある。ならば、援助するのは当然だ。少尉、遠慮無く使いたまえ」
タリス:
「ありがとうございます!」
レイハルト:
「オオイシ、私からも礼を言わせて頂こう」
ラガート:
「お話中失礼します。全機、完熟訓練終了しました。なお、ゴルドスの回収に成功しました」
オオイシ:
「もうちっと早く残骸からゾイド回収して欲しかったなぁ」
レイハルト:
「まあ、いいではないか。そんな事に気を取られて、デススティンガーに食われるなよ」
オオイシ:
「そんなヘマはしないさ。では、いざ行かんレッドラストへ!」


デススティンガーの遺跡、そこの最奥部には王の如く鎮座するデススティンガーがいた。それを守護する
かのようにゴジュラス・ジ・オーガとジェノブレイカーが位置し、要所をスリーパーが固めていた。
オオイシ:
「ジ・オーガにケーニッヒウルフにブレードライガーか・・・。まさか、共和国編で敵に回すとは
思わなかったな・・・」
レイハルト:
「ライガーゼロのような完全野生体すら支配してしまうとはな、デススティンガー恐るべし・・だな。
俺は回り込んで奴の背後を突く。それまでくたばるなよ!」
オオイシ:
「そりゃこっちのセリフだ・・・、頑張れよ!」
タリス:
「隊長、ご武運を!」

ジェリコー:
「さて、我々も行きましょうか。景気付けにミサイル発射!」
彼のマーキュリーのMAP兵器が敵第三小隊のド真ん中に炸裂、隠れていたイクスとコマンドウルフが
姿を現わした。
オオイシ:
「むう、下手に突撃すればケーニッヒ隊との挟撃にあうな。私のマッドを盾にする!」
マッドサンダーとマーキュリーが敵第三小隊の攻撃を受け止め、駆けつけたシャイアンとプロトタイプ
マッドサンダーと共同で敵第三小隊を全滅させる。その時、オオイシのマッドサンダーが砲撃されたが、
オオイシ:
「荷電粒子砲なぞ通用せんわい! 皆の衆、懲らしめてやりなさい!」
あっけなくケーニッヒ隊も全滅、通路を奥へと進む。が、通路を扼していたジェノハイドラ隊が
突っ込んで来た。マーキュリーとハラのグレートザウルスが応戦、ジェノハイドラ以外の敵を倒すが、
ジェリコー:
「(ジェノハイドラを見て)な、何だこりゃ!?」
ハラ: 「う〜む、こりゃCAS(チェンジング・アーマー・システム)というより
チェンジング・アタマ・システムだな・・・って本艦に荷電粒子砲命中か〜い!!」
ラガート:
「ハラ中尉、下がれ! 旧式艦の底力、見せてやろうぞ!!」
ジェノハイドラによりグレートが被弾するも、ビガザウロが見事ハイドラを射抜いた。
その横をアインのトリニティーライガー重武装型が駆け抜ける。
アイン:
「スリーパー共め、ライガーちゅうのはこうやって操るんだっ!!」
敵トリニティー隊に斬り込んだアイン機は見事シールドとブレードを屠る。
だが、トリニティー対決において
アイン:
「あっちっち、わっちっちっち!」
グレネードを食らい、炎上してしまった。応援に駆けつけたジ・オーガもミサイルを浴びサビまくる。
だが、傷ついた敵トリニティーはジ・オーガの猛攻に屈した。

残すはデススティンガーとその護衛のみ。
ハイドラ隊とトリニティー隊のいた広間で陣形を整えるとブレイカーとジ・オーガの待つ部屋へと進む。
途中、ジ・オーガが突っ込んできたが、シュナイダーにズタボロにされ、マッドサンダーに
串刺しにされてしまった。
そして、グレートが部屋に足を踏み入れた時、レイハルトのバーサークフューラーが姿を現わした。
レイハルト:
「どうやら間に合ったようだな・・。
オオイシ・・・、
私は帝国の人間でありながら帝国軍のゾイドと戦う。
それに、本来なら敵である共和国のお前と肩を組んで戦いに臨んでいる・・・。
おかしな話とは思わんか・・?」
オオイシ:
「確かに、な。
だが俺達にはデススティンガーを倒し、この惑星(ほし)を守るという共通の目的がある。
そうなったら、もう、国籍なんて関係無いさ」
レイハルト:
「もし、この地上に海も国境もなく、ガイロスもヘリックも無かったのなら・・・。
いや、言うまい。オオイシ、最終決戦だ!!」

レイハルトの到着とともに、キョクジツ隊も全機突撃する。ジェノブレイカーとDCSが双方深手を負ったが、
グレートがブレイカーに止めを刺した。
レイハルト:
「ガーデッシュ隊長、今我等に力を!!」
バーサークフューラーがデススティンガーに挑む。が、荷電粒子砲一発を撃ち込んだとはいえ、
デススティンガーは強すぎた。撥ね返された自らの放ったビームを食らい、フューラーがよろめく。
レイハルト:
「クソッ、やはりダメなのか・・・!?
これしか『手』はないか・・・。
いいか、オオイシッ! 俺がチャンスを作るッ!!
これが、最後のチャンスだ!! 絶対に無駄にするなよッ!!」
言うや否や、フューラーはデススティンガーに組み付いた。
レイハルト:
「奴を倒すには、オーガノイドを倒すにはこれしかない・・・!!

『力』よ
消えてなくなれ!!」


タリス:
「いっ、イヤァァァァァァァァァ!!!」
オオイシ:
「レイハルトォォォォォォ!!!」
ギガフォトン爆弾、ゾイドコアそのものを爆弾化する禁断の秘技、それをレイハルトは使ったのだった。
フューラーの残骸が散らばっている。レイハルトの生存は絶望的だろう。
しかし、彼の犠牲は無駄ではなかった。
ラガート:
「デススティンガーの再生が止まった!?
オオイシ隊長ッ!! 悲しんでいるヒマはありません!
レイハルト殿の作った最後のチャンス、ヤツを、倒すのです!!」
アルティシア:
「そうよ! このエウロペを悪魔の手に渡してなるものですかっ!!」
アイン:
「俺達みんながついてるぜ!!」
ハラ:
「共に、エウロペの大地に安息を・・・ッ!!」
オオイシ:
「みんな・・・。よし、デススティンガーに集中攻撃!!」
ラガート:
「まずは、私が! 持ってくれよ、ビガザウロ!!」
ビガザウロのビームとデススティンガーの荷電粒子砲が交錯する。大破した旧式艦と入れ違いに
トリニティーライガーが挑むが、
アイン:
「チキショー、固てぇ!!」
最新型のトリニティーもデススティンガーに敵わない。
タリス:
「アイン、どきなさい! デススティンガー、隊長の仇!!」
突進したシュナイダーのファイブレードストームがデススティンガーの荷電粒子砲を砕く。
たまらず悲鳴を上げるデススティンガーにさらにファイブレードストームがクリティカルヒットする。
タリス:
「(このまま倒したいのはヤマヤマだけど・・・)
オオイシ大尉、あと一撃だけ直撃させます! 止めはお願いします!!」
オオイシ:
「諒解! 無理はするな!」
オオイシの返事を聞くや否やタリスはスロットルを全開にする。シュナイダーの加速は予想以上に凄まじかった。
激しい金属音。
目を開けたタリスの見た物は、クリティカルヒットを受け、崩れ落ちるデススティンガーだった。
タリス:
「あ、やった・・・の・・?」
ラガート:
「終わった・・・。
これで、この西方大陸は、エウロペは救われました・・・」
オオイシ:
「しかし、私は奴に止めを刺せなかった・・・。いやそんな事はどうでもよい。
今まで払った犠牲を考えればな・・・」
ラガート:
「そうですね。
しかし、誰かがやらねばならなかった・・・。
本当に・・、戦いとは、なんと・・・」
言い終わる前に激しい震動が遺跡を駆け抜け、崩壊が始まった。
ジェリコー:
「く、崩れるぞ!!」
タリス&アルティシア:
「どーしましょどーしましょどーしましょ・・・」
オオイシ:
「落ち着けッ! 本艦のマグネーザーで遺跡に横穴を開ける! そこから速やかに脱出せよ!!」
オオイシの指揮よろしきを得て脱出するキョクジツ隊。
しかし、その目の前には
ラガート:
「あ、あれは・・・、あの凶々しい姿は・・・」

次回を待て!


最終話・「破滅を播くもの」

ラガート(続き):
「『破滅の魔獣』デス・・ザウラー・・・!!」
アルティシア(ウルトラザウルス搭乗):
「見て! デススティンガーが、デススティンガーのコアが吸収されてるわ!?」
ラガート:
「なんて・・、なんて事だ! オーガノイドを吸収するなんて・・・」
その時、全員の脳裏に凶悪な言葉が響いた。

・・・コワセ・・・
・・・スベテヲ ツブセ・・・!


ラガート:
「!! い、今のは一体!?」
オオイシ:
「分からん・・。だが、一つだけ言える事がある。
あれを、『破滅の魔獣』を倒さねばならん!!」
ラガート:
「オオイシ隊長!
・・・行きましょう!
今度こそ、終わりにしなければ・・・!!」
アイン:
「と言っても大人しく行かせてもらえなさそーだぜ」
アインの言う通り、東の砂漠にはデススティンガーを含むスリーパー軍団が大量にいた。
デスザウラーに総攻撃をかけた場合、挟撃に合うのは目に見えている。
オオイシ:
「まずはスリーパーを一掃する。アイン、ウルトラに着艦してヘヴィウエポンパーツを解除しろ!」

初期配置の司令戦隊がデススティンガーの射程ギリギリまで前進して、敵に対し雁行陣を敷く。
次ターン、オオイシのマッドサンダーがシーパンツァーに突進するが
オオイシ:
「何ぃっ、奇襲だとぉ!?」
デススティンガーの奇襲に引っ掛かってしまった。オオイシを助けるべくキョクジツ隊は突進し、
スリーパー隊も続々と戦場にやって来る。
もう乱戦である。
ビガザウロがコングを沈める一方、ジ・オーガがウォディックとレイノスの餌食になった。
(後にマーキュリーがリザレクションキットで復活させる)
そんな中、トリニティーライガーがウルトラに着艦し、ヘヴィウエポンパーツを強制排除した。
アイン:
「よぉ〜し、行くぜぇ! 怒りの獣神サン・・」
アルティシア:
「もう元ネタ知っている人の方が少ないわよっ! 目標デススティンガー、トリニティーライガー発射!!」
アイン: 「えっ? どうわわわぁぁぁっぁ!!」
ガーディアンフォース編最終話の如く、ライガーがデススティンガーをブチ抜いた。
(註:ここは筆者の創作です。ウルトラがデススティンガーを撃沈したのは本当です)

徐々に戦いの天秤は我が方へと傾きつつあった。まず、復活したジ・オーガがデススティンガーを叩き潰す。
移動せずに格闘戦を仕掛けたので、戦闘後移動のみ可能だ。そして残骸を回収すると

「デススティンガーを回収しました」

ジ・オーガ老兵&筆者:
「最終回なのに使えんわい!!」
まあ、後に図鑑には登録されていたので良しとしよう。
他には、ビガザウロがゴルドスとのビガザウロ級同士の砲戦を制し、DCS-Jが中型ゾイドを駆逐する。

その頃、奇襲された司令戦隊は何をしていたのだろうか?
実は、プロ野球の乱闘でぶつけたピッチャーがいつの間にか乱闘の渦の外にいるように、戦闘に参加できず、
ずっと後方にいたのだった。だが、そのお陰で砂漠の南側からやって来たレッドホーン隊を迎撃する事が
出来たのだった。
さて、ヘヴィウエポンパーツを強制排除したトリニティーライガーの活躍は・・・、と書きたかったが、
相手が荷電粒子砲を撃ってくれなければ折角の反荷電粒子シールドも宝の持ち腐れである。それでも、
デススティンガーに大ダメージを与えたので良しとしよう。(もっとも、ライガーの被害も大きかったが)

最後のデススティンガーをプロトタイプマッドサンダーが倒し、デスザウラーの射程圏外で陣形を整える。
そして、満を持して
オオイシ:
「全軍、突撃!!」
彼の旗艦・マッドサンダーを先頭に12機が突進する。大口径荷電粒子砲をマッドの反荷電粒子シールドが
防ぐが、飛び散った荷電粒子が容赦無くゾイドの装甲を灼く。だが、速度を緩める者は一人とて居なかった。
やがて、砲戦距離に入ったゾイドが砲撃を開始する。
ラガート:
「くっ、当たらん!!」
一撃も命中弾を与える事の出来なかったビガザウロの横を走り抜けたジ・オーガがデスザウラーに組み付き、
その牙を装甲に食い込ませるが投げ飛ばされてしまう。
ハラ:
「もういい! 後は本艦にまかせろ!!」
ハラのグレートザウルスは見事二発の命中弾を得た。だが、自身も四発大口径荷電粒子砲を食らい、
撤退を余儀なくされた。
アイン:
「最後ぐらい、カッコつけてぇからな・・・。ウオッ、直立型のくせに、なんて機動性だ!?」
アインの言う通り、デスザウラーの機動性は並みの高速ゾイド以上だった。
一撃も出来ず、また反荷電粒子シールドも役に立たないままトリニティーライガーも逃げ出す。
タリス:
「(あと一撃与えてオオイシ大尉にバトンタッチしなきゃ。でも、確実に当てるには・・・。
『猛進特攻』、これしかない)
いくわよ、シュナイダー!!」
力を溜めるシュナイダーに容赦なく小口径レーザー機銃の雨が降りかかる。
タリス:
「くっ、お願い、頑張って、シュナイダー!」
シュナイダーは耐え抜いた。ブースターが咆哮し、恐ろしいまでのスピードで駆け出した。
タリス:
「うっ! ぐぅぅっぅぅぅぅ!!」
タリスはシートにしがみ付くだけで精一杯だった。とても操縦棹を握る余裕など無い。
だが、暴走状態のシュナイダーは倒すべき敵を正しく認識していた。

BGM:Wild flowers

頭部のブレードを全開にしたシュナイダーがデスザウラーのドテッ腹を貫通した。
崩れ落ち、爆発するデスザウラー。
意外な決着に、誰もが、デスザウラーを倒したタリスでさえポカーンとしていた。
ただ、オオイシのマッドサンダーが顎の関節を外して巨大な汗を一滴額に浮かべ、
シュナイダーが歓喜の雄叫びを上げているだけだった。



後日談
タリス:
「本当によろしいのですか、私を捕えなくて?」
オオイシ:
「ああ、かまわん。君は短い間だったが我々とともに戦った。
少なくとも、このエウロペでは友人でありたい、というのが我々の総意だ。
さあ、出発したまえ! 愚図愚図していると、他部隊に見つかってしまうぞ」
タリス:
「レドラーの提供、ありがとうございます。皆さんの幸運を二クスからお祈りします」
増槽を付けたレドラーが、北の空へと消えて行く・・・。

ラガート:
「行ってしまいましたね、タリス少尉。大尉、これからどうなさいますか?」
オオイシ:
「とりあえず、暗黒大陸上陸戦には参加するつもりさ。だが、忘れるな。
我々の討つべき敵はプロイツェンのみだ! 無駄な流血は避けよ! いいな!?」
キョクジツ隊一同:
「はッ!!」


タリスのレドラーはアンダー海上空を飛ぶ。彼女も、コ・パイも黙りこくったままだった。
朽ち果てたデススティンガーの事、帝国の未来の事、様々な想いが彼等の頭の中を支配していた。
不意に、金属音がして機体が振動した。レドラーが空になった増槽を捨てたのだ。
二クスは、もう、目の前だった・・・。

共和国編・完


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