「私、オスカー様の背中、見たことないんです。」
 帰ってくるなり言う君に、思わず思考が止まってしまった。
「お嬢ちゃんは俺の背中が見たいのか・・・?」
 抱きしめながら聞く俺の腕の中で、恥ずかしそうに頷く君。
 ただでさえ俺は君しか感じられないっていうのに、可愛い声でそんなことまで言うのかい?
 どこまで俺を虜にすれば気が済むんだろうか、この天使は。
「君が見たいって言うんなら、いつだって構わないぜ・・・?」
 ボタンに手をかけた俺を、慌てて止める。
「見たいんじゃなかったのか・・・?」
「今すぐここで、じゃないですぅ。」
 しどろもどろになっている君のあまりの愛らしさに、ふと沸き起こる悪戯心。
「・・・大胆なお嬢ちゃんだな・・・。」
「え・・・?」
 俺が言った言葉の意味を、一生懸命考えているらしい。
「・・・ベッドの中でなんて、な。」
「なっ・・・!!」
 見る見るうちに顔が赤くなっていく君。
 くるくる変わる表情を、これからも側で見ていける、そんな幸せをかみしめている自分に、思わず笑ってしまう。
 手招きすると、恥ずかしそうに側によってきて、肩にもたれてくる。
「ベッドの中、ってのは置いといて、だ。さっきの言葉は本当だぜ。 君の望むことなら何だって叶えてやる。」
 抱きしめて囁いた。
 甘い香り、金の髪、温かいからだ、柔らかい唇。
 そして・・・。

―いつも俺はとらわれているんだ―

 

  あとがきという名のいい訳。
 オスカーが本当にアンジェを大事に思っていることを書きたかったんです。
 彼女には逆らえないって言うか、ハマってる状態。作者は、ひたすらアンジェに甘いオスカー様がお好みです。