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「お嬢ちゃん・・・。その、仲良しさんってのは・・・。」
立ち直りの早いオスカーでさえも壊れてます。だって、仲良しさん、です・・・。いくらオスカーがアンジェリークに大甘だったとしてもそんな発言、ありえません。それだけ衝撃的だったという解釈もできうるが。
「えっと・・・。あの・・・。」
いくらアンジェリークが素直に言葉を使うといっても、言っていい事と悪い事の区別はつく。しどろもどろとは今、まさにそのときだった。
そんなアンジェリークの姿に、オスカー何かを感じ取った。さすが宇宙のプレイボーイ。伊達にそんな異名があるわけではないらしい。
「・・・お嬢ちゃん。何か隠してるな?それには姫君も関係のある。」
「え?どうしてオスカー様わかったんですか?」
「アンジェリーク!!」
「あ・・・。」
ロザリアが慌てて制止し、アンジェリークも大急ぎで両手で口を塞いだものの、時既に遅し。オスカーは金の天使を胸元に抱きこむと、オリヴィエでさえも今までに聞いたことのないくらい艶っぽい声で彼女に囁いた。
「隠し事は良くないな・・・。お嬢ちゃんがそんないけない子だとは知らなかったぜ・・・?」
アンジェリークはオスカーのあまりの囁きに立っていられない。思わず彼の腕にしがみついていた。
「あ・・・。オスカー様・・・。」
彼の鼓動を感じたアンジェリークはもう何も言えなくなった。そんなアンジェリークの様子にオスカーは微笑むと、展開の速さについていけなかったオリヴィエに軽くウインクした。
「そうだねぇ・・・。ロザリアも関係してるんだっけ。」
言いながらこちらも紫紺の天使を抱きこんだ。
「オ・・・オリヴィエ様!!場所をお考え下さいまし!!」
さすがに冷静なロザリア。こちらはうろたえる気力はあったらしい。が、彼女も普段なら思ったこともないことを口にしていた。男2人から考えれば、場所を変えて、といったようなものである。
「・・・そうだな。姫君の言うことも最もだ。」
「だね。じゃあ、移動しよっか。とりあえず一番近いアタシの部屋まで。」
それだけ言うとオリヴィエとオスカーはそれぞれの天使を腕の中に抱いたまま、夢の麗人の執務室へと向かった。
「・・・で、お嬢ちゃんたちは一体何を隠しているんだ?」
「ここなら誰も来ないしね。安心していいよ、ロザリア。」
「そういう問題ではありませんわ!!」
何とか話題をそらそうと努力したロザリアだったが、彼らには全く通用しない。まして親友は言葉を発することもできない状況だ。
さしもの紫紺の天使も勝ち目はなかった・・・。
「・・・分かりましたわ。」
もう、ここまで来たら後には引けない。だがしかし、転んでもただでは立ち上がるな、という家訓を持つ名門カタルヘナ家の意地がロザリアにはあった。
「ですが、その前にアンジェリークを放して頂けませんこと?でないと、わたくしおふたかたが不埒なことをなさったとジュリアス様に申し上げます。」
敬愛する上司の名をいきなり持ち出されたオスカーはうろたえ、小言のキライなオリヴィエは慌てた。
「ちょっと、オスカーアンジェ放しな。ジュリアスに説教されんのはたまんないんだからね。」
「・・・姫君。それだけは勘弁願いたいな。」
腕の中の天使を手放すのは残念だったが、さすがにジュリアスには言われたくない。オスカーはしぶしぶ、いやもう本当にしぶしぶアンジェリークを開放した。
「で、二人は何を隠してるのかな?」
できるだけ二人を怯えさせないように細心の注意を払ってオリヴィエが尋ねた。
「・・・・・・。」
とはいえさすがに言いづらいロザリアは俯いてしまった。まあ、当たり前だが。
「怒ったりしないからさ。」
「・・・本当に怒りません?」
答えたのはアンジェリークだった。
「約束するよ。・・・あんたは?」
アンジェリークに優しく微笑みかけたオリヴィエは傍らの同僚を目で促した。
「ああ、俺も約束するぜ。大体俺がお嬢ちゃんを怒ったりするはずないだろう?」
バチッとウインク。
「・・・軽蔑、なされません?」
俯いていたロザリアが口を開いた。
「・・・されるようなこと・・・?」
「かもしれませんわ。」
すがるようなロザリアの瞳に夢の麗人は大きくかぶりを振った。
「ありえないね、そんな事。わたしがあんたを軽蔑、なんてさ。」
「・・・・分かりましたわ・・・。」
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