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「そういえば今度の土の曜日、アンタの誕生日よね?」
定例会議もつつがなく終了した謁見の間で、女王陛下が仰いました。
一同に緊張が走ります。
「えっ?ロザリア知ってたの・・・?」
アンジェリークは驚いています。っていうか知らないと思っていたほうがすごいんですが・・・。
「当たり前でしょう?わたくしを誰だと思ってるの・・・?」
「うん、うん・・・。嬉しい・・・。私、プレイヤーキャラだから皆様みたいにオフィシャル設定無いし、お誕生日ってあってないのと同じだったから、お誕生日は一人で過ごそうかな、って思ってたの。」
女王と守護聖全員固まりました。いろんな意味で。
「・・・アンタいきなり何を言い出すのよ。」
口火を切ったのはさすがに女王陛下です。
「だって私・・・。」
「そんな事言うんなら、わたくしだってオフィシャル設定はないのよ!というより、リーカー事情をこんなところで持ち出さないで頂戴。」
「そっか・・・。ロザリアもデュエットだったらプレイヤーキャラだもんね。」
何か違っている観点でアンジェリークは納得したようです。
「わたくしとアンタは親友でしょう?アンタだってわたくしの誕生日を知ってるじゃない。」
「うん、うん・・・。私、ロザリア大好きだもん。」
「しょうがないこねぇ・・・。そんな事よく知ってるわよ。」
二人は手を取り合っています。バックには何故か薔薇が舞っています(笑)。
「僕だってアンジェのお誕生日、ちゃんと知ってるよ。だって僕アンジェ大好きなんだもん。」
手を取り合って友情を深めていたアンジェリークとロザリアの中に割って入ったのは最年少守護聖の、マルセルです。
(チッ。抜かりがないわね・・・。)
心の中でロザリアは毒づきます。しかし表には出しません。最年少に食ってかかるようでは、女王の名に傷がつくからです。しかし逆に言えば、他の連中だった場合、サクリアパンチぐらいはくらってしまうということなんですが。
(アンジェは僕のもんだ・・・。)
にっこり笑ったマルセルですが、心の中ではこんなことを考えていました。
(アンジェはわたくしのものよ。)
にっこり微笑み返したロザリアでしたが、心中はやっぱりマルセルと同じ事を思っていました。
「マルセル様も知っててくださったんですか?」
嬉しい、とアンジェリークは翡翠色の瞳に涙を浮かべて感激しました。
(((可愛い・・・。)))
(((って言うか可愛すぎる・・・。)))
(((くぅ〜〜〜!!堪らないぞ・・・。)))
全員鼻血寸前です。
「アンジェプリン大好きだよね?僕アンジェのため(だけ)に、特大プリン作ってあげる!」
かっこの中はマルセル心の俳句、です。
「え?いいんですか?私、嬉しい・・・。」
再びアンジェ、感激の図です。
「そういえば、リュミエール様、お屋敷の噴水を改築なさったって、本当なんですか?」
唐突ランディです。
「ええ。・・・そういえばアンジェリーク、まだあなたにはお見せしていませんでしたね?」
「え?あ、はい。すっごく素敵だっていうのはお伺いしたんですが・・・。」
「よろしければ、私の私邸でパーティーを開くというのはいかがですか?」
(愛らしいアンジェリークを私1人がお祝いするのです・・・。ああ、ランディは参加を許しましょう。素晴らしい話の振り方でしたからね・・・。)
妄想が拡大していくリュミエール。誰も彼を止めません。だってリュミ竜巻を食らいたくはないからです。
しかしアンジェの誕生日は、皆さん自分の私邸で(アンジェと二人っきりで)祝いたかったので、賛成するわけにもいきません。ジュリアスは彼女の為にチェスセットを新調し、クラヴィスは屋敷の中をプラネタリウムにしました。それっくらい気合が入っているのです。だからといってアンジェが来てくれるという確証はないんですが、皆様気合いっぱいでした。
「・・・そうだな、リュミエールの屋敷はうってつけだな。」
全員が驚きました。声の主はなんとオスカーだったからです。リュミエールとは犬猿の仲であるオスカーが、アンジェのパーティー会場をリュミエールの館ということに一番反対するはずの、あのオスカーなんです。
「え?オスカー。よろしいのですか・・・?」
反対を看破するシミュレーション万全だったリュミエールは、思わず聞いていました。
「俺が反対する理由があるのか・・・?」
逆に聞き返されてしまいました。
「オスカー様は、リュミエール様がお嫌いなんじゃないんですか?」
最年少、無敵です。
「あのなぁ・・・。別に嫌いという訳じゃない。リュミエールとは考えが合わないってだけだ。考えが合わないってだけで、相手を排除するほど俺はお子様じゃない。」
あっさりとオスカーはいいました。
「お嬢ちゃんがリュミエールの私邸で誕生日を祝いたいっていうのに、反対する気は毛頭ない。それに陛下もお嬢ちゃんのパーティーにご出席されることを考えれば、陛下の護衛や、ご足労、後は警備の点を考えても、俺たちの私邸のちょうど真ん中にあるリュミエールの屋敷が最適だと判断したからだ。」
そこまで言って、オスカーはふっと息をつきました。
「出来るなら聖殿が最もいいとは思うが、それだといつもと変わらんし、お嬢ちゃんの誕生日を祝いたい人間は、聖地中にいるからな・・・。オープンスペースか何かを設けて、祝いたい人間が皆祝えるようにするってのもいいかと思う。まあ、主がどうかということもあるが・・・。」
言いながらオスカーはリュミエールを見ました。
「そうですね・・・。わたくしは賛成です。彼女を祝いたいという気持ちを大切にすべきだと思いますし。」
こうしてアンジェリークのバースデイパーティーは、今度の土の曜日の午後、リュミエールの館で盛大の開催されることが決まりました。
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