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「はぁ・・・。本当に楽しかった・・・。」
アンジェリークは部屋に帰って、さっきまでの事を思い出していました。オリヴィエに見立ててもらったドレスは本当に素敵だったし、みなさまから貰ったプレゼントはアンジェリークの乙女心を大いに満足させるものだったからです。
「こんな素敵な一日を過ごせたなんて、まるで夢みたい・・・。」
夢ではないのですが・・・。
そんな風に浸っていた時です。
こん・・・こん・・・。
窓を何かが叩きます。アンジェリークは一瞬びくっとしましたが、思い切って窓を開けてみました。すると下には、
「よう、お嬢ちゃん。」
「オスカー様!!」
普段着のオスカーがいました。アンジェリークは思わず彼を見つめます。オスカーは黒いパンツに白のシャツをラフに着こなしていて、格好いいったらありゃしないのです。
「あんまり見つめられると、照れちまうんだが、な。」
オスカーの言葉に我に返ったアンジェリークはかぁぁぁぁっと頬を赤らめました。
(くぅぅぅぅぅぅぅ!!なんて可愛いんだおぢょおおおおおおちゃああああんんん!!)
と、煩悩を炸裂させながらもポーカーフェイスを装うオスカー。いや〜、策士ですねぇ。
「あ・・・。私・・・。」
翡翠色の瞳を潤ませてオスカーを見つめるアンジェリーク。
「夜のデートと洒落込まないか?お嬢ちゃん。」
あくまでも紳士的に(ただし表面上は)振舞うオスカー。心の中はさっきと同じ状態です。
「・・・はい。」
オスカーに差し出された手を恥ずかしそうに取ったアンジェリークは、思います。
(きゃ〜〜〜!!オスカー様と手を繋いでるぅぅぅぅぅ。)
・・・・・・・・・・・ミーハーです・・・・・・・・・・・。
「さっきのお嬢ちゃんは可愛かったな。」
「え?」
オスカーの言葉に咄嗟に返事が出来なかったアンジェリークですが、
「太陽の妖精かと思ったぜ。」
オスカーのウインクつきの褒め言葉に、またも、かぁぁぁぁっと頬を赤らめました。
「そんな・・・・。オリヴィエ様に見立てていただいたドレスが素敵だったから・・・。」
「いいや。それだけであんなに愛らしいわけがない。お嬢ちゃんだから可愛いんだ。」
「そんな・・・。」
アンジェリークは言葉になりません。さっきからオスカーと手を繋いだままなんです。
「・・・君に聞きたいことがある。」
突然オスカーの声のトーンが変わりました。
「は、はい・・・。」
アンジェリークは緊張します。
「俺の置いたメッセージ、読んでくれたんだな?」
「はい・・・。」
「それが君の答えだと、俺は思っていいのか?」
オスカーの氷青の瞳が彼女を見つめます。
「はい・・・。」
そう、答えた瞬間―――。
アンジェリークは目の前が真っ白になりました。視界が一面白、白、白・・・。
―――オスカーに抱きしめられているんだと気がつくまでに時間がかかりました。
「君の傍で生きていきたい・・・。君と同じ時を刻みたい、永遠に・・・。」
瞳を閉じたアンジェリークの唇に、優しい温もりがそっと、静かに降りてきました。
「愛してる・・・。」
次の日、アンジェリークはオスカーのベッドで目を覚ましました。
「おはよう、俺のお嬢ちゃん。」
「オスカー様・・・。」
太陽が差し込むベッドルームで、一番に見るのは最愛の人の微笑。
「昨日の君は言葉にできないほどに愛らしかった。」
・・・まさか、まさか、そのまさかの展開のようです。
「そんな事仰らないで。恥ずかしい・・・。」
シーツを被ったアンジェリークをシーツごと抱きしめるオスカー様。
「恥ずかしがる事はないじゃないか。本当のことなんだからな。」
「オスカー様、お願い、恥ずかしいの・・・。」
「可愛いな、俺のお嬢ちゃんは。」
金色の髪にちゅっと音を立てて口付けます。
(可愛い・・・。可愛すぎるぜ、おぢょおおおおおおおおちゃあああああああんんんん!!)
このことを知ったほかの面々は怒りを爆発させるも、時既に遅く、アンジェリーク争奪戦はオスカーの圧勝で終わったのでした。
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