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―――残り一週間をきった。―――
「だめだ・・・。全然わかんねー・・・。」
「僕、もう、限界・・・。」
「zzzzzzz」
年少組、ランディの執務室に集まったものの、打つ手が浮かばず撃沈。
「リュミちゃん、何か名案でも浮かんだ?」
「いいえ、わたくしも色々と手は尽くしたのですが・・・。」
「さっすが、陛下ってカンジだよね。」
オリヴィエとリュミエールも万策尽きた模様。
「ジュリアス、何か手掛かりはありませんかねー。」
「・・・体力も最早限界を超えた・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・フッ・・・・・・・・・・・・。」
年長3人、全く手ごたえなし。
―――そんな最中、ある守護聖が極秘裏に一同を集めた。
「なんなのさ、一体。」
「極秘裏に、というのは何故なのですか・・・?」
「このような場を設ける理由が分からぬ・・・。」
「オスカー。説明せぬか。」
「そうですよ、僕だって知りたいです。」
などと、わらわらと話を始めた面々を、この場をセッティングした男―――オスカーが軽くせきをして、牽制した。
「こんな場を設けたのはある提案があったからだ。」
「「「「「「「「ある提案?」」」」」」」」
オスカーの一言に、他の面々、面白いほどにハモる。
「単刀直入に言う。俺はお嬢ちゃんとすうぃ〜〜〜〜〜〜となバカンスを過ごしたい。」
全員、大きく頷く。
「だが、未だにお嬢ちゃんがどこにいるのか検討もつかない。」
全員、更に大きく頷く。
「そこでだ。皆がそれぞれ持っている情報を出しあって、お嬢ちゃんを探そう、とな。」
「それって・・・。」
言いかけたランディを制して、
「そう、連携だ。」
とオスカーは言い放った。
「「「「「「「「連携?!」」」」」」」」
守護聖ハモリーズ、再び。
「陛下は仰ったはずだ。個人で探しても、連携をしても構わない、と。」
「だけど、そうしたら、皆がアンジェと過ごす事になるんですよね?」
反論を返すマルセル。しかし、
「だが、このままでは誰もお嬢ちゃんとバカンスを過ごせなくなるという事は、火を見るより明らかだと思うが?」
返ってきたオスカーの言葉に、黙り込む。
「そうですね・・・。他の者とアンジェを、と思うといい気はしませんが・・・。」
「やむを得ない、か・・・。」
「妥協は必要ですねー。人生において・・・。」
「・・・仕方あるまい・・・。」
リュミエール、ジュリアス、ルヴァ、クラヴィスはどうやらオスカーの提案に一定の評価を示したようだ。
「僕だけがアンジェとバカンスしたかったのに・・・。」
「仕方ねーだろ?な〜んもいい手が浮かばなかったんだしよー。」
「仕方ない、よな・・・。」
まだ渋るマルセルをゼフェルとランディが諭した。
「じゃ、決まり。」
オリヴィエのひとことで、その場は作戦会議場へと姿を変えた・・・。
「陛下、守護聖様方は、どうやら連携された模様です。」
女王執務室ではレイチェルが、控えていたコレットとロザリアにそう告げた。
「そう。漸くそこにいきついたみたいね。」
「案外遅かったですね。」
2人ともこの展開は読めていたらしい。
「そうね、あの子が関わると守護聖といえどまともな思考が働かないのかしら、全く・・・。」
ぼやいたロザリアに、
「でも、みなさまが連携なさるのは意外でしたヨ、ワタシ。」
レイチェルがフォローを入れた。
「そうよね。皆さまプライドが高いし、まさか、とは思ったんだけど・・・。」
2人が彼らを庇おうとしたが、
「甘いわ。2人とも。」
「「陛下?」」
「あの馬鹿軍団のへっぽこプライドなんて、アンジェの魅力の前じゃクズよ、クズ。フォローする必要もないし、庇ってあげる事もないわよ。男なんて幾つになってもお子様なのよ。いいこと?2人ともそこのところ、よ〜く覚えておきなさい。本物の男の前では、女の子は女の子ってだけで何をしても許される生き物なんだから。ただし、本物の男の前でだけよ?つまらないプライドにこだわる男は、それだけで失格なんだから。」
と、ばっさり切り捨てた。
「じゃあ、皆さまは本物なんだ・・・。」
感心したようにコレットが言うと、
「当たり前じゃない。」
何を今更、といわんばかりのロザリアの返事が返ってきた。
「ロザリア様は皆様のこと、信頼なさってるんですね?」
「そんな訳ないじゃない。本物でないと、からかっても面白くないでしょう?」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんつー御方。
「何年生きてると思うの?あの連中。」
「えっと・・・。」
「ははは・・・。」
コレット、レイチェル、降参。そして思った。
――――――――この女王、最強。
と。
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