「う・・ん・・。」
 暖かい温もりにゼフェルは目を覚ました 。
 正確に言うと、目を覚ましかけた、である。
 彼は、元来宵っ張りの朝寝坊、更に低血圧なので、朝はすこぶる機嫌が悪い。
 が、しかし、そんなゼフェルを一発で起こす出来事が起こったのである。
「ふ・・・ん、んん・・・。」
 自分の隣から聞こえる、甘えたような声に、ゼフェルは飛び起きた。
 恐る恐る隣に目をやると・・・。
「・・・!!」
 驚きのあまり、ゼフェルは声も出ない。
 そこには、ここにいるはずもない、女王補佐官アンジェリークが寝ていた、からである。
「お・・・おいっ!!」
慌ててアンジェリークを揺さぶったが、
「う・・ふん・・・。」
 眠ったまま、アンジェリークは寝返りを打ち、更に何ということか、ゼフェルの腕に絡み付いてきたのだ。
「おわっ!!」
その大きな声でようやく目が覚めたのだろう。アンジェリークはとろんとした瞳で彼を見つめていた。
「う・・ん・・。・・あれ、ゼフェル?」
「・・・。」
 ゼフェルは最早、無言。
(これは夢だ、夢にちげーねー。)
 そう思い込もうとしていた。簡単にいうと、現実逃避した、ということになる。
現実逃避を決め込んだゼフェルの横でアンジェリークも考え込んでいた。 そして出た、結論。
「・・・これって、すっごい都合のいい夢かも・・・。」
 アンジェリークの呟きにゼフェルは思わず聞き返した。
「んだよ、それ?」
「だってぇ、目が覚めたらゼフェルがいてぇ、それもこぉんなに至近距離にいて、すっごくラッキーだもん。これはきっと、毎日がんばってるアンジェに、神様がくれた贈り物に違いないわっっ!!」
 手を叩いて喜ぶアンジェリークのあまりのかわいらしさに、ゼフェルはぞくぞくした。
 そのとき、ゼフェルのなかに、ふと悪戯心が芽生えた。
「夢だったら、こんなことしたって、かまわねぇよな?」
 言うなり、アンジェリークの頬にちゅ、とやったのだ。

 いつものアンジェリークなら、真っ赤になってうつむき、
「やだ・・。ゼフェルったら・・。」
と、照れまくる。が、しかーし!! 今のアンジェリークはこれを夢だと思い込んでいる、ということをゼフェルは失念していた。
「うれしいっっ!!じゃあ、アンジェもお返し。」
と言うと、ゼフェルの唇に自分の唇を重ねてきた。それだけならまだしも、ゼフェルの首に腕を回し、舌を絡める濃厚なキスをしてきたのだ。
  アンジェリークに歯列をなぞられ、舌を絡め取られ、口の中を蹂躙される。 唇を離し、さらに耳元で、
「ゼフェル・・・。抱いて・・。抱きしめて・・。」
 などと囁かれ、ゼフェルの理性は音を立てて沸騰した。
(まじかぁぁぁぁ!?・・・こんなに、こんなに色っぽいアンジェって、ありかよぉぉ!?)
ゼフェルの頭の中はもう、パニック。 煩悩、大炸裂。
「い、いいのか?」
 知らず知らずのうちに声が震えている、ゼフェル。
(何を動揺してんだよ、気ぃ入れろ!俺!! )
そんなんでいいのか!?あんた仮にも守護聖でしょ!?それも、器用さ、を司ってるんじゃなかったっけ?
「焦らさないで・・・。私が好きならここに来て・・。」
 ベッドに横たわり、ゼフェルを誘うように悩ましい瞳で見つめる。
ゼフェルは覚悟を、決めた。
「途中で嫌だ、っつっても、もう歯止めはきかねぇぜ。」
アンジェリークの隣に腰掛け、彼女の顔を覗き込む。
ベッドの軋む音がいやがおうでも雰囲気を高めていく。
「嫌じゃないわ。ゼフェル以外の人だったら、嫌だけど。」
 少し掠れたような艶っぽい声で、アンジェリークは微笑む。
「俺のアンジェ・・・。」
言うと、ゼフェルはアンジェリークに激しい口付けを与えた。 さっき彼女にされたように深く深く舌を絡め、吸い上げる。
「ん・・・。あっ、ゼフェル・・・。」
 服の上からでもはっきり分かるほどの豊かなふくらみに、ゼフェルは顔をうずめ、囁いた。
「こんな邪魔なもん、脱いじまおうぜ、なぁ・・・。」
 言うが早く、器用に服を取り去っていく。
 白いシーツの上にそれより白く、透き通ったアンジェリークの肌。
(ああ、生きてて良かった。)
 感慨に耽りながらも、手を器用に動かし、彼女に更なる快感を与えていく。
 淡い色をした柔らかな突起を舌先で転がす。
 徐々に硬度を増してきたそれを口に含んで吸い上げる。
 と、同時に下腹部に手を伸ばし、なだらかな双丘を撫で擦る。
「ん・・あっ・・くふぅ・・・。」
 アンジェリークの声が鼻にかかりはじめる。
「ぅん・・・。ゼフェルゥ・・。」
「もっとか?」
 ゼフェルの問いにアンジェリークは甘えたように言う。
「もっと・・いっぱい・・舐めて・・・。」
「どこを、だよ?」
 ゼフェルが意地悪く言う。
 いつもならば、恥ずかしがってしまって、そういう事は決して口にしないはずのアンジェリークだが、今日なら言ってくれるかも、とゼフェルは思ったのだった。
「ぅふん・・ゼフェルが入る、とこ・・・。」
「ここか?」
 アンジェリークに大きく足を広げさせる。
「ん・・そこ・・ねぇ・・ゼフェルゥ・・・。」
 そこには、ゼフェルが愛してやまない、淡い花が咲いていた。
「自分で、足、持ってみるか?」
「ん・・・。」
 アンジェリークは頷くと、両足を自分で持って、広げた。
「すっげぇ、キレイだ・・・。」
 ゼフェルは思わず溜め息をついた。
「いや・・・。見て・・ばっか、じゃなくて・・早く、舐めて・・・。」
(な・・・舐めて〜〜〜〜!!!!!!!)
 ゼフェルは我慢できなかった。
 自分自身はとっくに張り詰めていたし、アンジェリークが自分で足を持っている、という事実に、ゼフェルの頭の中では本能だけが激しく動いていた。
「頭ん中、空っぽにしてやる。」
この言葉が、愛し合う二人にとって、これほど今の状況に相応しい表現は見当たらなかった。
「ああああああ・・・・。」
 狂ったように喘ぐアンジェリーク。  
  その声を聞きながら、ゼフェルも自分の欲望を形にして、彼女に注いでいた・・・。

 

              つぎ