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「で、何が問題なの・・・?」
尋ねたロザリアに、
「ゼフェルが、オスカー様みたいなの・・・。」
ボンっと顔を赤らめたアンジェリークが答えた。その様子で大体のところを察したロザリアであったが、
「・・・それは、大問題ね・・・。で?」
と、なんと続きを促したのである。
「え?」
「え?じゃないわよ。具体的にどこがどう、オスカーみたいなのか、説明してちょうだいって言ってるの。」
普段ならこういった類の事には興味を示さないロザリアであったが、今回は違った。何せ相手があの、ゼフェルなのである。
(あの、アンジェ曰く『ぶっきらぼうだけど優しい』ゼフェルが、まさかタラシの権化、歩く公序良俗違反、下半身の守護聖だって、誰かが言ってたわね・・・。本当にそのとおりだと思うわ。言い得て妙ね。誰が言ったか知らないけれど褒めてあげなくちゃ。まさしく雄カーの、オスカー化している、って言うのは興味があるわね・・・。だって信じられないわ。)
と、話を膨らませていると、
「あの・・・ロザリア?」
可愛い補佐官が心配そうに彼女を伺っている。
「あ、え?ちょっと考え事をしていただけよ・・・。」
おほほほ・・・と高笑いが部屋に響く。
「それはさておき、ゼフェルがオスカーになっている、と言うのは・・・?」
「あ、うん、あのね・・・。」
もじもじしながら話を始めるアンジェリークであった・・・。
「なんか、ゼフェル、どうしたの・・・?」
ベッドの中で。
大好きな彼に抱かれて。
アンジェリークはふと思った事を口にした。
「んだよ・・・?」
ぶっきらぼうな口調だけど、彼女を抱きしめる腕とその紅玉の瞳はとても柔らかい。
「なんか、いつもと違うなぁ、って・・・。」
「嫌か?」
返ってきた答えと瞳に浮かぶ不安そうな色。
「ううん、そんなんじゃないの。ただ・・・。」
「ただ?」
「疲れてるのかなぁ、って・・・。」
アンジェリークの声を聴きながら、ゼフェルは彼女の髪を指に絡ませる。 そしてポツリと呟いた。
「かもな・・・。」
「ゆっくりする?私、陛下にお願いしようか?ゼフェル、出張でちょっと疲れたみたいだから、お休みさせて、って。」
「バカ。んなことすんなよ。」
「だって・・・。」
言いかけた彼女の唇を自分ので塞いで。
「こんくらいの出張で疲れた、訳ねーだろ?」
「でも、ゼフェル・・・。」
「俺が疲れた、っつーのは、オメーに触れられなかった、っつー意味だ。ったく・・・。」
アンジェリークの額に軽く口付けて、
「オメー、俺がどんだけオメーに夢中になってっか、知らねーだろ?近くにいても、もっと傍に来いって思うし、傍にいてもオレ以外のものは見るなって思うしよ。・・・それにオメー、オレの腕ん中で眠ってる寝顔がスッゲー可愛いんだぜ?離したくねぇし、離せって言われてもムリだしな。」
ニカっと笑って話を続ける。
「こうやっているとよ、オメーに逢うまで、オレがどんだけ飢えてたのかってのがよく分かるんだ。守護聖なんてクソクラエだって、ずっと周りなんか見えてなくてよ、自分ひとりで壁、作っちまってた・・・。」
「ゼフェル・・・。」
「けどよ、オメーだっておんなじだったのに、全然そんなんじゃなくてよ、オレ、スッゲー反省した。そうしたら、オメーが好きだって気がついて・・・。」
再び降って来た、柔らかい温もり。
「オメーがいて、初めてオレが出来上がるんだ。息も出来ねー位、好きだ。・・・オレの、オレだけのアンジェ・・・。」
優しく組み敷かれて。
恋人達の甘い逢瀬の時間が始まる・・・。
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