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「え〜っと、最初は一番のくじを引いた人ね。」
アンジェリークがあたりを見回すと、
「私だ。」
答えたのは筆頭守護聖。
「ジュリアスは・・・意地悪な継母、ね・・・。」
女王の答えに真っ青になったのはいうまでもない。彼は自分が王子になると信じて疑わなかったからだ。しかしその根拠は、全くない。
なのに何故、こんなに自信があったのか。 答えは。筆頭守護聖だから・・・(冷や汗)。
「陛下。その意地悪な継母。というのは・・・?」
「あら、ジュリアスは知らなかったのね。・・・ルヴァ。教えてさしあげて。」
女王の視線を受けた地の守護聖が後を引き継ぐ。
「あ〜。意地悪な継母というにはですねぇ・・・シンデレラをいじめる人でしてねぇ・・・。」
「何!?私にアンジェリークをいじめろと申すか!!」
「落ち着いてください、ジュリアス〜。まだアンジェがシンデレラと決まったわけではないんですから〜。」
慌ててその場をとりなすルヴァ。この人はかなりの苦労人だと思う。
「フッ・・・。早とちりだな・・・。」
「何だと・・・。」
光と闇の一触即発の瞬間、
「わたくしの機嫌を損ねるようなことはしないほうがよろしいのではなくて・・・?」
それよりも恐ろしいひと言を彼らは聞いた。
「「・・・御意・・・。」」
おさすがです、ロザリア陛下。
「じゃあ、次は二番のくじの人ね。」
この雰囲気を把握しているにかいないのか、おそらく後者だが、アンジェリークが無邪気に言った。
「あ〜。私ですねぇ・・・。」
何の役なんでしょうねぇ。なとどいいながらも彼が王子役を狙っていることは火を見るより明らかである。しかし、何故、誰もアンジェリークがシンデレラだと信じて疑わないんでしょうか・・・?
「ねえ、ロザリア。」
「何よ。」
「やっぱりこういうのって、雰囲気が大事だと思うの。」
「だから、なんなのよ。」
「という訳で、ミュージックスタート!!」
補佐官の声と同時に何処からともなく、 ドロドロドロ・・・・・。じゃ〜ん!!(銅鑼&シンバルの音)
「ルヴァ様は、魔法使いさんです。」
「あ〜そうですかぁ・・・。」
普段からのんびりおっとりしている彼の性格が幸いしてか、ジュリアスのように暴れることもないルヴァだが、実はかなり落ち込んでいた。彼は彼なりに、
(可愛らしいアンジェをエスコートできたら、どんなにかいいでしょうねぇ・・・。シンデレラのダンスシーンはあのアンジェが最高に愛らしく見えること間違いないですしねぇ・・・。)
などと考え(人はそれを妄想と呼ぶ)ていたのだから。
そうしているうちに、意地悪な姉2にマルセルが決まり、あとはメインイベント、シンデレラ役が誰かということになった。
「シンデレラはあんたよ、アンジェ。」
「え・・・嘘・・・ほんと・・・?」
一瞬の沈黙の後、
「きゃ〜ん。うれしいぃぃぃぃ。」
補佐官アンジェ、大喜び。
「これでドレスのつくり甲斐もあるわ!!」
拳をつくってオリヴィエも大喜び。
「さて、あと残ったのは・・・王子様と意地悪な姉1、ね・・・。」
「で、まだなんの役もないのは・・・。」
すっと手の上がる二人。オスカーとリュミエール、である。
(オスカー・・・王子は渡しません。)
(お嬢ちゃんをエスコートするのは、この俺だ。リュミエール、お前にお嬢ちゃんは渡さないぜ・・・。)
沈黙が支配するこの時、2人の間には火花が確かに散っていた。
「え〜。名誉ある王子役は・・・。」
がっくりと膝をつき、項垂れるリュミエール。 そして・・・。
「お嬢ちゃん!!」
「オスカーさま!!」
ひしと抱き合う2人。
「君がシンデレラなら、この俺以外が王子だなんてありえない!!」
「私も信じてました!!オスカーさまが私の王子様だって!!」
「アンジェリーク・・・。」
「オスカーさま・・・。」
もう、誰も止められません、この暴走バカップル・・・。
劇は滞りなく進み、途中オスカーがアンジェのドレス姿に興奮して押し倒すことや、その他もろもろのことはあったにせよ、無事終わり、ロザリアを大いに楽しませたという。
♪ちゃんちゃん♪
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