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「陛下が行きそうなとこ、どこだろうねぇ・・・。」
「一応それらしき場所は探しましたわ。」
お流石です、補佐官様。もう既に行動を起こしてたんですねぇ。
「何処を探したのだ?」
「主星のショッピングモール、陛下が通われていた雑貨店、アイスクリーム屋、喫茶店、クレープ屋、念の為にスモルニィもですわ。」
ジュリアスの問いに即答するロザリア。これでなければ補佐官は務まらない。
「で、いなかった、と・・・。」
「そうですわ。」
「そんだけ当たって、いねーのか・・・。」
マルセルとゼフェルが後を引き継ぐ。
「・・・・・・陛下は何か書き置きなどされていないのか・・・?」
「「「「「「え?」」」」」
他の面々、オスカーのひと言に思わず問い返した。
「それだ!!」
「そうですわ!!」
アンジェリークはお忍びの際には何故か必ず書き置きを残していく、という律儀な事をするのである。そんな事をするのならわざわざ脱走することもないのだが、如何せん突飛もないことをするのがアンジェリークなので、どうしようもない。
ロザリアは慌てて書き置きを持ってきた。
それを見て、一同再び考え込む事になるのである・・・。
「夏だから・・・?」
「訳わかんねーな・・・。」
「うふ、ってなんだろう・・・。」
年少組、文面を見て悩んでいる。
「うふ、は多分付け足しだろうねぇ・・・。」
「ということは、夏だから、という部分を脱走なさった理由と考えてよいわけですね・・・。」
オリヴィエとリュミエールも話の輪に加わる。
「困りましたねー。夏が一体どうしたんでしょうねー。」
「陛下のお考えは一向に理解できぬ・・・。」
「ジュリアスには無理ですわ。わたくしも理解に苦しむ事が多いですもの。」
ルヴァは頭を抱え込み、ジュリアスとロザリアは眉間にしわを寄せている。
「・・・全くわからぬ・・・。」
水晶球を覗き込んでいたクラヴィスだったが、諦めたように視線を外した。
「クラヴィスさまの水晶球にも映らなかったんだ・・・。」
ぽつんと呟いたマルセル。
「妨害されている。多分陛下だろう・・・。」
全員が思わず溜め息。
「あの子も器用なことするねぇ・・・。」
「そこまでして脱走する、っつーのがいろんな意味ですげーよな、アイツ・・・。」
オリヴィエとゼフェルが無意識で敬称を外しているが、誰も突っ込まない。
「・・・お嬢ちゃんにとって、夏は何をするものなんだ?姫君。」
「え?」
突然のオスカーの問いに、流石にロザリアも即答できない。
「お嬢ちゃんにとっての夏、だ。」
オスカーまでも敬称を外している、が誰も頓着しない。候補時代の呼び名そのままで、オスカーは話を続ける。
「連想ゲームだ。お嬢ちゃんにとって夏、とは何を連想するものなのか。」
「アンジェにとっての夏、かぁ・・・。」
「難しいなぁ・・・。」
ランディとマルセルは顔をつき合わせて相談中だ。
「全く見当もつかないですねぇ・・・。」
「・・・わからぬ・・・。」
「皆目見当がつかぬ、とはこのことか・・・。」
年長組はどうやらギブアップらしい。
「アンジェリークはどういった夏のすごし方をしたのでしょうか・・・。」
「・・・それよ!!リュミちゃん!!アンタ天才!!」
オリヴィエの大声に残った面々も慌てて彼のほうを見た。
「どうしたんだよ、でッけー声出してよぉ。」
「ゼフェル。アンタ夏はどうしてた?」
「な・・・いきなりなんなんだよ。」
「いいから答えな。」
ずいっと近づいてくるオリヴィエの妙な迫力にゼフェルは後ずさったものの、きちんと答えた。
「そーだなぁ・・・。ダチと夜遊びして・・・。」
「ゼフェル、そなたその年で何をしておったのだ。」
「うっせーな、おっさん。」
「その口の利き方はなんだ!!年上に対する態度とは思えぬ!!」
いつもの如くジュリアスVSゼフェルの争いが始まろうとしていた、が・・・。
「ジュリアスストップ。今はアンジェの居場所を探すのが先。怒るんなら後にして。」
オリヴィエが待ったをかけた。
「しかし・・・。」
「・・・あの、何故ゼフェルに聞きますの?」
ジュリアスがなおも言い募ろうとしたのをロザリアが割り込んだ。レディーファーストを叩き込まれているジュリアスは流石に口を挟めない。いい連携プレイですね、おふたかた。
「ああ、カンタン。あの子と一番環境が似てるじゃん、ゼフェルって。」
「ああ、それで。」
全員、納得したようだ。
「はい、ゼフェル。アンタどうしてた?夜遊びして?」
「花火作ってよ・・・。」
「アンジェは作れないよな、花火・・・。」
ランディが思わず呟いたが、
「はい、そこ、黙ってて。それで・・・?」
一蹴された。
「そーだなぁ・・・。あとは海水浴・・・。」
「「「「それだ〜〜!!」」」」
アンジェの行き先、どうやら分かった模様。
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