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「もう、悔しい!!」
「なんなのよ、一体・・・。」
女王執務室で、いきなりアンジェリークが大声で叫んだ。
「聞いてよロザリア・・・。オスカー様ってば酷いのよ!!」
「つまり、オスカーをギャフンと言わせてやりたい、振り回してやりたいということなのね。」
アンジェリークの話を聞いたロザリアはアンジェリークの言わんとしていたことは分かった。要は半分のろけ話だったが。オスカーが寝かせてくれないと言うものだった。
「そうなの。」
ロザリアは考え込んだ。可愛い可愛い可愛い・・・∞アンジェリークを独り占めしているオスカーが、はっきり言ってロザリアは気に食わない。今まではアンジェリークが悲しむから、という一点だけでオスカーに対する嫌がらせを抑えてきた。嫌がらせと言ってもオスカーの書類を3倍にしたり、アンジェリークを遅くまで女王宮に留まらせてオスカーをヤキモキさせたり・・・といったかわいい物である(かわいいものなのだろうか・・・)。
「簡単なものがあってよ。あんたが『別れる』って言えばオスカーはギャフンと言うでしょうね。ギャフンどころか、青ざめるわよ。」
そうなればわたくしもうれしいし、というのはロザリアは心の中で抑えておく。
「そんなのはヤダもん。私、オスカー様と別れるなんて、考えたこともないもん。」
あっさりとアンジェリークは却下した。
「そうね・・・。こんなのはいかが?」
こそこそ・・・。
ロザリアの耳打ちにアンジェリークは首を傾げた。
「そんなので大丈夫なの?」
「この私に不可能なことなどなくってよ。」
自信満々のロザリアにアンジェリークも頷いた。
「ねぇ、おすかーさまぁ。」
オスカーが帰宅すると、いつもの如くアンジェリークが出迎えた。が、様子がおかしい。
「お嬢ちゃん、一体どうしたんだ?」
「あんじぇ、ろうもしらいもん。」
明らかに呂律が回っていない。
「お嬢ちゃん、何かあったか?」
オスカーが近づいてみると・・・。
「酒、飲んだのか?お嬢ちゃん。」
アンジェリークから、かすかにアルコールの匂いがしたのだ。
「申し訳ありません、オスカー様。アンジェリークさまがお帰りになった際に、どうしてもと仰って・・・。」
どこからともなく執事が出てきて、すまなさそうに言った。
「何を出したんだ・・・?」
恐る恐るオスカーが尋ねてみると、
「ウイスキーボンボン、でございます。」
「はぁ・・・?」
てっきりウイスキーやワインといったものを想像していたオスカーは、あっけにとられた。
「はい。正真正銘のウイスキーボンボンでございました。」
「ちょっと待て。そんなにアルコール度数の高いウイスキーボンボンなんてあったか・・・?」
「いいえ。1パーセント未満のものでございます。」
1パーセント未満といえば子供用のシャンパンと同じである。まさかそんなもので酔う訳もない。
「おすかーさま、あんじぇいっぱいまったんらもん。」
甘えた仕草で腕に絡みついたアンジェリークが上目使いにオスカーを見やった。その姿は凶悪的に愛らしい。
(うっ・・・。)
オスカーは込み上げるものを抑えつつ、執事に下がるように言って、アンジェリークを抱き上げると、2人の寝室へ続くドアをあけた・・・。
「アンジェリーク・・・。」
恋人をそっとベッドに寝かせたオスカーはうえからぐあばっと覆い被さった、が・・・。
「らめなの!!」
拒まれた。
「そんな事言ったって、お嬢ちゃん・・・。」
オスカーが唇を重ね合わせたとたん・・・。
ばちっ!!
「うわっ!!」
電流が走った。これは言葉の表現ではなく、本当に電気が走ったのである。
「お嬢ちゃん、一体、どうしたんだ・・・。」
さすがのオスカーも動きが止まった。
「あんじぇねぇ、たいれんちゅうらの。」
「帯電中?」
なんと言ってもオスカーである。アンジェリークの言うことは正確に把握している。
「そうらろ。あんじぇがやなことすると、ばちってなるの。」
ころころと楽しそうに笑うアンジェリークは、オスカーの見ている前でいきなり服を脱いだ。
「ん〜とねぇ・・・。あんじぇかわいいおようふくかったの〜。おすかーさま、みてみて〜。」
アンジェリークが着替えたのは、白いミニワンピ。膝上15センチで、フリルが裾に施されていて、全体的に天使のような雰囲気である。デザイン的には全く問題ない。が・・・。
透けているのだ。それも計算されたように、微妙に。見えそうで見えないぎりぎりの線で透けている。
「アンジェリーク、それ、いつ買ったんだ・・・?」
全く思っても見ないことを口にしているあたり、かなりの動揺が見て取れるオスカーだった。
「ん〜と、わかんない。」
にっこり笑ったアンジェリークはオスカーの上にのしかかった。そのままオスカーを押し倒し、唇を重ね合わせる。
オスカーもそれに答え、アンジェリークの舌に自分の舌を絡めたとたん、
ばちっ!!
「うわっ!!」
再び電流が走った。
「あんじぇ、ゆったでしょう?おすかーさまがするのはらめなの。あんじぇがしなきゃいけないの。」
「俺が手を出したら、お嬢ちゃんが放電するって事か・・・。」
どうやら今更ながらにオスカーが気が付いたようだ。アンジェリークが絡むと思考がまともに動かないようだ。
「わかった〜?あんじぇがするのはいいのぉ。」
ころころ笑ったアンジェリークは再びオスカーを押し倒した。そのままオスカーの首筋に舌を這わせ、耳朶を軽く噛んだ。そして、
「おすかーさまぁ・・・。これ、じゃまですぅ・・・。」
囁くような声で服を脱ぐように強請られたオスカーはシャツのボタンに手をかけた。
「ん・・・。あんじぇがするぅ・・・。」
ボタンを外したアンジェリークはそのままオスカーの突起に舌を這わせた。ゆっくりと丁寧な愛撫にオスカーも自然とアンジェリークの髪を撫でる。
「あんじぇ、おすかーさまのからだ、すき・・・。」
言いながらアンジェリークはオスカー自身をパンツの中から引き出した。
「嬉しいぜ、気に入ってくれてるのは・・・。」
オスカーがアンジェリークを抱き上げようとした、が・・・。
ばちっ!!
再度電流。
「うぐ・・・。」
アンジェリークにモノを咥えられたままだった為、かなりのダメージを受けたオスカー。
「んもう・・・。あんじぇがするってゆったのぉ・・・。」
あまりの刺激に萎えてしまった(当たり前だ)オスカー自身をアンジェリークは咥え直し、微妙な刺激を与えていく。裏筋を下から上に。先端を舌先で。
「ふぅ・・・。」
自分が教え込んだ可愛い恋人の丁寧な愛撫に、オスカーは我慢ができなくなっていた。
「上手いな。お嬢ちゃん・・・。」
オスカーの言葉を聞いたアンジェリークは、
「ん・・・。おすかーさまの、おいしい・・・。」
などと言ってのけたのである。
「もう、駄目だ・・・。許してくれ。お嬢ちゃ・・・。」
我慢の限界に来たオスカーはアンジェリークを見やったとたん、ある異変に気がついた。
「寝てる・・・?」
なんとアンジェリークはオスカーのモノを咥えたまま、寝入ってしまっていたのだ。
ほっとしたオスカーはアンジェリークを引き離そうとしたが、
「ぐ・・・。」
眠っているアンジェリークだが、放電は終わっていなかった。
「大したお嬢ちゃんだ・・・。」
アンジェリークのものを咥えられたまま眠ろうと思ったオスカーだったが、アンジェリークが時々もぐもぐと口を動かすため、自身に絶妙な刺激が与えられて、眠るどころではなかった・・・。
結局オスカーは一睡もすることはできなかった、とさ。
ロザリアがアンジェリークに耳打ちしたのは、
「家に戻ったら何かアルコール類のものを口にしなさい。」
だった。
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