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最近、いつにも増してオスカーの口説き文句が冴え渡っているので、それをとっておいて、オスカーが出張中なんかのおりに聞きたいので、ゼフェルのメカチュピに録音機能を付けて貸してくれ、というのが大体の理由らしい。
「で、ダメ?」
アンジェリークは、翠色の瞳をうるうるさせながらゼフェルを見上げる。言っておくが、アンジェリークのうるうる攻撃(命名、ランディ)に勝てる人物はこの聖地において、皆無である。アンジェリークの異性の友人、爆弾発言には比較的馴れていて、耐性も出来ている(と自負している)ゼフェルも勝てるはずもない。
「わーったよ。録音機能付けりゃ、いいんだな?」
「うん!!ありがとーゼフェル。」
ちゅ。
ゼフェルの頬にやわらかい感触。
アンジェリークが彼の頬にキス、したのである。
瞬間、女王執務室は阿鼻叫喚と化した。
「いやああああああ!!アンジェが、アンジェが、キ・・・。」
と言ったまま氷の彫像化してしまった、麗しの女王陛下。そしてそれを何とか正気に戻そうとする、風様と首座様。
「おまちっっっっっ!!!アンタ、どっちの頬にキスされたのよ!!あたしによこしな!!!」
「何でいつもゼフェルばっかり、いい思いするのぉぉぉぉ!!僕にもさせてよ!!」
叫びながらゼフェルにキスしようとする、夢様と緑様。(どうやら我を忘れているらしい。)
「許せません!!さ、クラヴィス様、思う存分呪って差し上げてください!!!」
「*%$〇¥々?!」
怒りに打ち震えながらも、さっきの仕返しとばかりに、クラヴィスをけしかける水様と、『何故自分が?』などと疑う余地もなく従う闇様。
アンジェリークは、というと、
「わーい。皆さん楽しそうに遊んでるぅ。」 と、一人嬉しそうにその場でくるくる回っている。
そんなてんやわんやの修羅場の中、平然と補佐官に近づき、いつもののほほんとした口調のまま、地様がおっしゃった。
「あー、このことは、もちろんオスカーには内緒、ですよねぇ?」
「はい!!」
まわったまま答えるアンジェ補佐官。
「内緒にする代わりに、何かご褒美が、ほしいですねぇ・・・。」
「何がいいですか?あ、でも、アンジェあんまりおこずかい無いですし、そんなにたいしたものは差し上げられませんが・・・。」
まわりやめたアンジェリークは、ルヴァと話し始める。
「そんなたいしたことじゃ、ありませんよ。ゼフェルにしたことと、おんなじことをですねぇ・・・。」
「なーんだ。そんなことでいいんですかぁ?」
言うが早いがルヴァの頬にちゅっとくちづける、アンジェリーク。
「「「へ????」」」
一同、固まる。
「みんなも内緒にしてくれるそうですから、アンジェ、みんなにもしてあげてくださいねぇ。」
ルヴァの言葉に、アンジェリークは、
「はーい。」
と、良い子の返事をして、全員の頬にチュッとしてまわったのである。
そんな中、ルヴァはゼフェルにだけ聞こえるような声でこう、言った。
「伊達に長年守護聖をやっているわけじゃあ、ありませんからねぇ・・・。私は地の守護聖ですしねぇ・・・。頭は使うものですよぉ、あんまり使わないと、あの人たちみたいに腐ってしまいますからねぇ・・・。」
鋼様が、ルヴァの視線の先に目をやると、そこにはアンジェリークにキスされて、でれでれになっているジュリアスとクラヴィスの姿があった。
彼は思った。
「こいつだけは、敵にまわさねぇほーが、俺の人生安泰、かもな・・・。」
ゼフェル君の今日の教訓
ルヴァに本、ルヴァにルアー、ルヴァに緑茶、俺の人生安泰だぜ。
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