村の長老は語った…: むかぁしむかし、世界が生まれたとき、せかいはひとつだったのよ。 ぜんぶいっしょで、他にはなぁんにもなかったのさ。 で、世界はひとつっきりでさびしかったから、ふたつに分かれたのさ。 それがつまり、天と地ってわけだよ。 天と地の間には海と山と、太陽と月と星が生まれて、 またそれらの間には草や木や、魚や鳥や獣、それから人間も生まれたのよ。 ところがこの連中は仲が悪くてよ、朝からまた次の朝が来るまでずーっとケンカしっぱなしだったのよ。 この時代、草も木も、魚も鳥も獣も、それから人間も、 今よりずーっと強くて、魔法もたくさん使えてな、 その力を使ってずーっとケンカを続けてたもんだから、 天は煙でモヤモヤになったし、地は毒が染み込んでグズグズになったし、 山は砕けてバラバラになったし、海は汚れてドロドロになっちまったのよ。 それで天も地も怒るを通り越してあきれはてちまって、 四人の神様を生んで、草や木や、魚や鳥や獣や、それから人間を治めさせることにしたのさ。 四人の神様は世界の四隅に立って、 草や木や、魚や鳥や獣や、それから人間をバラバラにちぎって、世界中にバラ撒いたのよ。 それで草や木や、魚や鳥や獣や、それから人間はすっかり弱くなって、ケンカしてる暇もなくなったんで、 天も地も海も山もすっかり元通りになったというわけさ。 ところが 草や木や、魚や鳥や獣や、それから人間の中には運のいいやつがいて、 バラバラにちぎられてバラ撒かれた自分の欠片を見つけちまうことがあってな、 そういうやつが力に任せて暴れまわったりすることがあるんだよ。 そんなときのために四人の神様がいるはずなんだがよ、 この神様方ときたら、誰が一番偉いかってことでケンカをはじめてよ、 草や木や、魚や鳥や獣や、それから人間はほったらかし同然というわけよ。 そんなわけで近頃は、 どこへ行っても天気が悪いし地面は落ち着かないし、山は崩れるし海は荒れるし、 どこへ行っても自分の欠片を取り戻した連中が暴れてる、と来たもんだ。 困ったもんだよナァ。