◆都に闇が染まるまで◆
++第一話++
広く…砂海に囲まれた大陸
独自の文化をもつ「ジパンヌ」の都(みやこ)…「京天殿」…

近頃、都の下町では只ならぬ事件が相次いで起こっているらしい
闇に沈む夜になると、役人どもが提灯に日を灯しゾロゾロと
それは百鬼夜行の如く町を巡回するほどだった
町の奉行板(役所が出すタテ看板)に依れば
幾多もの名の知れ渡った商業人が屋敷を荒らされ、はてには残虐に死を迎えさせられているとか…
結構呑気なジパンヌの民達だが
やはり殺生事は只ならぬ事…役人の夜回りも激しい今は
暗くなってから外出するものはメッキリ減っていた
お陰で遊郭などは商売上がったりだと、役所へ文句を言いに来る程だ
しかし、役所もただ夜な夜な歩き回っているだけではない事を民達は知っていた
奉行板にも書いてある事なのだが
犯人は断定しているのである
そう…一連の事件の犯人は「ホタル」であると

事件の犯人まで断定しているのに一向に収まらないこの騒動
煮え切らない役所の行動と役所にはびこる焦りの色…
町の者は皆今までに感じた事のない不安に陥るしかなかった


都の空が赤く染まり始めた頃…
カンッ!!カンッ!カツン
派手な下駄の音が下町の裏通りを行く
「あ!!おかえりぃ☆アキにいちゅぁ〜〜〜ん」
長屋からピョコンと幼い少年が出てきたかと思うと、その派手な音を発てて大荷物を抱えたその者に向かって
大声を張り上げ思いっきり手をブンブン振り回している…
と共にその声を聞きつけて、更にゾロゾロと他の子供達やその親などが
ざわざわとその者をもてなそうと表に出てきた
何とも恐ろしい(イヤイヤ…)物凄い現象である
たちまち裏通りは住人達でギッチリになってしまった

「ぐあぁ〜!!疲れたぜ…ふぅ、みんな待たせて悪かったな!思ったより大荷物でよ…ほら^^」
大量の荷物を担いでやっとの事でみんなの元にたどり着いたその者は
ドッサ!!と荷物を地面に置くと手早く結び目を解いてみんなへ中身を見せようとする
その周りにはワラワラと人が群がってやはり恐ろしい光景だった
「いつもすまないね・・・<アキト>が居てくれるから満足のいく暮らしができてるよ」
口々に同じように大人たちはそうその者に向かって言葉を投げかける
少しはにかんだような微笑を見せる少年…
その<アキト>と呼ばれた少年に今度は子供達がドドッと押し寄せる
「兄ちゃんあそぼうよぉ〜VV」
「オレも〜!!!!」
「アタチ達だってアキ兄ちゃんと遊びたいよぉ〜!!」
などなど…体中に子供達をくっつけて、とりあえず彼(アキト)は荷物に群がる人だかりを抜けて出る
と…
「ほらぁ〜!お前ら!!アキトは疲れてるだろぉ、ちょっと休ましてやってくれよ…オレが遊んでやっからさ」
アキトにとってはグットタイミングの助け舟だった
正直マジで疲れ果てていたから
「わりぃな…<サトミ>、お前もいつもこいつらと一緒なんだから疲れてるだろ?」
助け舟を出してきた者は<サトミ>というらしかった
「かまわねぇーよ…お前に比べたらさ、俺は楽な方だろうがよ^^」
そう言ってニカッと笑って見せると子供達の方へかけていった
サトミがかけ去った後アキトは自分の後ろをチラっと見てニヘラっと笑った…
「あいつあれだから女にモテるってもんだ^^」
アキトの後ろには先ほどのサトミの笑顔でメロメロになっている女の珍体がいくつも並んでいた
その様を一通り楽しんだあと、アキトはサトミの好意をしっかと受けて
自らの寝ぐらへと足を運ぶ事にした


第二話へ