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『ZZZ……』 ヒゲオヤジ・井上寿司の主人が寝ています。
トロは井上寿司の主人といっしょに暮らしています。 トロは拾ってくれた主人が大好きです。 でもお店が忙しくてあまりかまってくれません。 トロは考えました。 『そうニャ!トロもお手伝いするニャ!!』 トロは寝ている主人を踏み越えて、板場へと行きました。
『ニャニャ!!いいにおいがするのニャ〜』 そこは魚の宝庫でした。 『はにゃ!ちがうニャ!お手伝いお手伝い!!』 でも、トロは何をすればいいのかわかりません。 トロは何かを見付けました。 『キレイなのニャ・・・!』 トロが見つけたのはエビに似た生き物でした。 手をそっと近付けてみるとピチピチはねました。 『ニャ!?』 もう一度触れてみました。 ピチピチ! 『楽しそうなのニャ!トロもやってみるにゃ!』 トロもその生き物のように腰をふって跳ねてみました。 『楽しいニャ!楽しいニャ!!』 その時です。 電話がいきなり鳴り響きました。 『ニャニャ!??』 トロはびっくりして電話をとってしまいました。 「もしもし?」 トロはいつも主人が電話をとるのを見ていました。 『えっと、…うにゃ!毎度ありがとうございますニャ!井上寿司なのニャ!』
井上寿司の主人は電話の音で起きました。 『…?今電話がなったような・・・?』
トロは受話器を置きました。 そこへ、主人がやってきました。 『なにやってんだ!板場へ入るなっていってあっただろ!』
トロは主人が大声で怒ったので泣いてしまいます。 『ここはなぁ、ネコなんかがはいっちゃいけねぇんだ!』 でもトロは泣きながらいいました。 『お寿司…とくじょう…ににんみゃえ… あと…サビぬきいちにんみゃえ……』 『あぁ??』 そうです。トロは注文を取ってしまいました。 『3丁目の…えっと・・・』 『鈴木さんか?』 『…』 トロはうなずきました。
『注文とるなんてなぁ…!』またまた、大きな声です。トロは頭をおさえました。 主人はトロをじっと見ました。 『…すげぇネコだ!』 主人はトロを抱き上げて、顔をすりすりしてきました。 ヒゲがチクチクして痛かったけど主人は大喜びです。 トロもとってもしあわせです。
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