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『ゴクゴクゴクッ!』 『プハ〜ッ!!』 へんな匂いが漂っています。
『腰に手を当てて、ぐいっと、な!』 『はいニャ!腰に手を当ててぐびっと、ニャ!!』 トロは緑色をした飲み物を一気に飲みました。
『プハ〜ッ!……ぐえっ…!』 涙目になってるトロがおもしろく見えます。 『これはなぁマズイけど、カラダにすっげぇいいモンなんだ』 『は・はいなのニャ!』 『栄養いっぱいつけて、早く大きくならんとなぁ!』
ヒゲオヤジ・井上寿司の主人は箸で納豆をかき回し始めました。 『ニャ!腐ってるニャ!!ねばねばしてるニャ!!』 『ばっか!これこそ日本の心だ!ほら、トロの分だぁ!』 ドンっ!! 主人が丁寧に30回かき混ぜた納豆には、ほどよい粘りが出ています。 『こう、ゴハンにかけてな、ずるずる〜っと、な!』 『ゴハンにかけて、じゅるじゅる〜と、ニャ…?』
主人はとてもおいしそうに食べています。 『…おいしいニャ?』 『おぉ!これはさっきの青汁とちがってな!断然うまいぞ!!』 トロは目を瞑ってじゅるじゅると食べてみました。 『ニャニャ!!おいしいニャ!!』 『だろ?納豆にも栄養いっぱい入ってるんだ。』 『栄養っておいしいニャ』 『よしよし!トロ、おめぇはすぐ大きくなれるぞ!』
トロは昨日のことを思い出しました。 『トロって、大きくなったら何になるのかニャ?』 『…は?』 朝っぱらから、質問の嵐の予感がします。 『トロはなぁ〜…んー、何になりたいんだ?』 主人は苦笑いをしながらたくわんを口にほうばりました。 『んにゃにゃ・・・』 トロもたくわんをぽりぽりさせました。 『ニャ!!』
『そうニャ!納豆になりたいニャ!!』 トロはにこにこ笑顔でいいました。 『はぁぁ?納豆か?』 『おいしいニャ!栄養いっぱい付けたらなれるニャ!?』 主人は茶碗にお茶を注ぎました。 『ん〜そんだなぁ、誰かに食われちまうなぁ…』
ガーン!!
『そうなのニャ!!ニャ!やっぱり、やめるニャ!!』 トロはちょっと涙ぐんでます。 『ニャニャ〜…』 主人はトロの茶碗にもお茶を注ぎました。 『ほら、こうやってお茶をぐびっとすするとな、茶碗に残った栄養も全部とれるんだ』 話をそらすのに必死です。 『ほらぁ、手合わせてごちそうさんだ』 『はいニャ!ごちそうさまでしたニャ!』
お腹が大きくなったトロはうたた寝をしています。 その時です。 トロの耳が立ちました。
ガラガラガラ… 『すいませーん!青汁のお届けに参りました!』 珍しい女の人の声です。 『はいはいはい!』 主人が急いで走って行きます。 トロは何事なのか気になって後を付いていきました。 『2人分に増やしておきましたよ』 とってもやさしそうな声です。 お顔もやさしそうでした。 『ややっ!どうもすいません!』 主人は今まで見たこともにような笑顔をしています。 トロはびっくりしました。 『はにゃにゃ!!?』 青汁を手渡したおんなの人は笑顔で帰っていきました。
主人はぼ〜っとしています。 『?なんだぁ?トロ起きちゃったか?』 気持ち悪いほどニコニコの笑顔でトロをみました。 『青汁ってシアワセのこと?』 『そんだぁ〜!こうやって運んでくれる人がいるから毎日健康で暮らせるんだぁ!』 なんだか違う気もしましたが主人がシアワセそうなので トロもがんばって毎朝青汁を飲むことにしました。
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