トロとゆかいな仲間たち

−6(後)−

目が覚めたら、お布団の中なのニャ。

『目が覚めたダスか?今、店番が終わったとこダスよ』


…不思議だニャ〜!

おフトンって眠くなる魔法がかかってるみたいニャ!

もうちょっと眠っていたいニャ〜…

『起きるダス!』

リッキーに布団をはがされたニャ〜。

『気分はどうダス?』

『シアワセ…だったのニャ〜』

『そうダスか?もう大丈夫ダスね』

周りを見ると、見たこともないモノがいっぱい!

『ここはいろんなモノがいっぱいなのニャ!』

『骨董品屋ダスからして…』


お皿や掛け軸、古時計に置き物、古いお札、家具、仏壇…

独特なニオイが漂っています。

トロの寝かされていた畳の部屋から障子を隔て、格子のある板の間と土間の店内が広がっています。


リッキーといっしょにお布団をたたむお手伝い!

畳がつるつる滑るのニャ!

つるつるつるつる…つるつるつるつる…

楽しいニャ〜!


障子越しに、優しそうなおばあさんが、そぉっとこっちを覗いたニャ。

にっこり笑って言ったのニャ。

『また、おこしよ』って。

”おこし”って腰のコト?

…みゅー?

人間ってムズカシイ言葉をいっぱい使うのニャ〜…

ニャニャ!お勉強!お勉強!

 

骨董品屋ののれんをくぐって外に出たら、空がオレンジ色に変わってた。

お家がオレンジ色に染まってる!

キレイ!キレイ!!

いいニオイがあっちから、こっちから…!

おいしそう!おいしそう!!

ニオイにつられて、ふらふらしてたら

リッキーがいったのニャ。

『今日はタイヘンだったダスね。トロは』

…はニャ?今日、何があったかニャ〜?


『”引越ししたばかりでお部屋がサビシイでしょう?ピエールが風水で占ってあげるワン!”

 って、ピエールがいってたダスよ』

『ふうすい?公園にあるのニャ!』

『それは噴水ケロ〜』

そうニャ!イヌのピエールに会ったのニャ!

フラダンスに憧れてるのニャ!

『…ぐーーきゅるるるる…』

『はニャ!?』

びっくりニャ。トロのお腹のムシが鳴いてるのニャ!

『オラもハラ減ったッスよ』

『今日はドーナツしか食べてないのニャ…』

『やっぱり、拾い食いしたんダスね』

ガーン!!!

『ニャニャ!どうしてわかっちゃったのニャ!?』

リッキーは笑ってるニャ…。

どうしてバレたのかニャ〜?


リッキーは骨董品屋さんでお手伝いしながら暮らしてる。

エライのニャ!

トロもお手伝いしたいニャ!

 

「…パ〜プ〜パ〜…チンチンチン…」

自転車のお豆腐屋さん!

トロたちの横を通り過ぎて、本屋さんの前で止まったニャ。

誰かが呼び止めたのニャ〜。

『…アレは…』

『ニャ…スズキニャ?』

スズキと豆腐屋のおじさんはしゃべってるニャ。

でも、スズキ…怒ってるニャ。

『どうしたんダスかな?』

スズキはこっちに気付いて、プンプンしながら駆け寄ってきたニャ。

『あの豆腐屋!「いまどき人力自転車は古い!スズキが改造してやろう!」

 と言ったら、「大きなお世話だ!」だって…あのオヤジの頭は化石なのだロボ!』

よくわからないけど、スズキ怒ってるのニャ。

『オヤジは、なんであんなに凶暴になるんダスかねえ〜。

 オヤジの七不思議、その5ダスよ』

『恐るべし!オヤジパワー!!』

スズキの頭がグィングィン回ってるのニャ!

すごいニャ!すごいニャ!!

『オヤジの秘密を暴くためなら、フラダンスでもなんでもやってやるロボ!』

フラダンス!

トロ知ってるニャ!

『スズキもフラダンスに憧れてるのニャ?ピエールと同じなのニャ〜!』

『は?』

『グーきゅるるるる!!!』

トロのお腹が鳴いたニャ。

『…腹がかなり減っていると見たロボ!』

『トロは今日、腐ったドーナツしか食べてないダスよ』

リッキーが笑いながら言ったのニャ。

ひどいニャ!ひどいニャ!

恥ずかしいニャ〜〜!!

『ハラ壊してタイヘンな目に合ったダスよね』

『…そうなのニャ…』

『スズキなら腐っていても大丈夫だロボ〜!トロも改造してやるロボ!』

『いいのニャ!遠慮するのニャ!』

『そうロボ?便利なのに』

ベンリでも、ロボットにはなりたくないのニャ。

でも、頭がグィングィン回るのは

おもしろいかも…ニャ!

『これから食べに行くケロも、スズキもいっしょにどうダス?』

『豆腐の出ない店なら行くロボ〜』

 

三人でのれんの掛かったお店に入ったのニャ。

スズキはオイル、リッキーは熱燗、トロは…

『トロは甘ちゃんだから、オレンジジュースにしてケロ!おかみ!』

だって…。

トロって…”甘い”のかニャ?

今日はお風呂でゴシゴシ体を洗うニャ!

甘いのもきっと取れるのニャ!

えっへん!

 

こうして、トロの一人暮らしは始まったのでした。