アイツが死んだ・・・

    それを知ったら君は

    真実を知ったら君は・・・

    どうするんだろう・・・






            涙と真実






 町を歩いていたら、1人の女を見かけた。

 藤色の髪にエメラルドグリーンの瞳、誰の目も惹きつける美しい容姿。

 名を、リンスレット=ウォーカー。

 「リンスちゃん、まだこの街に居たんだ・・・」

 ジェノスは、1人小さく呟いた。

 (てっきり、元13、トレイン=ハートネットと一緒に、言ってしまったのかと思ってた・・・)

 などと考えている内に、早速、1人の男がリンスに声をかけてきた。

 リンスは、まったく相手にしていない様子だが、見ていたジェノスは頭にきた。


 「俺の連れに、何か用でやんすか?」

 「え?・・・ジェノス?」

 さすがのリンスも驚いた様子で、エメラルドグリーンの瞳を大きくしてジェノスを見た。

 「やあ、リンスちゃん久しぶり」

 「・・・ジェノス、あんた・・・」

 リンスの言葉を遮って、声をかけてきた男が怒鳴ってきた。

 「てめぇなんかに用はねぇんだ!その女をよこせ!!」

   どうやら、リンスが独りではなかったので、腹を立てているらしい。

 「おや?気が合うねぇ、俺も男なんかにゃ興味ないね」

 「やろー、なめてんのか!?」

 そう言って、男はジェノスに殴りかかってきた。

 ジェノスはその拳を軽くかわし、その男をにらにつけた。

 「・・・失せろ!」

 その一言で男は、後退りをして逃げるように去って行った。


 ジェノスはリンスの方を向き、笑顔で同じ台詞をもう1度言った。

 「リンスちゃん、お久しぶり」

 リンスはジェノスに返事をせず、黙ったまま、俯いていた。

 しかし、クルリと回れ右をして、勢いよく歩き出した。

 「え?ちょっと、リンスちゃん?」

 ジェノスはリンスの行動が理解できず、尋ねた。

 「リ、リンスちゃん、どこ行くの?」

 リンスは呟くように言った。

 「・・・ホテル」

 「へ?」

 リンスの口から出た言葉に、ジェノスは一瞬期待をした。


   しばらく歩いて行くと、本当にホテルに着いてしまった。

 リンスは、フロントで鍵を受け取り、部屋へ向かった。

 「言っとくけど、私が借りてるホテルだからね!」

 「・・・は?」

 思わずジェノスは、間抜けな声を出してしまった。

 「変な期待してんだったら、大ハズレよ」

 「へ・・・あ・・・ま、まさか、そんなこと思ったりなんかしてないでやんすよ・・・ハハハ」

 リンスは、そんなジェノスをチラリと見て、大きく溜息をついた。


   カチャリ

 部屋の扉が開けられ、ジェノスが先に入り、リンスが扉を閉めた。

 ガシャン

 リンスは鍵を閉め、ジェノスの方へ近づいてきた。

 リンスは、ジェノスの目の前で足を止め、俯いたまま黙っている。


 「あ、あの・・・リンスちゃ・・・」


 パシン!!

 最後まで言い終えない内に、リンスはジェノスの頬を思いっきり叩いた。

 「あんた!無事なら無事って、すぐに連絡しなさいよ!!待つだけっていうのが1番嫌いなんだから!!私はね、心配しながら帰りを待つだけって言うタイプの女じゃないんだからね!!!」

 リンスはジェノスにそう怒鳴りつけた後、しばらくの間、肩で息をしていた。

 リンスは少し落ち着くと、強引にジェノスの手を引っ張り、ベッドに座らせた。

 ジェノスの隣にリンスが座り、落ち着いた声でジェノスに訊いてきた。

 「それで、あの後、どうなったの?」

 リンスは真剣に、そうジェノスに訊いてきた。

 リンスのエメラルドグリーンの瞳には熱がこもっていて、真剣さをより一層きわだたせた。

 ジェノスは、リンスの居なくなった城での出来事をゆっくり、すべて話した。

 そして、アイツが死んだ事も・・・


 「そう・・・ベルーガがね・・・」

 リンスがそう呟くと、ジェノスとリンスの間に、沈黙が生まれた。

 その沈黙を破ったのは、リンスだった。

 「あーあ、長ったらしい話聞いたら、疲れちゃった」

 「へ・・・」

 妙に明るいリンスの声に、ジェノスは何と言ったらいいか解らなくなってしまった。

 「なんか、眠くなっちゃたから寝るね・・・ジェノス、膝貸して?」

 「は?ハイ」

 ジェノスが返事をし終わらない内に、リンスはジェノスの膝の上にコロリと、頭を乗せ寝てしまった。


 ・・・訳ではなかった。

 リンスは、かすかに肩を震わせていた。

 「リンスちゃん・・・」

 「何よ?もう・・・ッ・・・寝るんだから話しかけないでよ」

 「我慢したら、辛くなるよ?」

 「・・・ッ・・・」

   何も言えなくなっているリンスを、ジェノスは肩を持って起こした。

 リンスは俯いたまま、静かに肩を震わせている・・・

 「いっぱい、泣いてあげなよ・・・」

 そう言うと、リンスはゆっくりと顔を上げ、ジェノスと目を合わせた。

 そして、潤んだエメラルドグリーンの瞳から、大粒の涙を零した。

 「ゴメ・・・ン・・・ック…泣いちゃ・・・ダ…メなのにね・・・」

 「え?」

 「・・・ベルーガは…ッ…感謝して逝った…のに…ね・・・」

 リンスはジェノスの胸に顔をうずめた。

 そんなリンスを、ジェノスは優しく抱いた。

 「今日は、アイツの為に泣いてやろうよ・・・」

 「うん・・・ヒック・・・今だ…けは・・・」


   ジェノスは、リンスの涙が・・・ベルーガの死が堪らなくなって、気が付けばリンスの唇を塞いでいた。

   「・・・んッ・・・ジェノ・・・ス・・・」

 ジェノスは我に返り、殴られる覚悟でリンスに言った。

 「ゴメン、リンスちゃん・・・俺・・・」

 ジェノスの予想は裏切られ、リンスはジェノスの背中に腕を回して言った。

 「今日は・・・ッ今だけは許してあげる・・・」

 リンスはそう言うと、再びジェノスの胸に顔をうずめた。


     窓の外は 雨が降り始めていた


   そう・・・君の涙と同じように・・・





                                                                              END























あとがき


やってしまいました・・・ジェノリン小説

もう、笑ってください!呆れてください・・・

文才のない、こんな私ですが、呼んでくださった方、有難うございます。

                              by 理鈴




涙。
・・・・切ないですーーー!!
まだ本誌でもジェノリンの出会いシーンが無いので、きっとこんな感じなんだろうな〜とドリームしました。
理鈴さん、どうもありがとうございました。
本気で泣けます(>。<;)
ジェノスさん漢だーーーー!!!!