義理チョコ 「ほらフィフス、受け取りなさいよっ」 アスカはカヲルに向かって小石のような物を放り投げる。 ぱし、と音をたててカヲルはそれを受け取った。 「なんだい? …チョコ?」 「そーよっ。アンタに、あ、あげるわよっ」 アスカの頬は何故かほんのり赤い。 「確かリリンが言っていたね…バレンタインデーだっけ、今日は。 女の子が好きな人にチョコをあげる日…だよね?」 カヲルはアスカに確認をするように目線を送る。 「そーよっ。アンタ知らないようだから教えてあげるけど、 義理チョコってのもあるのよ! それは義理! 分かった?」 そう言いながらもアスカの顔は赤くなっていく。 カヲルは受け取ったチョコをじっと見つめる。 小さいけれどハート型のチョコだ。 「ふふっ、ありがとうセカンド。君の気持ちはよく分かったよ」 「な、何よそれ」 「このハート型は、君の心。素直になれない君の気持ち。 この小さいハートに君の想いがつまっているんだね」 カヲルの言葉にますますアスカの顔は赤くなる。額に汗まで出てきた。 「な、な…」 「嬉しいよセカンド。小さくても大丈夫。君の想いは受け取ったよ。 そう、大きさなんて関係ないよね」 カヲルは嬉しそうにアスカを見つめる。 別にもう少し大きめのチョコを買っても良かった。 手作りをしたって良かった。 でもカヲルに想いを気付かれたくない。 だからわざと小さいチョコをアスカは買った。 どうやら今回はそれが裏目に出たようだ。 「僕には分かるよ。義理の本当に意味が…」 アスカに歩み寄り、手をそっと握るカヲル。恥ずかしくて動けないアスカ。 カヲルの手が少し冷たい。時が止まったかと感じた。 「僕も…君を大切に想うよ」 目を閉じてそっとアスカの前髪に口付けてカヲルは微笑んだ。 「真っ赤な君も可愛いらしいけど、いつもの君も可愛いよ。 そうそう、ホワイトデーというのもあるんだってね。 もちろん僕の気持ちをお返しするよ。まぁ今言っちゃったけどね」 照れたようにクスッと笑うカヲル。 あぁ、コイツはどうしてこんなに恥ずかしい事をペラペラ言うのかしら。 アタシには絶対言えないわ。アタシには…。 でもアタシが言わなくても…コイツ分かるのよね…悔しいけど。 「た、楽しみにしてるわよ、ホワイトデー」 カヲルの手を振り払い、真っ赤な顔を見られないように横を向いた。 カヲルが義理の何を勘違いしてるのかは分からないが、 自分の気持ちは伝わったようだ。恥ずかしいけど、やっぱり嬉しい。 ほっとして、少しだけ笑って気分を落ちつかせた。 「ほらネルフに行くわよ。さっさとしなさいよ」 振り返ってカヲルを見た。 「あぁ、…おいしいよ、セカンドの味がする」 「なっ、なっ、何言ってんのよアンタは! アタシの味なんてするわけないでしょっ!!」 ぱーんっ。 今度はカヲルの左頬が赤くなった。 おしまい。 2005.2.10 |
| 突然ですが、エヴァンゲリオン カヲル×アスカ で〜す☆☆ 普段はシンジ×アスカな上岸ですが、最近お気に入りなんですよ、カヲアス♪ でもこれもマイナーなので、自分でお話書いてしまいました〜トホホ〜。 実はこれ、初小説ですっ。小説…と言うよりは、ちょっとしたお話ですね。 シンジに対してもカヲルに対しても素直じゃないアスカだけれど、 カヲルなら素直に表現しない事も分かってくれそう…というか、色々妄想しそうですね(笑) やっぱりカヲルってひょうひょうとしてるなァ。 ついでにおまけです。 |