おかえし



「おっそい! 遅い遅い遅〜〜〜いっ!!」
アタシはイライラしていた。だってもう夕方よ!
授業だって全部終わっちゃったわ。クラスの皆は帰ってしまった。
朝からドキドキしてたアタシがバカみたいじゃない。
アイツの姿は見当たらない…もしかして帰っちゃったのかな。

アタシを置いて。

イライラが収まって、代わりに胸を掴まれる様な痛みに包まれる。
ズキ。痛い痛い。涙出そう。
もうここに居る意味も無い。帰ろう。
全部アタシの勘違いだったんだ。バカみたい。
そう思って、鞄を取り上げ力無く立ち上がった。

その時ガラリ、と音を立てて教室の扉が開いた。
「あぁ、ここにいたんだねセカンド」
やっとアイツがアタシに声をかけてきた。遅い遅い遅いわよ遅過ぎるわよ。
悲しいのと嬉しいのとが混じり合って、また涙が出そうになる。
「そんな顔をしないで。僕を…待っててくれたのかい?」
アイツが近づいてくる。言ってやらなきゃ。待たせすぎよ、って。
でもアイツの赤い目を見てると…言葉が出なくなる。
じっと見つめていたら、抱きしめてくれた。ぎゅって…優しく。
「今日、ホワイトデー…何をあげたら良いか考えてたらね、
 遅くなってしまったよ。ごめんね」
「…ホント遅いわよ…」
こう言うだけで精一杯。そうしたらアイツはアタシの髪を撫でてくれた。
「僕の気持ちを君にあげるよ。ずっと君の傍に居たい。君をずっと守りたい」
そう言うとフィフスは正面からアタシを見た。アタシ顔真っ赤かな…恥ずかしい。
「君は僕がいないと泣きそうな顔になるからね」
ふふっと微笑む。その顔が…不覚にもカッコイイなんて思ってしまった。
「べ、別に泣きそうになんてなってないわよ。でもアンタが傍にいたいって言うなら、
 アタシだって…ずっと一緒にいたって…いい、わよ…」
あぁ、こんな恥ずかしいセリフ言わせるなんて。もう頭がグラグラするわ。
アタシの手を取って、アイツはにっこりと笑った。本当に嬉しそうに…。

もう夕方。学校を出ると空はオレンジ色。
「でもっ、ホワイトデーにな〜んにも用意してないなんて信じらんない!」
「はは…それは悪かったと思ってるよ」
「じゃあアタシ行きたい所あるの! この前新しくオープンした喫茶店!
 フルーツがいっぱい乗ったケーキがおいしいんだって。連れてって!」
「どこへでも。僕のお姫様」
「…!!」
また恥ずかしい事を言うんだから!
アタシをドキドキさせてどうするつもりかしら、コイツ。
多分赤くなってるだろう顔を見られたくなくて、アイツの手を引っ張って前を歩いた。

この手がずっと離れなければ良いな…。

おしまい。

                                           2005.3.14
 
エヴァンゲリオン カヲル×アスカ 第2弾で〜す!!
前回バレンタインデーものを書いたので、一応続きのホワイトデーものです。
本当はタイトルちゃんと考えてたんだけど、忘れてしまって…(^^;)
なんだかフツーのタイトルになってしまいましたけど、少しはアスカをアスカらしく
書けたかなぁと思ってます…。が、やっぱりカヲルくんは難しいですね。
アスカ一人称の方が書きやすいかな。お話書く自体まだまだ難しいですけど(><)

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