S.E.M.Opinion

ひとこと言いたい!

Opinion Vol.2  ハセガワの「ストラトス」ってどう思う?

 037に続くヒストリック・ラリーカー第2弾として、話題になっている新作キット。新しいモン好きの2人が早速製作しました。模型作りのポリシーも作風も全然違う小田ちゃんと(む)氏、それぞれの評価は如何に? なお、それぞれの作品はギャラリーに展示してあります。

小田俊也 (む)

◎ここは良い!

 パーツの合いが良い。プラモデルとしてのクオリティーが高い。難しい作業も無く、誰が作ってもカッコイイストラトスになります。これは大事な事。

 真上から見た形状が正確。パッと見、カチッとしていて良く似ているのでヤル気が起きます。逆に、このボディ−を見たら他社のストラトスは作る気が失せます。
 細かい部分も良く調べてある(と思われる。実車を見た事が無いので何とも言えませんが)。

 エキゾーストのサイレンサーはこれまでに無い考証!
ミラー(ビタローニカリフォルニアン)が結構泣かせる。
完成後は殆ど見えないがサスペンションやサブフレーム等も良く出来ている。更なる作り込みへの配慮も抜かり無し。

 カルトグラフのデカールは扱いやすい。ニスが少ない・良く馴染む。糊が強い。クリアとの相性が良い。クリアがけなどしなくてもしっかり食いついてます。
とにかく、この仕様のストラトスが「有る」というだけで嬉しい!

 バリエーション展開も考えられており、今後考えられるのはこの部品構成のままで初期アリタリアカラーや、キャリア等の追加でサファリ仕様、フェンダーを換えてピレリやシャルドネカラー、内装を換えてストラダーレ。変わりダネでアニメ仕様も有りか?

◎ここは良い!

各部の合いが、かなり正確でカッチリ組みあがるし。
プラも柔らかめなので、工作しやすい。
 レース毎の相違パーツが不要パーツとしてしっかり入っている(バックミラー、マフラー、ハンドルなどなど…)ので、なんとなくお徳な感じもウレシイ。

デカールがカルトグラフってのも、このキットのウレシイところ。今更カルトの良さは言うまでも無いけど、とにかく貼っていて何の心配も不安も要らないのはさすが!
ただ、リヤのキック・ルーバー上に貼る部分は、幅がもうちょっと欲しいしライン合わせが面倒かも。
ノーズのルーバー部にかかるトコロは、半乾き状態の時に切り込みをいれて、ルーバーに馴染ませるのがイイでしょうね。

 シャーシ関係は、タミヤのような色気のあるモールドではないけれど一応やることはやってあります。サスペンションのスプリングなんかもちゃぁんとコイルになっているし。塗るの大変だけどね。気になったエンジンモールド(三方が板で、そこにレリーフされてるという…)は組んでタイヤつけてしまうと、殆ど見えないので、これで充分でした。

エッチングと交換したいところは、ちゃんと別パーツになっているところもウレシイ。

ボディをはめる時に、特に問題となる干渉などは無く、
納まるべきところに納まります。この辺は良く出来てる!絞り込まれたボディを広げること自体は、思ったより問題なし。ハメ外しも何度も出来ます。
(何度もやりたくないけどね)

◎ここはイマイチ。手を加えてみました

 ボディを横から見ると貧弱(フィアットX1/9みたい)。ノーズからのウエッジラインがドア部分で約1ミリ低くリア車軸を過ぎた所で頂点となっているのが原因?これに伴ってサイドウインドウも上下幅が広くなってしまっている。
 そのウインドウもピッタリ収まらない。また、ボディーの肉厚に対する逃げも取っていないのでツライチにならない。他のパーツがピタピタ納まるので、余計に無粋に感じる。サイド後方の押し出しピン跡も露出してしまう。歪みも有って室内が見えにくい。(塩ビを絞る型ですか?)

 リアオーバーフェンダーの形が違う(これって某ミニカーのコピー?)。やや張りだし過ぎで、形状も「張り」の面で構成されている。ホイールアーチも若干歪んでいる。実際にはリアタイヤとツライチ程度の厚みで、全体に「反り」の面で構成されていて、ホイールアーチ上側に少し張りが有る。ココはキットのフェンダーを捨ててパテを盛って作りなおし。なお、ボディーをシャシーに組み付ける際に割れないようリアカウルを分割。デカールも現物合わせでカット&タッチアップ。

 ルーフスポイラ−が厚いので端面を削り込み、若干高さもあるので足を1ミリカット。キックルーバーも端面を薄くして後方浮き気味に取りつけ。給油口のフタはプラ板で自作。

 カウルのキャッチピンはモールドを削り落としてモデラーズのエッチング(旧タイプ)を使用。今回、お得意のエッチングパーツが用意されていないのは少々寂しい。別売のエッチングが数種類出ているが、一長一短アリ。

 フロントグリル回り(アゴ部分)に丸みが不足していたので、こちらも1ミリ程パテ盛り。グリルの網はフジミのキットから流用。

 車体姿勢が前下がりなのでフロント側でシャシーを浮かせ気味に組み付け。

 デカールの緑(デイトナグリーン)は少々明るめ?。ハセガワの作例写真が暗めの緑に「塗って」あるのはズルい!確かに塗り分け用のデカールも用意してあったけど、一言コメントあって欲しいところ。折角のカルトグラフを捨ててしまうのも勿体無いので、私はデカールを使用。

 デカールといえば今回の物は隠蔽力が弱く、前後のゼッケンプレートは一度アルミテープ等に貼ってからボディーに付けると良い。またルーフのベンチレーター跡はデカールの2枚貼りでその存在を表現しているが、ココは軽くスジ彫りしてみた。

 リアのナンバープレート付近の黒塗装はマスキングが難しいので、マスキングシートを用意してほしい。

 ホイールは、抑揚・繊細さに欠ける。特にリアホイールのスポーク部はもっと凹んでて良いと思う。

 ライトのリム反射鏡はメッキをかけて欲しい。とりあえずリムはメタルック貼り。反射鏡とレンズは部品の厚みが目立ち過ぎ。ところでライトのレンズはあんなに丸みがあったのでしょうか?

 ライトポッドの前面は部品の厚みが出てしまうので、接着面を斜めに設計してもらい。それとライト取りつけ&光軸調整用のミミが有る筈なのでココもエッチングで表現したいところ。

 ワイパーもエッチングへの交換を前提に作ってるのか、全くやる気無し。ココは真鍮・洋白・プラを動員して自作。1本だけなので楽勝(といいつつ長めになってしまった)。

 室内はインパネのスイッチ類を虫ピン等で立体化してみたり助手席ドアにマップランプを追加してみたが、先述のウインドウの歪の為にほとんど見えず(泣)。

 シートは、やや丸めに整形し部分的にクッションを増した上で、中央布部分に布テープを貼りつけて多少の実感アップ(自己満足)。シートベルトも自作。ちょっとショボいけど、指定のデカール表現よりはマシ。

◎ここはイマイチ。手を加えてみました

ルーフ上のスポイラー?は背が高過ぎ。1〜1.5mm程度下げるとイイかも。

リアのキック・ルーバーはちょっと浮き気味でピッタリ合う。加えて各々の後縁が厚すぎなので、半分くらいに見えるように削りたい。
フューエルキャップカバーも形状やモールドはイイんだけど、かなり厚めなので、裏から削って”薄さ”を演出してやりたいね。
ルーフ上のインテイクのメクラ蓋は、デカールを重ね貼りするだけの表現なんだけど、ココはスジ彫りで表現してほしかった。簡単なので、ぜひ追加しておきましょう。

ノーズ上のルーバーは、新製品とは思えないほど
抜け具合や穴開き具合にばらつきがあるので、ここはチマチマと修正してやることをお薦めします。まぁそのままでも気にならない程度ではあるけれど。
 ココはタミヤのターボのがきれいに抜けてたな〜。

ボディ各所にはパーツ取り付け用のメクラ穴があるので、組み立て前に開口しておくことをお薦めします。1mmピンバイスがぴったり!作りながらでもイイんだけどね。

各部のスジ彫りはちょっと浅いか?開口部だけ(ドアなど)は深く彫り直し。まぁもうクセになってるだけかも。
各ウィンドウのゴム縁は若干太いかな〜?塗り分けを考えて、ここも深く彫り直し。

彫りといえば、例の星型のアロイホイールなんだけど、
(む)的にはコレで充分ですが、実際はどう?
ちょっと浅い?スポークの造形もちょっと硬い?

 インテリア関係:いつものハセガワスタンダードってとこ。ダッシュボードもまぁまぁの再現度。
シート形状はこんなもの?でっかいフロントウィンドウからシート周りはよく見えてしまうので、シートベルトなんかは、ちゃんと作りこんであげましょう。モデラーズので充分だけどね。
ドア内張りは位置決めがスパッと決まらないのが難点。
このパーツは上側だけを固定するようにしたほうが無難。
実際キットもそうなっているけど。
シャーシをはめる際にガバッ!とボディを広げる必要があるので。

 何故専用エッチング出さないかなぁ? 037の時には出たのにね。(近く純正エッチングセット発売予定。遅い!)
ちなみにM&Aミニチュアズから専用エッチング出てます。1600円(ラッキー調べ)これ一枚あれば、シートベルト含めてモデラーズのは要らない!

◎総合評価、感想

ちょっと値段が高い(2400円/H14.2)。半分はデカールの値段?
各ランナーへの部品配置や成形色にももっと気を遣ってもらいたい。今後のバリエーション展開を考えて共通部品と専用部品を分けるとか、消火器などカラーリングの必要な部品は白い成形色にするとか。

 良いところは良くて当たり前なので悪いところばかり書いてしまいました。手持ちの資料と首っ引きで、重箱の隅をつついてみましたが、そういう気にさせるだけのキットです。「各々の感性とワザで仕上げていくには絶好の素材」と評する人もいます。
 というわけで私は一つの答えを完成しましたが、「それは違うぞ」とか「まだまだ甘い」という人の挑戦をお待ちします。一緒に「成層圏」へ行きましょう。

◎総合評価、感想

 カローラ、037あたりから、ハセガワのラリー車もずいぶんこなれて来た感じなんだけど、このストラトスはもっと好印象。

キットの構成を見ると、エッチングとエンジンルームをメタルで再現したフルディティール・スペシャルキットが出るかもしれない。欲しいぞ〜!

ラリー車は面倒臭いけど、完成するとカッコええ!
マーキング違いが出たら、また作りたい逸品です。
ピレリカラーなんかイイな!

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